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第21話
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「正直に言えば、私はあなたをイルスタンに行かせたくない。このトラウゼンで、いつまでも一緒に暮らしたい。あなたは、私の人生の希望そのものなんです」
「…………」
「ですが、どうするのか決めるのは、あなた自身です、リーリエル様。そしてあなたは恐らく、もう意思を決めている……」
私は、ゆっくりと頷いた。
「その通りよ。身内が国をめちゃくちゃにしていくのを、見て見ぬふりはできないわ。私は今からイルスタンに行き、ランセリアお姉様を止めてくる」
「そう……ですか。いえ、あなたならそう言うと覚悟していました。私もこの『呪いの刻印』さえなければ、一緒に行きたいところなのですが……」
「その気持ちだけで充分よ。それじゃ、行って来るわ」
・
・
・
そして私は、イルスタンに帰ってきた。
街並み自体に特に変化はないが、なんだか、誰も彼も緊張し、ビクビクしているように見える。……きっと皆、ランセリアお姉様を恐れているのだろう。何せ、大臣たちですら追放されてしまったのだ、乱心したお姉様の怒りは、いつ、どんな形で爆発するか分からない。民衆たちは、その不安を抱えながら、日々を過ごしているのね。
不穏な雰囲気。
どんより薄暗い空。
そして、鬱々とした人々の表情。
すっかり過ごしやすくなったトラウゼンとは、大違いだ。
これでは、どっちが流刑地か分からないわね。早く何とかしないと。
私は決意を込め、町を進んでいく。
お姉様のいる王宮に到達するまで、何人もの衛兵たちがいたが、彼らは皆、追放された罪人であるはずの私を素通りさせた。……衛兵たちも、私がランセリアお姉様を止めてくれるのを期待しているに違いない。
ゆっくりと歩みを進め、とうとう私は、玉座の間にてお姉様と対峙する。
玉座の間にいたのは、お姉様だけだった。しかもお姉様は、立派な玉座のすぐそばにサイドテーブルを置き、昼間からお酒を飲んでいた。……その表情は、暗い。どう見ても、楽しんでお酒を飲んでいるようには見えなかった。
お姉様は、追放したはずの私が戻ってきたのに、たいして驚いた様子もなく、さらに一杯お酒をあおってから、口を開く。
「やっぱり戻って来たわね、リーリエル。あんたのことだから、トラウゼンに追放したくらいじゃへこたれないと思ってたわ」
「…………」
「ですが、どうするのか決めるのは、あなた自身です、リーリエル様。そしてあなたは恐らく、もう意思を決めている……」
私は、ゆっくりと頷いた。
「その通りよ。身内が国をめちゃくちゃにしていくのを、見て見ぬふりはできないわ。私は今からイルスタンに行き、ランセリアお姉様を止めてくる」
「そう……ですか。いえ、あなたならそう言うと覚悟していました。私もこの『呪いの刻印』さえなければ、一緒に行きたいところなのですが……」
「その気持ちだけで充分よ。それじゃ、行って来るわ」
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そして私は、イルスタンに帰ってきた。
街並み自体に特に変化はないが、なんだか、誰も彼も緊張し、ビクビクしているように見える。……きっと皆、ランセリアお姉様を恐れているのだろう。何せ、大臣たちですら追放されてしまったのだ、乱心したお姉様の怒りは、いつ、どんな形で爆発するか分からない。民衆たちは、その不安を抱えながら、日々を過ごしているのね。
不穏な雰囲気。
どんより薄暗い空。
そして、鬱々とした人々の表情。
すっかり過ごしやすくなったトラウゼンとは、大違いだ。
これでは、どっちが流刑地か分からないわね。早く何とかしないと。
私は決意を込め、町を進んでいく。
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ゆっくりと歩みを進め、とうとう私は、玉座の間にてお姉様と対峙する。
玉座の間にいたのは、お姉様だけだった。しかもお姉様は、立派な玉座のすぐそばにサイドテーブルを置き、昼間からお酒を飲んでいた。……その表情は、暗い。どう見ても、楽しんでお酒を飲んでいるようには見えなかった。
お姉様は、追放したはずの私が戻ってきたのに、たいして驚いた様子もなく、さらに一杯お酒をあおってから、口を開く。
「やっぱり戻って来たわね、リーリエル。あんたのことだから、トラウゼンに追放したくらいじゃへこたれないと思ってたわ」
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