姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】

小平ニコ

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第22話

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 私はつかつかとお姉様に歩み寄り、言う。

「まあね。トラウゼンも、住んでみると思ったより悪いところじゃなかったわよ。……それよりお姉様、どうして大臣たちを追放したの? 形の上では、王族と民衆、そして大臣が協力して国を運営していることになってるけど、この国を実際に動かしているのは実務経験豊富な大臣たちよ。あの人たちがいなければ、国はまともに回らないわ」

「へえ、そうなの、そりゃ大変ね」

 お姉様はいかにも『他人ごと』といった感じで、つまらなそうにつぶやくと、もう一度酒をあおる。その様子はまるで、もはや浮世のことには何の関心もない世捨て人だ。

 ……何か様子がおかしい。
 私は訝しみ、あえて冗談めかして、お姉様に問いかける。

「まさか、昼間から好き放題にお酒が飲みたいから、口うるさい大臣たちをどこかにやってしまいたかったってわけじゃないわよね?」

 そんな私の問いに、お姉様はケラケラと笑ってから答えた。

「そうだって言ったらどうする?」

「…………」

「正確に言うなら、別に、お酒が飲みたいからってわけじゃないわ。ただ、鬱陶しい、目障りな連中を、みんなみんな、私の視界の外にやりたかったのよ。大臣たちも、あんたもね」

「それで、権力を独占して、この広い玉座の間でやることが、たった一人で酒盛りをすることなの? お姉様のやってること、ハッキリ言って理解できないわ」

「そう。よかった。私、あんたに理解なんてされたくないもの。……さて、ここまで来たってことは、私と戦うつもりなんでしょ? それじゃ、始めましょうか」

 お姉様はそう言うと、フラフラと立ち上がった。泥酔している割にはしっかりとした足取りだが、とても魔法を使った戦いができる状態とは思えない。私はため息を漏らし、忠告するように言う。

「お姉様、やめた方がいいわ。いくらお姉様でも、そんな状態じゃ私と戦うことなんて……」

 そんな私の言葉を遮るように、すぐ目の前に火球が飛んできた。
 お姉様の攻撃魔法だ。

 速い。
 とても酔っ払いの使った魔法とは思えないスピードだ。

 私は慌てて魔法の盾を作り、火球を防御する。

 危なかった。
 もう少し油断していたら、今頃私の顔面は大やけどである。
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