言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ

文字の大きさ
2 / 2

捕まっちゃった件。

しおりを挟む
 重たい瞼をこじ開けながら起きる朝6時半。あの告白の日から約五年が経った今、俺は立派な社会人の一人として生きている。

高校卒業後、無事県外の大学に進入でき、亮とは顔を今でも合わすことなく引越した。実はあの後、亮からの連絡が怖くて連絡先を消したのはいい思い出だ。

 …そういえば、友達の一人が執拗に「亮の連絡見た?」と聞いてきたが、あれはなんだったんだろう。俺の事を話したんだろうか?その割には友達は何も言ってこなかったけど。

この五年間、色々あった。それこそ、彼女も一瞬ではあったがいたし、合コンも沢山出た。どれも、亮と比べてしまう自分に嫌気がさすだけだったけど。

 今、亮は何してるかな?

そう気づけば考えてしまっていたし、その度に可愛い彼女作ってるんだろうな、だなんて勝手に傷ついて。

 けどまあ。五年という年月は気持ちが落ち着くには十分な時間だったらしい。

もうこんな事をしていたのを、初恋は叶わない、なんて言うしなぁ。と笑えるようになったのがいい証拠だろう。

今なら、もし亮に会ったとしても平気かな。まあ会う気はないし、向こうもいい迷惑だろうから、実家には相変わらず帰らないし、クラスの同窓会も行ってない。

 同窓会に関しては、誰が可愛くなってた、金持ちになってた、だなんてのは友達から聞いていたから少し行ってみたい気持ちにはなったけど。

結局、悪気はなかったんだろうけど、亮が女の子といい雰囲気だった、だなんて言われて、思い出して落ち込んでたから行かなかったんだよな。

 まあ!そんな話は終わりにしよう。

最後にカバンを持って家を出る。今日は同期の山田と飲み会だ。仕事早く終わらせて山田の奥さんの惚気でも聞くか!






 






だなんて思って、仕事を終わらせて、山田と飲みに行った事までは覚えてるんデスけども。


「…は?」

「ん?どーしたの、奏太?」


ニッコリ、という効果音が付きそうな顔で笑っている亮。しかも、俺に馬乗りになっている。

俺の頭の中は???で埋め尽くされた。え、なんで亮が?いや、俺、山田と飲んでたよな?待って、まってくれ、なんで?え…


「…ッあ♡…ちょ、やめ、、!」

「あは!かーわいいねぇ、奏太?オレに触られて興奮してんだ?ふふ、」


 待 っ て く れ 。

え?なに、なにしてんの?コイツ。俺のモノに触ってるとか、いや、え?こいつ、本当に亮?俺の亮はもっと王子様で、、こんな、こんな、、。

いつもとは様子が違う亮に戸惑いながらも、俺は必死に動き回る亮の手を抑え、抵抗する。それが面白くないのか、亮はその整った顔を顰めながら俺に近づけてく、、?


「待て!!…おまっ、!何して…っ!」

「……この手、退けてくれない?…なぁに、そのいかにもショック受けました~~って顔。………ふふ、煽ってるの…?」

「は!?いや、なんでお前こんなことしてんだよ、、!どけろ!」

「へえ。奏太覚えてないんだ?……居酒屋でぇ、僕に「やだ…♡亮だめ♡行っちゃやぁ♡」って言ってたの。その場で襲わなかった僕を褒めて欲しいぐらいだけど。」


 瞬間。俺は時が止まったかのように錯覚した。

待て。待ってくれ。…俺…、山田の惚気聞いてて、イイ感じに酔いも回ってきて。恋バナになったから、俺の初恋を話したんだ。

…それで?なんか途中から横に誰かいて…うんうん、って聞いてくれるから、嬉しくなっていっぱい話して…「きっとその亮も好きだったんじゃない?」って言われて、、そして、、、


「あ♡その顔思い出した?真っ赤になっちゃって可愛いねぇ。」

「ち、違うッ!!」

「ん?何が違うって~?奏太クンは亮クンがだ~い好きだったんだもんね?あ、なに?その場で襲って欲しかったってこと?」

「お、お前に言うハズじゃ、、」

「…は?オレ以外に言うつもりだったの?」


ニコニコと笑いながら軽い様子で話してた亮から一変して凄く低い声で目をバキバキにしながら聞いてくる。心なしか、握られている手も離さない、だなんて言われているかのように更に強く握られる。

そんな、亮以外に言う人なんて、、そう思うけど、余りに怖い亮に声が出ない。


「なんか言えよ。オレぇ、浮気とか、、絶対ぇ許さないから。相手殺して、お前のことかんき」

「りょお、ちが、りょおいがい、に、いな、い…か、ら…」

「ふふ♡だよねぇ。奏ちゃんは僕しか好きじゃないもんね?ああ、ごめんね?こんな震えちゃって。……ーでも奏太が悪いんだよ?僕はこんなに奏太のことが好きなのに。」

「ご、ごめんなさ、ッ、」


ううん、可愛い奏太は大好きだよ、ごめんね?だなんて言いながら、あまりの怖さで涙目になっている目に唇を寄せてくる亮。

…そこからの展開はお察しの通り。…あまりにも離してもらえなくて次の日に動けなくなってブチ切れた俺に亮が世話するまでがセットだった。









 あの後。亮が言うには、俺の告白を受けて、すぐにコイビトになろうとしたらしい。亮はそれこそ俺が好きになる前から俺が好きだったらしく、俺が逃げるとは思ってなかったからこんなに愛し合うのが遅くなっただとかほざいていた。

まあ。こんな平凡な俺が亮となんて吊り合わない、だとか。亮はもっと幸せになれる、だとか。色んなことを言ったけど、亮はそういう事を言う度に怒って、俺にた。

可愛い可愛い、好きだと言われながら亮と過ごすのは悪くない。なんかまだ色々と不可解なことはあるし、なんであの飲み屋に居たのか、とか聞かなきゃいけないことは沢山あるけど、、、

まあ、幸せだからいっか!


















end.
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

ま
2025.02.04

面白かったです!設定もキャラクターも大好物でした笑笑欲を言えばもっと長めに2人の話が読みたいです!

解除
わさび
2021.09.01 わさび

初めまして!
最高でした!(語彙力)
パパっと纏まっていて読みやすく、攻めのヤンデレも垣間見れてウハウハでした🥰
是非…亮の視点も…楽しみにしております…

解除

あなたにおすすめの小説

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 一月十日のアルファポリス規約改定を受け、サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をこちらへ移しましたm(__)m サブ垢の『バウムクーヘンエンド』はこちらへ移動が出来次第、非公開となりますm(__)m)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。