姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】

小平ニコ

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第17話

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 黙ってしまった私の代わりに、ルフレンスは静かに語り続ける。

「リーリエル様。あなたがトラウゼンに来て、こうして一緒に生活するようになって、私の暮らしは大きく変わりました。毎日が、とてもいろどり豊かで、そして、楽しいんです」

「…………」

「ハッキリ言って、これまでの私は、人生を捨てていました。大罪人の一族として、このトラウゼンに閉じ込められ、祖父も、祖母も、母も、妹も、過酷な生活に耐えられず死に、残ったのは、体の丈夫だった私だけ。……家族をすべて失い、ただ一人、孤独に老いていくなら、いっそのこと私も皆と一緒に死んでしまいたかったと思う毎日でした」

「そう……あなたもつらかったのね。でも、たとえ私がいなくても、『ただ一人』の『孤独』ってことはないでしょ? あのノブやコラみたいに、あなたを慕っている人も大勢いるんだから」

「おっしゃる通りです。人なつっこい彼らは、裏表のない純粋な感情で、こんな私を『兄貴兄貴』と慕ってくれる。その気持ちは、とても嬉しいですし、ありがたく思っています。……しかし私は、孤独でした。私は、心の中に壁を作り、トラウゼンの住人達とあまり親密になりすぎないようにしていましたから」

「どういうこと?」

 私の問いに、ルフレンスは沈痛な面持ちでため息を漏らした。

「親族は皆、苦しんで死んでいったのに、一人だけ生き残った私が、トラウゼンの住人達に溶け込んで楽しく暮らすことが、私にはなんだかとても罪深いことのように思えたのです。だから私は、いつも彼らから一歩引いた立場でい続けました。そうやって孤独に生きて孤独に死ぬのが、正しいことだと信じ、いつしか私は、生きる喜びを忘れていきました……」

 そこでルフレンスはお皿を洗い終わり、それほど多くはない食器を乾燥棚に置いてから、私に向き直る。

「しかし、あなたと会えたことで、私は生きる喜びを思い出しました。あなたが、私の心の中にあった壁を壊してくれたのです。『誰か』と一緒に食事を作り、肩を並べて食器を洗い、何気ないことを語り合う。こういった『誰か』との生活が、人間にとっては、とても大切なことなのですね。だから多くの人は、本能的に孤独を恐れるのでしょう」
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