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第11話
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「待って、ルフレンスさん。あなたが頭を下げる必要はないわ。だって、あなた自身は、ブライディの悪行に加担していなかったんでしょ?」
「もちろんです。……恥ずかしながら、私は父の計画を、知りもしませんでした。もしも知っていたら、この命にかえてでも、父を止めようとしたでしょう」
私は頷き、話を続ける。
「……正直に言えば、ブライディ宰相のことは、今でも少しだけ憎い。でも、その憎しみを、ブライディの息子であるというだけで、あなたに向けるのは間違ってると思う。だから、この話はこれでおしまいにしましょう」
「リーリエル様……」
「ところで、さっき『一族全員がトラウゼンへ追放された』って言ってたけど、あなたの家族もこのテントに住んでるの?」
ルフレンスは力なく首を左右に振り、私の問いに答える。
「いえ、私以外の一族は皆、もう死んでしまいました。トラウゼンでの暮らしは見た目以上に過酷ですから、体が強くなければ、生き抜いていくことはできません。子供や女性、老人にとっては、まさに命を削られるに等しい生活です」
「そう……でも、この立派なテントなら、そこそこは快適に過ごせる気もするけど……」
「今は日中ですから、外が多少暑いくらいで、それほど辛くないですが、危険なのは夜です。この辺りは特殊な環境で、夜になると一気に冷え込み、気温は氷点下にまで下がります。それが毎日続くので、体の弱い人間は、極端な寒暖差にやられて、たちまち病気になってしまうんです」
氷点下。
そりゃびっくりだわ。
たぶん、今の外気温は30度を超えているから、昼と夜で、めちゃくちゃな差ね。寒暖差というものは、人間の体調に多大な影響を与えるから、よっぽど体が強い人じゃないと、このトラウゼンじゃ生きていけないってことか……
「あの、ちょっと思ったんだけど、テントじゃなくて、もっとちゃんとした建物に住めば、多少は寒暖差を和らげることもできるんじゃないの?」
「そうですね。そうすることができれば、どんなに良いでしょうか。でも、それは無理なんです。このトラウゼンでは、ちゃんとした建物に住むことなんて……」
その時だった。
テントが急に揺れ始める。
いや、違う。
揺れているのはテントではない。
地面だ。
地面が、揺れている。
強烈な縦揺れで、座っているのに転びそうになるほど、体が激しく上下する。
凄い地震だ。
震度で言うなら5以上は確実……いや、もっと強いかもしれない。
当然ながら、これだけの揺れの中で、会話の続きなどできるはずがない。
私は椅子にしがみつくようにしながら、地震が収まるのを待った。
「もちろんです。……恥ずかしながら、私は父の計画を、知りもしませんでした。もしも知っていたら、この命にかえてでも、父を止めようとしたでしょう」
私は頷き、話を続ける。
「……正直に言えば、ブライディ宰相のことは、今でも少しだけ憎い。でも、その憎しみを、ブライディの息子であるというだけで、あなたに向けるのは間違ってると思う。だから、この話はこれでおしまいにしましょう」
「リーリエル様……」
「ところで、さっき『一族全員がトラウゼンへ追放された』って言ってたけど、あなたの家族もこのテントに住んでるの?」
ルフレンスは力なく首を左右に振り、私の問いに答える。
「いえ、私以外の一族は皆、もう死んでしまいました。トラウゼンでの暮らしは見た目以上に過酷ですから、体が強くなければ、生き抜いていくことはできません。子供や女性、老人にとっては、まさに命を削られるに等しい生活です」
「そう……でも、この立派なテントなら、そこそこは快適に過ごせる気もするけど……」
「今は日中ですから、外が多少暑いくらいで、それほど辛くないですが、危険なのは夜です。この辺りは特殊な環境で、夜になると一気に冷え込み、気温は氷点下にまで下がります。それが毎日続くので、体の弱い人間は、極端な寒暖差にやられて、たちまち病気になってしまうんです」
氷点下。
そりゃびっくりだわ。
たぶん、今の外気温は30度を超えているから、昼と夜で、めちゃくちゃな差ね。寒暖差というものは、人間の体調に多大な影響を与えるから、よっぽど体が強い人じゃないと、このトラウゼンじゃ生きていけないってことか……
「あの、ちょっと思ったんだけど、テントじゃなくて、もっとちゃんとした建物に住めば、多少は寒暖差を和らげることもできるんじゃないの?」
「そうですね。そうすることができれば、どんなに良いでしょうか。でも、それは無理なんです。このトラウゼンでは、ちゃんとした建物に住むことなんて……」
その時だった。
テントが急に揺れ始める。
いや、違う。
揺れているのはテントではない。
地面だ。
地面が、揺れている。
強烈な縦揺れで、座っているのに転びそうになるほど、体が激しく上下する。
凄い地震だ。
震度で言うなら5以上は確実……いや、もっと強いかもしれない。
当然ながら、これだけの揺れの中で、会話の続きなどできるはずがない。
私は椅子にしがみつくようにしながら、地震が収まるのを待った。
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