5 / 6
5
しおりを挟む
朝、窓を開けると、やわらかな陽射しと夏の風が部屋を満たしていた。
ヴァルディア王国での暮らしにも、セレナはすっかり馴染んでいた。侍女たちとも信頼関係ができ、王宮内の貴族たちからも、ひとりの“賓客”として丁重に扱われている。だが何より――
(レオンハルト殿下のそばにいられる時間が、毎日を輝かせてくれる)
彼が微笑んでくれるだけで、胸の奥がふわりと温かくなる。
そう、これはもう――恋に他ならなかった。
「セレナ様、今朝のご予定ですが……」
「はい?」
「殿下が、散歩をご一緒したいとのことです」
「……また、ですか?」
嬉しいという気持ちと、困ったという気持ちが入り混じる。
実はここ数日、殿下は“理由をつけて”毎朝セレナのもとを訪れていた。
「昨日は庭園のバラの香りを嗅ぎに」
「その前は、鯉の餌やり」
「そのまた前は、朝焼けの空が綺麗だから、と」
侍女のレナは口を押えて笑いをこらえている。
「……殿下、きっとお時間を作ってくださっているのですね」
「はい。誰が見ても、惚れておられますよ」
「レナっ……」
「うふふ」
「おはよう、セレナ。今日も朝から君に会えて嬉しい」
「……おはようございます、殿下。お忙しい中、わざわざありがとうございます」
「僕の一日の始まりは、君の笑顔から始めたいからね」
レオンハルト殿下は、まるでそれが当たり前のように微笑んだ。
そうやって甘い言葉をさらりと言うくせに、決して強引ではない。
(……ずるいお方だわ)
その優しさに、どれだけ救われてきたことか。
「今日は、湖まで馬車で行ってみないか?」
「湖、ですか?」
「この季節、水辺はとても涼しいし、景色も綺麗なんだ。君にぜひ見せたくて」
「……はい。ご一緒させていただきます」
自然に、心からの笑みがこぼれた。
湖畔へと続く道は、森の中を抜けていく穏やかな旅だった。
馬車の中、揺れるカーテンの向こうから射す光が、セレナの髪を照らす。
レオンハルトはその様子を見つめ、ぽつりと呟いた。
「君は……まるで月の光みたいだ」
「……え?」
「太陽のように強く照らすんじゃなくて、静かに優しく寄り添う。誰かの夜を明るくしてくれる」
「……そんなふうに言われたの、初めてですわ」
「本当のことを言ってるだけさ」
その言葉が、あまりにまっすぐで、目をそらしたくなった。
なのに目をそらせば、彼の視線が余計に意識されて――もう、顔から火が出そうだった。
「……殿下は、ずるいお方ですわ」
「そうかな?」
「はい。私の心を簡単にかき乱して、責任は取ってくださいね」
「……それはつまり、僕に責任を取らせてくれるということ?」
「~~っ! 冗談ですわ!」
「僕は本気だったけど?」
その日、セレナの心はずっと騒がしかった。
湖に着いても、手を繋がれても、夕暮れの風が吹いても、レオンハルトの優しさがずっと胸をくすぐっていた。
王宮に戻ったあと。
セレナが部屋で一息ついていると、ノックの音がした。
「失礼します。国王陛下より、明日のお茶会にセレナ様をご招待したいとのお達しです」
「……国王陛下から……?」
突然の招待に、セレナは思わず背筋を正した。
これまでにも国王夫妻とは何度か対面していたが、今回は“個人としての招待”。つまり――
(私が、王太子妃として相応しいかどうかを、正式に判断される……ということ)
心臓が大きく脈打った。
けれど、逃げるつもりはなかった。
この国で出会った人々の優しさ、レオンハルトの想い――そのすべてに、応える覚悟はできていた。
そして翌日。
王妃とのお茶会は、思っていたよりも穏やかな雰囲気だった。
優美なドレスに身を包んだ王妃は、セレナに微笑みかけた。
「ようこそ、セレナ嬢。レオンから話はたくさん聞いておりますわ」
「もったいないお言葉です。お招きいただき、光栄に存じます」
会話は紅茶とともに、穏やかに流れていった。
だが、ふいに王妃がふっと瞳を細める。
「レオンが、こんなにも感情を見せるようになったのは初めてなの。あなたのおかげですわね」
「……そんな、私にはもったいないお言葉です」
「あなたを見ていると、心から安心できます。真面目で、誠実で、自分を過小評価せず、でも驕ることもない」
セレナは、黙って頭を下げた。
「レオンは、これまでずっと“誰にも頼らずに生きる”よう育てられてきました。でも今は、あなたといるときだけ、肩の力が抜けている」
「……」
「王太子妃というのは、ただ政略的に適していれば良いというものではありませんの。どれだけその人の隣で、自然体でいられるかが、大切なのです」
その言葉に、セレナは静かに目を閉じた。
(自然体……)
確かにレオンハルトのそばにいると、私は“自分”でいられる。
媚びることも、無理をすることもなく、ただ自然に笑っていられる。
「セレナ嬢。どうかこれからも、あの子の心を守ってやってくださいな」
「……はい。全力で、務めさせていただきます」
その日の夜。
部屋に戻ったセレナは、少しぼんやりと空を見上げていた。
(私は……いつから、こんなに満たされているのだろう)
かつてあれほど拒絶されたのに、今はこうして――
再びノックが響く。
「セレナ。少しいいかな?」
「レオンハルト様……?」
レオンハルトは、いつもより少しだけ真剣な顔をしていた。
「母と話したって、聞いた」
「はい。とても優しい方でした」
「母は、僕が誰と一緒にいるか、いつも心配していたんだ。……でも今日、君と会って、心から安心したって」
「……私も嬉しかったです。お母様のような方に認められるなんて」
ふたりの距離が、また少しだけ近づく。
見つめ合う時間が、ゆっくりと流れる。
そして――
「セレナ。君が隣にいてくれるだけで、世界が変わって見える。……このまま、僕の隣にいてくれないか?」
「……はい」
その一言が、レオンハルトの瞳を潤ませた。
抱き寄せられて、肩にそっと額を乗せられる。
「君を幸せにする。必ず」
その誓いが、心に深く響いた。
――誰かに捨てられた記憶も、今はもう過去。
これからは、この人とともに、未来を築いていく。
それが、セレナの新たな願いとなっていた。
ヴァルディア王国での暮らしにも、セレナはすっかり馴染んでいた。侍女たちとも信頼関係ができ、王宮内の貴族たちからも、ひとりの“賓客”として丁重に扱われている。だが何より――
(レオンハルト殿下のそばにいられる時間が、毎日を輝かせてくれる)
彼が微笑んでくれるだけで、胸の奥がふわりと温かくなる。
そう、これはもう――恋に他ならなかった。
「セレナ様、今朝のご予定ですが……」
「はい?」
「殿下が、散歩をご一緒したいとのことです」
「……また、ですか?」
嬉しいという気持ちと、困ったという気持ちが入り混じる。
実はここ数日、殿下は“理由をつけて”毎朝セレナのもとを訪れていた。
「昨日は庭園のバラの香りを嗅ぎに」
「その前は、鯉の餌やり」
「そのまた前は、朝焼けの空が綺麗だから、と」
侍女のレナは口を押えて笑いをこらえている。
「……殿下、きっとお時間を作ってくださっているのですね」
「はい。誰が見ても、惚れておられますよ」
「レナっ……」
「うふふ」
「おはよう、セレナ。今日も朝から君に会えて嬉しい」
「……おはようございます、殿下。お忙しい中、わざわざありがとうございます」
「僕の一日の始まりは、君の笑顔から始めたいからね」
レオンハルト殿下は、まるでそれが当たり前のように微笑んだ。
そうやって甘い言葉をさらりと言うくせに、決して強引ではない。
(……ずるいお方だわ)
その優しさに、どれだけ救われてきたことか。
「今日は、湖まで馬車で行ってみないか?」
「湖、ですか?」
「この季節、水辺はとても涼しいし、景色も綺麗なんだ。君にぜひ見せたくて」
「……はい。ご一緒させていただきます」
自然に、心からの笑みがこぼれた。
湖畔へと続く道は、森の中を抜けていく穏やかな旅だった。
馬車の中、揺れるカーテンの向こうから射す光が、セレナの髪を照らす。
レオンハルトはその様子を見つめ、ぽつりと呟いた。
「君は……まるで月の光みたいだ」
「……え?」
「太陽のように強く照らすんじゃなくて、静かに優しく寄り添う。誰かの夜を明るくしてくれる」
「……そんなふうに言われたの、初めてですわ」
「本当のことを言ってるだけさ」
その言葉が、あまりにまっすぐで、目をそらしたくなった。
なのに目をそらせば、彼の視線が余計に意識されて――もう、顔から火が出そうだった。
「……殿下は、ずるいお方ですわ」
「そうかな?」
「はい。私の心を簡単にかき乱して、責任は取ってくださいね」
「……それはつまり、僕に責任を取らせてくれるということ?」
「~~っ! 冗談ですわ!」
「僕は本気だったけど?」
その日、セレナの心はずっと騒がしかった。
湖に着いても、手を繋がれても、夕暮れの風が吹いても、レオンハルトの優しさがずっと胸をくすぐっていた。
王宮に戻ったあと。
セレナが部屋で一息ついていると、ノックの音がした。
「失礼します。国王陛下より、明日のお茶会にセレナ様をご招待したいとのお達しです」
「……国王陛下から……?」
突然の招待に、セレナは思わず背筋を正した。
これまでにも国王夫妻とは何度か対面していたが、今回は“個人としての招待”。つまり――
(私が、王太子妃として相応しいかどうかを、正式に判断される……ということ)
心臓が大きく脈打った。
けれど、逃げるつもりはなかった。
この国で出会った人々の優しさ、レオンハルトの想い――そのすべてに、応える覚悟はできていた。
そして翌日。
王妃とのお茶会は、思っていたよりも穏やかな雰囲気だった。
優美なドレスに身を包んだ王妃は、セレナに微笑みかけた。
「ようこそ、セレナ嬢。レオンから話はたくさん聞いておりますわ」
「もったいないお言葉です。お招きいただき、光栄に存じます」
会話は紅茶とともに、穏やかに流れていった。
だが、ふいに王妃がふっと瞳を細める。
「レオンが、こんなにも感情を見せるようになったのは初めてなの。あなたのおかげですわね」
「……そんな、私にはもったいないお言葉です」
「あなたを見ていると、心から安心できます。真面目で、誠実で、自分を過小評価せず、でも驕ることもない」
セレナは、黙って頭を下げた。
「レオンは、これまでずっと“誰にも頼らずに生きる”よう育てられてきました。でも今は、あなたといるときだけ、肩の力が抜けている」
「……」
「王太子妃というのは、ただ政略的に適していれば良いというものではありませんの。どれだけその人の隣で、自然体でいられるかが、大切なのです」
その言葉に、セレナは静かに目を閉じた。
(自然体……)
確かにレオンハルトのそばにいると、私は“自分”でいられる。
媚びることも、無理をすることもなく、ただ自然に笑っていられる。
「セレナ嬢。どうかこれからも、あの子の心を守ってやってくださいな」
「……はい。全力で、務めさせていただきます」
その日の夜。
部屋に戻ったセレナは、少しぼんやりと空を見上げていた。
(私は……いつから、こんなに満たされているのだろう)
かつてあれほど拒絶されたのに、今はこうして――
再びノックが響く。
「セレナ。少しいいかな?」
「レオンハルト様……?」
レオンハルトは、いつもより少しだけ真剣な顔をしていた。
「母と話したって、聞いた」
「はい。とても優しい方でした」
「母は、僕が誰と一緒にいるか、いつも心配していたんだ。……でも今日、君と会って、心から安心したって」
「……私も嬉しかったです。お母様のような方に認められるなんて」
ふたりの距離が、また少しだけ近づく。
見つめ合う時間が、ゆっくりと流れる。
そして――
「セレナ。君が隣にいてくれるだけで、世界が変わって見える。……このまま、僕の隣にいてくれないか?」
「……はい」
その一言が、レオンハルトの瞳を潤ませた。
抱き寄せられて、肩にそっと額を乗せられる。
「君を幸せにする。必ず」
その誓いが、心に深く響いた。
――誰かに捨てられた記憶も、今はもう過去。
これからは、この人とともに、未来を築いていく。
それが、セレナの新たな願いとなっていた。
346
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
愚かな王太子に味方はいない
遥彼方
恋愛
「オレリア・ヴァスール・ド・ユベール。君との婚約を破棄する」
20歳の誕生日パーティーの場で、俺は腕に別の令嬢をぶら下げて、婚約者であるオレリアに婚約破棄を言い渡した。
容姿も剣も頭も凡庸で、愚直で陰気な王太子。
全てにおいて秀才で、華麗な傑物の第二王子。
ある日王太子は、楽しそうに笑い合う婚約者と弟を見てしまう。
二話目から視点を変えて、断罪劇の裏側と、真実が明らかになっていきます。
3万文字強。全8話。「悪女の真実と覚悟」までで本編完結。
その後は番外編です。
この作品は「小説になろう」にも掲載しております。
出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
【完結】私を捨てた国のその後を見守ってみた。
satomi
恋愛
侯爵令嬢のレナは公然の場でというか、卒業パーティーで王太子殿下イズライールに婚約破棄をされた挙句、王太子殿下は男爵令嬢のラーラと婚約を宣言。
殿下は陛下や王妃様がいないときを狙ったんでしょうね。
レナの父はアルロジラ王国の宰相です。実家にはレナの兄が4名いますがみんなそろいもそろって優秀。
長男は領地経営、次男は貿易商、3男は情報屋、4男は…オカマバー経営。
レナは殿下に愛想をつかして、アルロジラ王国の行く末を見守ろうと決意するのです。
次男監修により、国交の断絶しているエミューダ帝国にて。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる