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幼少期編
4.メイルの秘密
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それからの俺の生活は少し変わった。
まずは自分の勉強。
とは言ってもたかが5歳児、すぐ終わる。
となったら次は魔法の練習。
最近ではほぼ無詠唱で天候まで操れるようになってきた。いや、天候まで操れるってなに?
最近自分が怖くなってきた。
それと並行して付与魔法の研究
もっとたくさん付与できないかとか威力とか調節可能かとか色々だ。
それに加えてメイルをからかいにいくことだ。
「よっ、メイル様」
「はぁ、またお前か、いい加減ここの部屋に来るのをやめたらどうだ」
そう、何とメイルのやつうちに来た初日からもうずっと部屋に引きこもりの状態なのである。
「じゃあいい加減食事の時ぐらい晩餐室にでも出てきたらどうだ、お父様もお母様も心配しているぞ。」
「ふんっ、お前も親のご機嫌取りが大変だな」
「何だと?このひねくれボーイめ。俺はお父様とお母様がただ大好きなだけだ、勿論使用人たちも大好きだ。それに部屋に篭りきりだと本当に体壊すぞメイル様」
「それならそれで構わない、むしろ死んでもいい。俺は誰にも望まれては居ないのだから」
...厨二病か!
「はぁ、やっぱり療養って嘘だったんだな」
「あっ」
チョロい、チョロすぎる。
「メイル様はネガティブだな」
「お前は能天気だな、毎日飽きもせず俺のところに来ては一人勝手に喋っていく、何がしたいんだ。」
「いや?ただ一人で篭ってばかりでつまらないだろうなーって思って。ほら、俺面倒見いいから。」
「...ふんっ」
うーむ、中々心を開いてもらえない。
まだ思春期には早い年齢だぞ。
「それにほら、メイル様の黒髪綺麗で俺好きだからさ、漆黒の髪って珍しいよなー。」
するとメイルの翡翠色の大きな瞳がさらに大きく見開いて俺を見ている。
え、俺何か変なこと言ったのかな?
「お、お前...本当に何も知らないのか?」
その声はいつもよりとても弱々しく、何かに怯えているかのようだった。
「え?急にどうしたんだよメイル様」
「そうか、何も知らないのかそうか...」
そう言って何かぶつぶつと独り言を言い出した。
メイルsid
俺は不吉の象徴だ。
存在しているだけで忌み嫌われる。
父上も母上も俺の扱いに困惑している。
俺はこのグリムワルト王国の第一王子、メイル・グリムワルト5歳。
生まれた時は父上譲りの綺麗な金髪に母上譲りの翡翠の瞳だったのだが、ある日を境にその髪色が真っ黒に変わったのだ。
この国で黒い色彩は不吉の象徴として忌み嫌われている。迫害されたりする地域もあるくらいだ。この国のトップである王族が黒髪なのは非常にまずいのだ。
髪の毛が真っ黒になった日を境に俺の世界は自分の部屋だけになった。必要最低限の使用人、皆んな俺を避けるようになった。
そしてある日第二王妃の赤ちゃんが生まれた。名前はアルフレッド、金髪にスカイブルーの瞳らしい。
使用人が話しているのを聞いた事がある。
国王は第一王子の俺を廃嫡してアルフレッドを王太子にするのではと。
そうか、俺の髪の毛が黒くて不吉の象徴だから父上も母上も俺を避けるのか。
第二王妃のアルフレッドの方が大切なのか。
俺の中で何かが壊れた気がした。
ある日父上が部屋にやってきた
「メイル、私の友人のアリム・バードナー公爵の家に暫く行ってみないか?アリムの家にはメイルと同じ年頃の子供もいると聞いているのだ、友達になれるかもしれぬし、どうだ?」
「はい、父上、行って参ります。」
そうか、もう俺は必要ないから捨てられるのか、なんかもうどうでも良くなってきた。
そしてバードナー公爵に連れられて公爵家にやってきた。
家に入ると一瞬だが使用人たちが息を呑む空気が伝わってきた。
やはりここも同じだな
するとそんな空気をものともせずに俺に話しかけてきた奴がいた。
名前はイズリル・バードナー。
バードナー公爵家の嫡男で白髪に赤い瞳の中性的で綺麗な容姿の子供だった。
きっと両親に言われて仲良くしろとでも言われているのだろう
その挨拶に失礼とは知りながらも鼻で笑うと執事の後をついて用意された部屋に入る。
今日からここが俺の世界だ。
しかしその日のうちの夜にイズリルが部屋に無理矢理入ってきて俺の口にプリンという謎の食べ物を突っ込んできた。
久しぶりにこんなに人と話したかもしれない。
最初は丁寧な口調で話していたイズリルは蓋を開けると見た目に反して口が非常に悪く、俺の本当の身分を知らないからか遠慮なく話しかけてくる。
俺が部屋から出ないでいると毎日飽きもせず暇があれば話に部屋へやってくる。
そんなある日またイズリルは部屋にやってきた
「メイル様はネガティブだな」
「お前は能天気だな、毎日飽きもせず俺のところに来ては一人勝手に喋っていく、何がしたいんだ。」
どうしてお前は平気で俺に話しかけてくるんだ
俺は不吉の象徴だぞ
「いや?ただ一人で篭ってばかりでつまらないだろうなーって思って。ほら、俺面倒見いいから。」
「...ふんっ」
「それにほら、メイル様の黒髪綺麗で俺好きだからさ、漆黒の髪って珍しいよなー。」
なんだって?
「お、お前...本当に何も知らないのか?」
こいつに初めて髪のことをふれられた。
しかも綺麗で好き?
あぁ、こいつは本当に何も知らないし、両親に言われて仲良くしようとしていたのではないのだと初めて知った。
こいつに、イズリルにこの髪の毛の本当の意味が知られるのは嫌だなぁ、嫌われたくない、化け物を見るような目で見られたくない。
気がつくと俺は泣いていた。
end
まずは自分の勉強。
とは言ってもたかが5歳児、すぐ終わる。
となったら次は魔法の練習。
最近ではほぼ無詠唱で天候まで操れるようになってきた。いや、天候まで操れるってなに?
最近自分が怖くなってきた。
それと並行して付与魔法の研究
もっとたくさん付与できないかとか威力とか調節可能かとか色々だ。
それに加えてメイルをからかいにいくことだ。
「よっ、メイル様」
「はぁ、またお前か、いい加減ここの部屋に来るのをやめたらどうだ」
そう、何とメイルのやつうちに来た初日からもうずっと部屋に引きこもりの状態なのである。
「じゃあいい加減食事の時ぐらい晩餐室にでも出てきたらどうだ、お父様もお母様も心配しているぞ。」
「ふんっ、お前も親のご機嫌取りが大変だな」
「何だと?このひねくれボーイめ。俺はお父様とお母様がただ大好きなだけだ、勿論使用人たちも大好きだ。それに部屋に篭りきりだと本当に体壊すぞメイル様」
「それならそれで構わない、むしろ死んでもいい。俺は誰にも望まれては居ないのだから」
...厨二病か!
「はぁ、やっぱり療養って嘘だったんだな」
「あっ」
チョロい、チョロすぎる。
「メイル様はネガティブだな」
「お前は能天気だな、毎日飽きもせず俺のところに来ては一人勝手に喋っていく、何がしたいんだ。」
「いや?ただ一人で篭ってばかりでつまらないだろうなーって思って。ほら、俺面倒見いいから。」
「...ふんっ」
うーむ、中々心を開いてもらえない。
まだ思春期には早い年齢だぞ。
「それにほら、メイル様の黒髪綺麗で俺好きだからさ、漆黒の髪って珍しいよなー。」
するとメイルの翡翠色の大きな瞳がさらに大きく見開いて俺を見ている。
え、俺何か変なこと言ったのかな?
「お、お前...本当に何も知らないのか?」
その声はいつもよりとても弱々しく、何かに怯えているかのようだった。
「え?急にどうしたんだよメイル様」
「そうか、何も知らないのかそうか...」
そう言って何かぶつぶつと独り言を言い出した。
メイルsid
俺は不吉の象徴だ。
存在しているだけで忌み嫌われる。
父上も母上も俺の扱いに困惑している。
俺はこのグリムワルト王国の第一王子、メイル・グリムワルト5歳。
生まれた時は父上譲りの綺麗な金髪に母上譲りの翡翠の瞳だったのだが、ある日を境にその髪色が真っ黒に変わったのだ。
この国で黒い色彩は不吉の象徴として忌み嫌われている。迫害されたりする地域もあるくらいだ。この国のトップである王族が黒髪なのは非常にまずいのだ。
髪の毛が真っ黒になった日を境に俺の世界は自分の部屋だけになった。必要最低限の使用人、皆んな俺を避けるようになった。
そしてある日第二王妃の赤ちゃんが生まれた。名前はアルフレッド、金髪にスカイブルーの瞳らしい。
使用人が話しているのを聞いた事がある。
国王は第一王子の俺を廃嫡してアルフレッドを王太子にするのではと。
そうか、俺の髪の毛が黒くて不吉の象徴だから父上も母上も俺を避けるのか。
第二王妃のアルフレッドの方が大切なのか。
俺の中で何かが壊れた気がした。
ある日父上が部屋にやってきた
「メイル、私の友人のアリム・バードナー公爵の家に暫く行ってみないか?アリムの家にはメイルと同じ年頃の子供もいると聞いているのだ、友達になれるかもしれぬし、どうだ?」
「はい、父上、行って参ります。」
そうか、もう俺は必要ないから捨てられるのか、なんかもうどうでも良くなってきた。
そしてバードナー公爵に連れられて公爵家にやってきた。
家に入ると一瞬だが使用人たちが息を呑む空気が伝わってきた。
やはりここも同じだな
するとそんな空気をものともせずに俺に話しかけてきた奴がいた。
名前はイズリル・バードナー。
バードナー公爵家の嫡男で白髪に赤い瞳の中性的で綺麗な容姿の子供だった。
きっと両親に言われて仲良くしろとでも言われているのだろう
その挨拶に失礼とは知りながらも鼻で笑うと執事の後をついて用意された部屋に入る。
今日からここが俺の世界だ。
しかしその日のうちの夜にイズリルが部屋に無理矢理入ってきて俺の口にプリンという謎の食べ物を突っ込んできた。
久しぶりにこんなに人と話したかもしれない。
最初は丁寧な口調で話していたイズリルは蓋を開けると見た目に反して口が非常に悪く、俺の本当の身分を知らないからか遠慮なく話しかけてくる。
俺が部屋から出ないでいると毎日飽きもせず暇があれば話に部屋へやってくる。
そんなある日またイズリルは部屋にやってきた
「メイル様はネガティブだな」
「お前は能天気だな、毎日飽きもせず俺のところに来ては一人勝手に喋っていく、何がしたいんだ。」
どうしてお前は平気で俺に話しかけてくるんだ
俺は不吉の象徴だぞ
「いや?ただ一人で篭ってばかりでつまらないだろうなーって思って。ほら、俺面倒見いいから。」
「...ふんっ」
「それにほら、メイル様の黒髪綺麗で俺好きだからさ、漆黒の髪って珍しいよなー。」
なんだって?
「お、お前...本当に何も知らないのか?」
こいつに初めて髪のことをふれられた。
しかも綺麗で好き?
あぁ、こいつは本当に何も知らないし、両親に言われて仲良くしようとしていたのではないのだと初めて知った。
こいつに、イズリルにこの髪の毛の本当の意味が知られるのは嫌だなぁ、嫌われたくない、化け物を見るような目で見られたくない。
気がつくと俺は泣いていた。
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