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第10話
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「俺たちをササッと片付けるって? あんた、どっかのお嬢様にしか見えないが、実は地上最強の剣士だったりするのか?」
お嬢様と言われて、ちょっとだけ嬉しい私。
なので、微笑しながら言葉を返す。
「このシエルが言うには、そうらしいわ。あ、でも困ったわね。剣がない。実戦経験豊富そうな八人の荒くれ男ども相手に、さすがに素手じゃ分が悪いかしら」
素手じゃなきゃ、木の棒でも何でもいいんだけど、そんな手頃な棒が都合よく転がっているほど世の中甘くない。そんな時、シエルが小脇に何かを抱えていることに気づく。どうやら、テントから出る時に、荷物の中から持ってきていた物のようだ。
「シエル、それは?」
「僕の剣です。ただ小ぶりで、実戦で使えるかどうかもわからない物ですが……」
「ちょっと見せて」
私は、鞘から剣を抜く。なるほど、確かに小ぶりな剣だ。刀身は反っていて、細い。豪剣とぶつかれば、たちまち折れてしまいそうな儚く美しいその姿は、実戦用の剣と言うよりは美術品のようだった。
人さらいの男が、嘲った笑みを浮かべる。
「綺麗な剣だな。美術館に飾っておけば、そこそこ人を呼べるだろうぜ。だが、とても実戦向きじゃない。鋼の剣どころか、ちょっと頑丈な木剣とぶつかっただけでも折れちまうんじゃねえか?」
私もお返しに、嘲った笑みを浮かべる。
「でも、人の肉と骨を断つにはこれで充分だわ」
私は剣の切っ先を突きつけ、人さらいたちに最後通告をした。
「あなたたちみたいなのが相手でも、私は無意味な殺戮は好まない。でも、この細い剣じゃ、峰打ちで意識だけ失わせるってわけにもいかない。だから必然的に、殺さず戦力を削ぐ場合は、腕か足を切り落とすことになるわ」
「へえ」
「だから、腕か足を失ってもいい覚悟がある者だけ、かかって来なさい。その覚悟がないなら、今すぐ消えなさい。寛容な心で見逃してあげるわ」
これまで、比較的上機嫌に話をしていた人さらいの男だが、今のは流石に癇に障ったらしい。口元にずっと張り付いていた薄ら笑いが消え、手下たちに冷酷な指示を下す。
「おい、お前ら。世間知らずのお嬢様に現実を教えてやれ。ただし、顔は傷つけるなよ。大事な商品だ。医者に連れてかなきゃいけないような深手も負わすな。無駄金は使いたくねぇ。それ以外なら、好きに痛めつけろ。多少はビビらせた方が、扱いも楽になるしな」
「和平交渉決裂ね。残念だわ。旅立ちの日に血の雨が降るなんて」
私はそう言い切るのと同時に、こちらに向かって来ようとしていた人さらいたちに自ら突進した。その突進に、人さらいたちは気づいていない。私一人が、止まった時間の中を動いているようだった。
お嬢様と言われて、ちょっとだけ嬉しい私。
なので、微笑しながら言葉を返す。
「このシエルが言うには、そうらしいわ。あ、でも困ったわね。剣がない。実戦経験豊富そうな八人の荒くれ男ども相手に、さすがに素手じゃ分が悪いかしら」
素手じゃなきゃ、木の棒でも何でもいいんだけど、そんな手頃な棒が都合よく転がっているほど世の中甘くない。そんな時、シエルが小脇に何かを抱えていることに気づく。どうやら、テントから出る時に、荷物の中から持ってきていた物のようだ。
「シエル、それは?」
「僕の剣です。ただ小ぶりで、実戦で使えるかどうかもわからない物ですが……」
「ちょっと見せて」
私は、鞘から剣を抜く。なるほど、確かに小ぶりな剣だ。刀身は反っていて、細い。豪剣とぶつかれば、たちまち折れてしまいそうな儚く美しいその姿は、実戦用の剣と言うよりは美術品のようだった。
人さらいの男が、嘲った笑みを浮かべる。
「綺麗な剣だな。美術館に飾っておけば、そこそこ人を呼べるだろうぜ。だが、とても実戦向きじゃない。鋼の剣どころか、ちょっと頑丈な木剣とぶつかっただけでも折れちまうんじゃねえか?」
私もお返しに、嘲った笑みを浮かべる。
「でも、人の肉と骨を断つにはこれで充分だわ」
私は剣の切っ先を突きつけ、人さらいたちに最後通告をした。
「あなたたちみたいなのが相手でも、私は無意味な殺戮は好まない。でも、この細い剣じゃ、峰打ちで意識だけ失わせるってわけにもいかない。だから必然的に、殺さず戦力を削ぐ場合は、腕か足を切り落とすことになるわ」
「へえ」
「だから、腕か足を失ってもいい覚悟がある者だけ、かかって来なさい。その覚悟がないなら、今すぐ消えなさい。寛容な心で見逃してあげるわ」
これまで、比較的上機嫌に話をしていた人さらいの男だが、今のは流石に癇に障ったらしい。口元にずっと張り付いていた薄ら笑いが消え、手下たちに冷酷な指示を下す。
「おい、お前ら。世間知らずのお嬢様に現実を教えてやれ。ただし、顔は傷つけるなよ。大事な商品だ。医者に連れてかなきゃいけないような深手も負わすな。無駄金は使いたくねぇ。それ以外なら、好きに痛めつけろ。多少はビビらせた方が、扱いも楽になるしな」
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私はそう言い切るのと同時に、こちらに向かって来ようとしていた人さらいたちに自ら突進した。その突進に、人さらいたちは気づいていない。私一人が、止まった時間の中を動いているようだった。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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