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第12章:竜皇と幼竜
第3話:竜皇の最後
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アリス=アンジェラは半龍半人の首級を叩き落とした後、その首級を右足で蹴っ飛ばす。そうした後、アリス=アンジェラは半龍半人の左胸を背中側から切り刻む。そして、黄金色に朱が走る長剣の切っ先を左胸の中へと突き刺し、あるモノを抜き出すのであった。
「これで3つ目の命をいただくのデス。禁断の果実は残り4つとなりまシタ……」
アリス=アンジェラは半龍半人の心臓をくり抜いた後、それを右手に持ち、まるで柿を食すように、その心臓を胃の中に収める。すると、アリス=アンジェラの腹の奥底から明滅する光が発せられ、アリス=アンジェラの身体の熱はどんどん上昇していくのであった。
その身体の火照りと共に、アリス=アンジェラは股間から体液を漏らすが、すでにダンスホールは崩壊寸前であり、その熱を処理するのは後回しとなる。アリス=アンジェラは血で汚れた唇を戦乙女・天使装束の裾で拭う。しかしながら、血だらけの草薙剣をそのままにして、黄金色の鞘へと納めてしまうのであった。
アリス=アンジェラはペコリと命を奪った相手にお辞儀をし、ダンスホールを後にする。竜皇の宮殿全体が鳴動を繰り返し、ダンスホールだけでなく、崩壊を始めるのであった。アリス=アンジェラは小走りでその竜皇の救援の外へと出るのだが、この空間の外へ出る方法を知らなかった。
「さて、どうしまショウ? 宮殿の外に出れば、この空間の外へと出れると思っていたのですが、ボクの勘違いだったようデス。そうそう都合の良いことなど、起きはしないのデス」
アリス=アンジェラは周囲を見回すが、その眼に映るのは崩れ落ちていく竜皇の宮殿のみであった。そして、その宮殿が崩れ落ちていくと同時に、外の草地の地面にも亀裂が入っていく。アリス=アンジェラはヤレヤレ……と嘆息し、このままこの世界が崩壊していくのを見守るしかなかった。
アリス=アンジェラが背中の片羽を羽ばたかせ、地面の亀裂に飲み込まれないようにと、大空へと舞い上がる。しかし、その大空にも亀裂が伝播してくる。アリス=アンジェラは両腕で顔をガードし、その亀裂が自分の身体に及ばないようにと、身体の奥底から神力を発するのであった。
その時であった。アリス=アンジェラの背中側に亀裂とは違う異質な亀裂が生じ、さらにそこから竜の蒼い左手が飛び出してくることになる。アリス=アンジェラはそのことに気づき、その竜の蒼い左手から逃れようとするが、それは出来ず仕舞いになる。
アリス=アンジェラは竜の蒼い左手によって、握りしめられる。そうされながら、アリス=アンジェラは異質な亀裂の中へと無理やり移動させられることになる。アリス=アンジェラは黒と黄色が交じり合う異界の中を通り、さらに1分ほど時間が絶った後、元の世界へと連れ出されることになる。
「おう、ようやく戻ってきたか。ったく、なかなか戻らないから心配したぞ」
「ただいまなのデスカ? ベリアルが居るということは魔界なのかもしれません」
「残念ながら、我輩はまだアリス嬢ちゃんを堕天させれないようだな。我輩はアリス嬢ちゃんを堕天させるまで、魔界に帰れないっていう使命があるからなっ!」
ベリアルは紅玉眼の蒼き竜の左手から解放されたアリス=アンジェラに優しい微笑みを送る。そして、彼女の頭をこれまた優しく右手で撫でるのであった。アリス=アンジェラはくすぐったいのデスと言いながら、ベリアルの右手を受け入れる。
「チュッチュッチュ。アリスちゃん、おかえりなのでッチュウ。その左手に持っている神具は役に立ったでッチュウ?」
コッシロー=ネヅは竜皇の口を通して、体内に草薙剣を放り込んだ張本人である。アリス=アンジェラの左手で握られているその神具を視認し、自分が行ったことは、アリス=アンジェラのためになったのだろうという確信があった。その証拠にアリス=アンジェラはコクリと首級を縦に振っている。それだけで、コッシロー=ネヅは自分の存在意義を確認するのであった。
「竜皇様。ディート様が成竜になるまで、代わりに我が竜族を治めましょうぞ。異論はございませぬか?」
「レオニート=ローセフ。もし、我が息子に竜族の筆頭になる器量がなければ、其方の野望通りに竜族を導くが良い。我の次に強いお主をどうにか出来ぬ者に、次代の竜皇を任せられるはずが無い」
竜皇は息を引き取る間際に、紅玉眼の蒼き竜の意志を野望と断じてみせる。しかしながら、戦友として、一緒に戦場を駆けまわったのだ、この2竜は。そして、常々、紅玉眼の蒼き竜は竜皇にさっさと引退して、自分に竜皇の座を継がせろとのたまっていた。
紅玉眼の蒼き竜は両目を閉じて、そこから大粒の涙を2~3滴流す。その宝石のように美しい涙の表面には竜皇と紅玉眼の蒼き竜が共に過ごした戦場での風景が映っていた。しかし、次の瞬間にはその涙は地面に当たり、粉々に砕けるのであった。
紅玉眼の蒼き竜との最後の会話を終えた竜皇は静かに眼を閉じ、身体を完全に地面へと預ける。その後、竜皇の身体が本格的に崩れ出す。腐臭と共に紫色の煙が立ち上る。その頃になって、遅れていたアンドレイ=ラプソティとミサ=ミケーンがアリス=アンジェラとようやく合流を果たす。
「身体が腐れ落ちていくというのに、なんとも満足気な表情をしているのですニャン」
「竜皇様はこの世に対しての未練を一切残してないのでしょう。自分の息子のことですら、他人事なのかもしれませんね」
「まあ、ひとり残していくことになるが、竜皇の自慢の息子なんだろうよ、このちびっこは。親は亡くとも、子は育つ。残酷な言葉だが、それが真実だ」
竜皇の満足気な表情が今一つ気に喰わないアンドレイ=ラプソティであったが、その竜皇の代弁者の如くに、ベリアルが弁明するのであった。アンドレイ=ラプソティはそう言うモノなんでしょうか? と問い返すが、ベリアルはあっけらかんと、そう言うモノだと断言してみせる。
「んじゃ、竜皇の最後も見届けたことだし、竜皇の息子は我輩たちが預かるで良いんだよな?」
ベリアルは意味有り気な表情で紅玉眼の蒼き竜に問いかけてみせる。紅玉眼の蒼き竜は、コリコリと顎の下を左手で掻く他無かった。紅玉眼の蒼き竜は残された竜皇の息子の摂政として、竜族の代表となろうとしていた。
「これで3つ目の命をいただくのデス。禁断の果実は残り4つとなりまシタ……」
アリス=アンジェラは半龍半人の心臓をくり抜いた後、それを右手に持ち、まるで柿を食すように、その心臓を胃の中に収める。すると、アリス=アンジェラの腹の奥底から明滅する光が発せられ、アリス=アンジェラの身体の熱はどんどん上昇していくのであった。
その身体の火照りと共に、アリス=アンジェラは股間から体液を漏らすが、すでにダンスホールは崩壊寸前であり、その熱を処理するのは後回しとなる。アリス=アンジェラは血で汚れた唇を戦乙女・天使装束の裾で拭う。しかしながら、血だらけの草薙剣をそのままにして、黄金色の鞘へと納めてしまうのであった。
アリス=アンジェラはペコリと命を奪った相手にお辞儀をし、ダンスホールを後にする。竜皇の宮殿全体が鳴動を繰り返し、ダンスホールだけでなく、崩壊を始めるのであった。アリス=アンジェラは小走りでその竜皇の救援の外へと出るのだが、この空間の外へ出る方法を知らなかった。
「さて、どうしまショウ? 宮殿の外に出れば、この空間の外へと出れると思っていたのですが、ボクの勘違いだったようデス。そうそう都合の良いことなど、起きはしないのデス」
アリス=アンジェラは周囲を見回すが、その眼に映るのは崩れ落ちていく竜皇の宮殿のみであった。そして、その宮殿が崩れ落ちていくと同時に、外の草地の地面にも亀裂が入っていく。アリス=アンジェラはヤレヤレ……と嘆息し、このままこの世界が崩壊していくのを見守るしかなかった。
アリス=アンジェラが背中の片羽を羽ばたかせ、地面の亀裂に飲み込まれないようにと、大空へと舞い上がる。しかし、その大空にも亀裂が伝播してくる。アリス=アンジェラは両腕で顔をガードし、その亀裂が自分の身体に及ばないようにと、身体の奥底から神力を発するのであった。
その時であった。アリス=アンジェラの背中側に亀裂とは違う異質な亀裂が生じ、さらにそこから竜の蒼い左手が飛び出してくることになる。アリス=アンジェラはそのことに気づき、その竜の蒼い左手から逃れようとするが、それは出来ず仕舞いになる。
アリス=アンジェラは竜の蒼い左手によって、握りしめられる。そうされながら、アリス=アンジェラは異質な亀裂の中へと無理やり移動させられることになる。アリス=アンジェラは黒と黄色が交じり合う異界の中を通り、さらに1分ほど時間が絶った後、元の世界へと連れ出されることになる。
「おう、ようやく戻ってきたか。ったく、なかなか戻らないから心配したぞ」
「ただいまなのデスカ? ベリアルが居るということは魔界なのかもしれません」
「残念ながら、我輩はまだアリス嬢ちゃんを堕天させれないようだな。我輩はアリス嬢ちゃんを堕天させるまで、魔界に帰れないっていう使命があるからなっ!」
ベリアルは紅玉眼の蒼き竜の左手から解放されたアリス=アンジェラに優しい微笑みを送る。そして、彼女の頭をこれまた優しく右手で撫でるのであった。アリス=アンジェラはくすぐったいのデスと言いながら、ベリアルの右手を受け入れる。
「チュッチュッチュ。アリスちゃん、おかえりなのでッチュウ。その左手に持っている神具は役に立ったでッチュウ?」
コッシロー=ネヅは竜皇の口を通して、体内に草薙剣を放り込んだ張本人である。アリス=アンジェラの左手で握られているその神具を視認し、自分が行ったことは、アリス=アンジェラのためになったのだろうという確信があった。その証拠にアリス=アンジェラはコクリと首級を縦に振っている。それだけで、コッシロー=ネヅは自分の存在意義を確認するのであった。
「竜皇様。ディート様が成竜になるまで、代わりに我が竜族を治めましょうぞ。異論はございませぬか?」
「レオニート=ローセフ。もし、我が息子に竜族の筆頭になる器量がなければ、其方の野望通りに竜族を導くが良い。我の次に強いお主をどうにか出来ぬ者に、次代の竜皇を任せられるはずが無い」
竜皇は息を引き取る間際に、紅玉眼の蒼き竜の意志を野望と断じてみせる。しかしながら、戦友として、一緒に戦場を駆けまわったのだ、この2竜は。そして、常々、紅玉眼の蒼き竜は竜皇にさっさと引退して、自分に竜皇の座を継がせろとのたまっていた。
紅玉眼の蒼き竜は両目を閉じて、そこから大粒の涙を2~3滴流す。その宝石のように美しい涙の表面には竜皇と紅玉眼の蒼き竜が共に過ごした戦場での風景が映っていた。しかし、次の瞬間にはその涙は地面に当たり、粉々に砕けるのであった。
紅玉眼の蒼き竜との最後の会話を終えた竜皇は静かに眼を閉じ、身体を完全に地面へと預ける。その後、竜皇の身体が本格的に崩れ出す。腐臭と共に紫色の煙が立ち上る。その頃になって、遅れていたアンドレイ=ラプソティとミサ=ミケーンがアリス=アンジェラとようやく合流を果たす。
「身体が腐れ落ちていくというのに、なんとも満足気な表情をしているのですニャン」
「竜皇様はこの世に対しての未練を一切残してないのでしょう。自分の息子のことですら、他人事なのかもしれませんね」
「まあ、ひとり残していくことになるが、竜皇の自慢の息子なんだろうよ、このちびっこは。親は亡くとも、子は育つ。残酷な言葉だが、それが真実だ」
竜皇の満足気な表情が今一つ気に喰わないアンドレイ=ラプソティであったが、その竜皇の代弁者の如くに、ベリアルが弁明するのであった。アンドレイ=ラプソティはそう言うモノなんでしょうか? と問い返すが、ベリアルはあっけらかんと、そう言うモノだと断言してみせる。
「んじゃ、竜皇の最後も見届けたことだし、竜皇の息子は我輩たちが預かるで良いんだよな?」
ベリアルは意味有り気な表情で紅玉眼の蒼き竜に問いかけてみせる。紅玉眼の蒼き竜は、コリコリと顎の下を左手で掻く他無かった。紅玉眼の蒼き竜は残された竜皇の息子の摂政として、竜族の代表となろうとしていた。
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