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第19話【完結】
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そう言いながら通知欄を見て、私は先程のアンディと同じように、「あっ」と声を上げてしまう。……通知欄には、こう書かれていた。
『聖女様。現在、あなたの所在地が分からず、連絡の取りようがないので、このような形での発信になったことを、お許しください。かつての私たちは、あなたに守護されておきながら、感謝することもなく、あまりにも身勝手でした。まことに、申し訳ありませんでした。今後、何かお困りのことがあれば、いつでも我が国を訪ねてください。必ず力になります』
アンディが、私の肩を優しく叩き、言う。
「生き残った人たちは、ずっときみに対する仕打ちを後悔していて、謝りたいと思ってたんだね。きっとこれからも、何度でも通知欄に、謝罪の文章を載せ続けるんだろう。……気が向いたらでいいから、一度、手紙か何かを書いてあげたら?」
「ええ。すぐにでも『昔のことは、もう気にしてない。あなたたちの国が、ずっと平和であることを願っている』って手紙を送るわ」
私は本当に、昔のことを、もう気にしていなかった。今となっては、バグマルス王国が私を追放してくれたことに感謝しているくらいだ。だって、心の底から好意を持てる男性……アンディに、会わせてくれたのだから。
私は、いつかのように、肩に置かれたままだったアンディの手に手を重ねる。……そして、思い切って、感謝の言葉を述べることにした。
「アンディ、私、あなたに会えて、本当に良かったと思ってる。……あなたがあの日、少しだけ強引に私を酒場に連れ出してくれなかったら、きっと私の人生は、まったく違ったものになってた気がするわ。私にとってあなたは、救世主みたいな……ううん、救世主そのものよ」
「そんな、大げさな。……僕はただ、気になる女の子と、一緒にお酒が飲みたかっただけだよ」
「顔が赤いわよ。もしかして照れてる?」
「きみだって、少し顔が赤い」
「そうかな?」
「そうだよ」
そして私たちは、それ以上何もしゃべらず、見つめ合う。
数秒後、どちらからともなく、私たちは口づけをした。
私にとって、生まれて初めてのキスだった。
唇が触れ合うだけの、子供のようなキス。
それでも、信じられないくらい心が高揚し、胸がときめいた。
……これからきっと、私たちの関係は、一気に進展していくだろう。
期待感と気恥ずかしさで、胸の鼓動はますます高まり、うるさいほどだ。
しかし、胸を突き破らんばかりのその動悸が、たまらなく愛おしい。
これが、恋なのね。
なんだか面映ゆくて、今までは、あえてアンディに対する恋心を意識しないようにしてきたが、ハッキリと『恋』を自覚するだけで、驚くほどの幸福感で心が満たされていく。
この日から私の新しい人生が、本当の意味で始まった――
終わり。
――――――――――――――――――――――――――――――――
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
本日から新作『姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる』を投稿しております! よろしければ、見てもらえると嬉しいです!
『聖女様。現在、あなたの所在地が分からず、連絡の取りようがないので、このような形での発信になったことを、お許しください。かつての私たちは、あなたに守護されておきながら、感謝することもなく、あまりにも身勝手でした。まことに、申し訳ありませんでした。今後、何かお困りのことがあれば、いつでも我が国を訪ねてください。必ず力になります』
アンディが、私の肩を優しく叩き、言う。
「生き残った人たちは、ずっときみに対する仕打ちを後悔していて、謝りたいと思ってたんだね。きっとこれからも、何度でも通知欄に、謝罪の文章を載せ続けるんだろう。……気が向いたらでいいから、一度、手紙か何かを書いてあげたら?」
「ええ。すぐにでも『昔のことは、もう気にしてない。あなたたちの国が、ずっと平和であることを願っている』って手紙を送るわ」
私は本当に、昔のことを、もう気にしていなかった。今となっては、バグマルス王国が私を追放してくれたことに感謝しているくらいだ。だって、心の底から好意を持てる男性……アンディに、会わせてくれたのだから。
私は、いつかのように、肩に置かれたままだったアンディの手に手を重ねる。……そして、思い切って、感謝の言葉を述べることにした。
「アンディ、私、あなたに会えて、本当に良かったと思ってる。……あなたがあの日、少しだけ強引に私を酒場に連れ出してくれなかったら、きっと私の人生は、まったく違ったものになってた気がするわ。私にとってあなたは、救世主みたいな……ううん、救世主そのものよ」
「そんな、大げさな。……僕はただ、気になる女の子と、一緒にお酒が飲みたかっただけだよ」
「顔が赤いわよ。もしかして照れてる?」
「きみだって、少し顔が赤い」
「そうかな?」
「そうだよ」
そして私たちは、それ以上何もしゃべらず、見つめ合う。
数秒後、どちらからともなく、私たちは口づけをした。
私にとって、生まれて初めてのキスだった。
唇が触れ合うだけの、子供のようなキス。
それでも、信じられないくらい心が高揚し、胸がときめいた。
……これからきっと、私たちの関係は、一気に進展していくだろう。
期待感と気恥ずかしさで、胸の鼓動はますます高まり、うるさいほどだ。
しかし、胸を突き破らんばかりのその動悸が、たまらなく愛おしい。
これが、恋なのね。
なんだか面映ゆくて、今までは、あえてアンディに対する恋心を意識しないようにしてきたが、ハッキリと『恋』を自覚するだけで、驚くほどの幸福感で心が満たされていく。
この日から私の新しい人生が、本当の意味で始まった――
終わり。
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