とある令嬢と婚約者、そしてその幼馴染の修羅場を目撃した男の話【完結】

小平ニコ

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第4話

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『ジェリーナとデイモンドのデート』の、間違いじゃないの?

 ……っていうかさ。
 エレーンとデイモンドが婚約者で、これが二人のデートだって言うなら、ジェリーナ、あんた、いったいなんなのよ?

 そこでさ。
 俺、とうとう我慢できなくなって、聞いちゃったのよ。……「エレーン様とデイモンド様が婚約しておられるのなら、ジェリーナ様、あなたはいったい、どういうお立場の方なのですか?」って。

 図々しいって?
 失礼すぎるって?

 俺も、そう思うよ。

 でも、目の前で訳の分からない状況が続いてさ、どうしても、好奇心を抑えきれなくなったんだ。案の定、ジェリーナは不愉快そうな顔になったが、それでも無視はしなかった。彼女は、俺に唾でも吐きかけるような勢いで、こう言ったんだ。

「私はデイモンドの幼馴染よ。それが何か? ボーイさん、あなたには関係ないでしょ?」

 いやいやいやいやいやいや!
 わけわかんねーよ!

 婚約者であるエレーンとデイモンドにとって、関係ないのはあんたの方だろ!?

 一度俺の頭に浮かんだ疑問符はどんどんと膨れ上がり、俺はもう、自分の行動を止められなかった。変な話だけど、仕事をクビになってもいいから、この三人組の『奇妙な三角関係』について、詳しく知りたいと思ってしまったんだ。

 だから俺は、尋ねた。

「あの、大変失礼ですが、あなたたちはいつも、三人でデートをしているのですか?」

 本当に失礼な質問だと、自分でも思う。
 デイモンドは明らかにムッとした様子で、答えた。

「さっきからなんなんだきみは! このラウンジは、どうしてこんな無礼な男を雇っているんだ! 店長を呼んでくれ! 抗議させてもらう!」

 ああ~。
 やっちまった。
 これで、確実にクビだな。

 そう思ったよ。

 で、逆に覚悟が決まった。
 俺はしつこく、デイモンドに食い下がった。

「わかりました。今、店長を呼んできます。……その前に、できれば俺の質問に、答えてもらいたいんだけどね。どうせ俺はクビになるんだ。ならせめて、疑問を解消してから、店を辞めたいんでね。答えてくれたら、もう、何も言わないよ。なんなら、あんたたちに、土下座して謝ってもいいよ」

 俺の口調が、丁寧なものから、粗野なものに、変わっていた。
 まあ、これが地だからね。育ちだって、良いわけじゃないし。

 態度が変わった俺に少々怯んだのか、デイモンドは意外にも素直に、質問に答えてくれた。

「……いつも、と言うか、まあ、ほとんどの場合、三人でデートしているな。だって、仕方ないだろう。ジェリーナが、僕とエレーンのデートに、ついて来たがるんだから」
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