73 / 105
第三章 誰にでも秘密はある
3-13
しおりを挟む
「二人ともいい加減にしなさい」
デズモンドが、二人に注意する。
「キャスティナ、紹介しよう。わしの息子で、ローレンス・フェレーラ・グランヴィルだ。グランヴィル家の当主だよ」
キャスティナは、アルヴィンから離れる。デズモンドが紹介してくれた紳士と向き合う。この方が、アイリーンお義姉様とセリア殿下のお父様なのね。何だか凄く若く見える·····。恐らくデリックお義父様と同じぐらいよね?全然見えないんだけど·····。アルヴィンお兄様とは違った、正統派な美男子だわ。
キャスティナがまじまじと、ローレンスを見ている。ローレンスは立ち上がり、キャスティナの手を取り口づける。
「初めてお目にかかります、ローレンス・フェレーラ・グランヴィルです」
キャスティナは、ハッと我に返りお辞儀をする。
「キャスティナ・クラーク・エジャートンと申します。いつも、アイリーンお義姉様にお世話になってます」
キャスティナは、アイリーンを思い浮かべると自然と笑みが溢れた。ローレンスは、そんなキャスティナを見て、不思議と笑顔に惹かれる子だなと感じた。
「アイリーンも可愛い妹が出来たと喜んでいたよ」
ローレンスも、キャスティナに笑顔を向ける。
「では、皆が揃ったから早速キャスティナの話を聞こう」
デズモンドがみんなに声をかける。各々ソファに座る様に促す。キャスティナも、デズモンドの隣に腰かけた。
「で、キャスティナは今までどこにいたんだ?」
アルヴィンが始めに口を開く。
「すいません。それを話すと長くなるので、後でデズモンドお祖父様に聞いて下さい。それより、私の魔法について話をさせて下さい。この話は、今まで誰にも話した事はありません。内密にすると約束して下さい」
デズモンド、アルヴィン、ローレンスが頷く。
「私は、癒し系魔法が使えます。主にケガを治したり、体力を回復させたり、気持ちをリラックスさせたりといった作用があります」
キャスティナは、思いきって話し出した。
物心ついた時から自然に使えた。きっかけは、自分が転んでケガをした時になぜか呪文が口から出てケガを治してしまった。その話を母親にしたら、絶対に誰にも言ってはいけないと言われた。この魔法は特別だから、将来大切な人の為だけに使いなさいと言われ今までずっとその約束を守って来た事。
年を重ねるにつれて、この魔法がどれだけ特別かわかって来た。でももう、誰にも話さずにいることが辛くなってきた。エヴァンと出会って、大切な人が沢山出来てしまった。自分のこの魔法を、大切な人達の為に役に立てたいと思った。そんな時に、アルヴィンと出会いアルヴィンの強さを知って、この人なら上手にこの魔法を使ってくれるのでは?と感じた。
キャスティナは、一度話を切り紅茶を一口飲んだ。
「凄いな。癒し系魔法が本当に存在するなんて·····」
ローレンスが呟く。
「魔法自体は見ていないが、効果の程は見た。エヴァンの背中に突き刺さった矢キズが、かすり傷になってたからな」
アルヴィンが、キャスティナの話が本当だと言うようにしゃべる。
「でも、どうしてその後、姿を消した?なぜ、サディアス殿下は何も覚えていなかったんだ?」
キャスティナは、深呼吸をする。これから言う事は、不敬に値する。罰を受けてもしょうがない事だ。
「一国の王子に対して失礼な事を申します」
キャスティナは、言い辛そうな顔をしている。
「構わないよ。私達は、キャスティナの味方だよ」
キャスティナは、意を決して話し出す。
「私、王族の人達が嫌いなんです」
キャスティナは、自分のデビュタントの時の話を始めた。自分の国の王様やお妃様は、どんな人なんだろうと胸をワクワクさせて行った。それなのに、初めてお会いした王族の皆様の態度が余りに酷くて幻滅したこと。王様も王太子もつまらなそうな顔をして、デビュタントを迎えた令嬢達にニコリともせずに椅子に座っていた姿。そんな姿を見て、国のトップがこれでいいのかと疑問に感じた。唯一、第一王子の王太子妃の凛とした佇まいと目が合った時の微笑みに目を奪われた。
王族に対して只でさえ、第一印象が良くなかったのに、セリア殿下とのお茶会で会ったサディアス殿下が、思った通り傲慢で理不尽な方だった。絶対に魔法の事を知られたくなかったが、あの時はもう仕方なくて·····。目の前で癒し系魔法を使ってしまった。目の前で癒し系魔法を見た殿下は、素晴らしいじゃないか、これで我が国は戦えるって言ったと。
キャスティナは、話しながら段々と怒りが沸いて来て話し方がきつくなってしまう。
キャスティナの話を聞いていた三人は、息を飲む。
「それは、本当なのかい?」
デズモンドが、口を挟む。
「はい。はっきり聞きました。やっぱりこの人は、危険だと判断して眠ってもらいました」
キャスティナは、キッパリと強く話す。
「眠ってもらうって、どうやって?」
ローレンスが尋ねる、
「それは言いたくありません。なぜ、魔法の事、エヴァン様の傷の事を覚えてないのかも。ここまで話しておいて、話せない事があるだなんて卑怯な事だとわかってます。でも、自分の事を守る術なので·····。申し訳ありません」
キャスティナは、俯いてしまう。
「何て言うか·····。話を聞いてて、ただのお嬢様ではないと感じていたけど、これほどとは参ったね」
ローレンスが、感心して腕を組んだ。
デズモンドが、二人に注意する。
「キャスティナ、紹介しよう。わしの息子で、ローレンス・フェレーラ・グランヴィルだ。グランヴィル家の当主だよ」
キャスティナは、アルヴィンから離れる。デズモンドが紹介してくれた紳士と向き合う。この方が、アイリーンお義姉様とセリア殿下のお父様なのね。何だか凄く若く見える·····。恐らくデリックお義父様と同じぐらいよね?全然見えないんだけど·····。アルヴィンお兄様とは違った、正統派な美男子だわ。
キャスティナがまじまじと、ローレンスを見ている。ローレンスは立ち上がり、キャスティナの手を取り口づける。
「初めてお目にかかります、ローレンス・フェレーラ・グランヴィルです」
キャスティナは、ハッと我に返りお辞儀をする。
「キャスティナ・クラーク・エジャートンと申します。いつも、アイリーンお義姉様にお世話になってます」
キャスティナは、アイリーンを思い浮かべると自然と笑みが溢れた。ローレンスは、そんなキャスティナを見て、不思議と笑顔に惹かれる子だなと感じた。
「アイリーンも可愛い妹が出来たと喜んでいたよ」
ローレンスも、キャスティナに笑顔を向ける。
「では、皆が揃ったから早速キャスティナの話を聞こう」
デズモンドがみんなに声をかける。各々ソファに座る様に促す。キャスティナも、デズモンドの隣に腰かけた。
「で、キャスティナは今までどこにいたんだ?」
アルヴィンが始めに口を開く。
「すいません。それを話すと長くなるので、後でデズモンドお祖父様に聞いて下さい。それより、私の魔法について話をさせて下さい。この話は、今まで誰にも話した事はありません。内密にすると約束して下さい」
デズモンド、アルヴィン、ローレンスが頷く。
「私は、癒し系魔法が使えます。主にケガを治したり、体力を回復させたり、気持ちをリラックスさせたりといった作用があります」
キャスティナは、思いきって話し出した。
物心ついた時から自然に使えた。きっかけは、自分が転んでケガをした時になぜか呪文が口から出てケガを治してしまった。その話を母親にしたら、絶対に誰にも言ってはいけないと言われた。この魔法は特別だから、将来大切な人の為だけに使いなさいと言われ今までずっとその約束を守って来た事。
年を重ねるにつれて、この魔法がどれだけ特別かわかって来た。でももう、誰にも話さずにいることが辛くなってきた。エヴァンと出会って、大切な人が沢山出来てしまった。自分のこの魔法を、大切な人達の為に役に立てたいと思った。そんな時に、アルヴィンと出会いアルヴィンの強さを知って、この人なら上手にこの魔法を使ってくれるのでは?と感じた。
キャスティナは、一度話を切り紅茶を一口飲んだ。
「凄いな。癒し系魔法が本当に存在するなんて·····」
ローレンスが呟く。
「魔法自体は見ていないが、効果の程は見た。エヴァンの背中に突き刺さった矢キズが、かすり傷になってたからな」
アルヴィンが、キャスティナの話が本当だと言うようにしゃべる。
「でも、どうしてその後、姿を消した?なぜ、サディアス殿下は何も覚えていなかったんだ?」
キャスティナは、深呼吸をする。これから言う事は、不敬に値する。罰を受けてもしょうがない事だ。
「一国の王子に対して失礼な事を申します」
キャスティナは、言い辛そうな顔をしている。
「構わないよ。私達は、キャスティナの味方だよ」
キャスティナは、意を決して話し出す。
「私、王族の人達が嫌いなんです」
キャスティナは、自分のデビュタントの時の話を始めた。自分の国の王様やお妃様は、どんな人なんだろうと胸をワクワクさせて行った。それなのに、初めてお会いした王族の皆様の態度が余りに酷くて幻滅したこと。王様も王太子もつまらなそうな顔をして、デビュタントを迎えた令嬢達にニコリともせずに椅子に座っていた姿。そんな姿を見て、国のトップがこれでいいのかと疑問に感じた。唯一、第一王子の王太子妃の凛とした佇まいと目が合った時の微笑みに目を奪われた。
王族に対して只でさえ、第一印象が良くなかったのに、セリア殿下とのお茶会で会ったサディアス殿下が、思った通り傲慢で理不尽な方だった。絶対に魔法の事を知られたくなかったが、あの時はもう仕方なくて·····。目の前で癒し系魔法を使ってしまった。目の前で癒し系魔法を見た殿下は、素晴らしいじゃないか、これで我が国は戦えるって言ったと。
キャスティナは、話しながら段々と怒りが沸いて来て話し方がきつくなってしまう。
キャスティナの話を聞いていた三人は、息を飲む。
「それは、本当なのかい?」
デズモンドが、口を挟む。
「はい。はっきり聞きました。やっぱりこの人は、危険だと判断して眠ってもらいました」
キャスティナは、キッパリと強く話す。
「眠ってもらうって、どうやって?」
ローレンスが尋ねる、
「それは言いたくありません。なぜ、魔法の事、エヴァン様の傷の事を覚えてないのかも。ここまで話しておいて、話せない事があるだなんて卑怯な事だとわかってます。でも、自分の事を守る術なので·····。申し訳ありません」
キャスティナは、俯いてしまう。
「何て言うか·····。話を聞いてて、ただのお嬢様ではないと感じていたけど、これほどとは参ったね」
ローレンスが、感心して腕を組んだ。
95
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
召喚先は、誰も居ない森でした
みん
恋愛
事故に巻き込まれて行方不明になった母を探す茉白。そんな茉白を側で支えてくれていた留学生のフィンもまた、居なくなってしまい、寂しいながらも毎日を過ごしていた。そんなある日、バイト帰りに名前を呼ばれたかと思った次の瞬間、眩しい程の光に包まれて──
次に目を開けた時、茉白は森の中に居た。そして、そこには誰も居らず──
その先で、茉白が見たモノは──
最初はシリアス展開が続きます。
❋他視点のお話もあります
❋独自設定有り
❋気を付けてはいますが、誤字脱字があると思います。気付いた時に訂正していきます。
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
【完結】きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
Mimi
恋愛
若様がお戻りになる……
イングラム伯爵領に住む私設騎士団御抱え治療士デイヴの娘リデルがそれを知ったのは、王都を揺るがす第2王子魅了事件解決から半年経った頃だ。
王位継承権2位を失った第2王子殿下のご友人の栄誉に預かっていた若様のジェレマイアも後継者から外されて、領地に戻されることになったのだ。
リデルとジェレマイアは、幼い頃は交流があったが、彼が王都の貴族学院の入学前に婚約者を得たことで、それは途絶えていた。
次期領主の少年と平民の少女とでは身分が違う。
婚約も破棄となり、約束されていた輝かしい未来も失って。
再び、リデルの前に現れたジェレマイアは……
* 番外編の『最愛から2番目の恋』完結致しました
そちらの方にも、お立ち寄りいただけましたら、幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる