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おまけ
バラエティ番組でたまたま共演することになった恋人が格好よすぎるんだが(4)※
しおりを挟むすぐさまタクシーに乗り昂世がやってきたのは、とある高層マンションだった
胸の高まりを抑えながら建物の中に入り、メッセージにあった部屋まで向かう。
もう足は止まらなかった。躊躇なく扉を開けて、さっきは呼べなかった愛しい人の名前を呼ぶ。
「……周さん!」
ただそこに出迎えてくれる水上の姿はなかった。
「……え?」
なぜか広いはずの玄関にはたくさんの段ボールが置かれ積み重なっていた。
それは奥へと続く廊下も同じで、挟むように置かれたその中央にかろうじて残った隙間を歩く。
――まさか、引っ越しした新居なのだろうか。
昂世がそう思った時だった。
不意に鼻を掠めたのは、覚えのある匂いだった。
「……周さん?」
昂世はその匂いの元へと足を早めた。
それは一番奥のとある部屋から流れているようで、近づくたびこれまで感じたことのないほど強くなっていった。
――なんだ……これ。
意識を失わせるほど強く香るΩの匂いの中で、昂世の下半身はすでにむくむくと立ち上がり、痛いほどに主張していた。
まるで強制的に発情させるかのような暴力的な匂いに、昂世は思わず鼻を押さえながら、扉が開いたままの部屋に入る。
「――あ、周さん?……周さん!」
目に入ったのはベッドの上でうずくまる水上周だった。
収録を終え帰ってきたばかりのような白いシャツを一枚羽織っているだけで、下は何も身に着けていなかった。
どうやらさっきまで自分を慰めていたらしい。白い尻が丸出しで、そのふたつの丘の中に覗く孔は赤くひくひくと愛液を流していた。
その扇情的な光景とむせ返るような強い匂いに、昂世はくらくらしながら思った。
これはきっとΩの発情じゃないか、と。
――でもどうして今?仕事のために薬を飲んでるはずなのに。
昂世が不思議に思ったその時だった。
水上はこちらに気付いたように立ち上がると、昂世の手首を握り強引にベッドへ引っ張った。
「……あ、周さ――うわっ」
想像もしていなかった強い力で引かれベッドへ押し倒され、水上はその上に馬乗りになる。
水上周はシャツを羽織っただけの姿で、白い身体をあらわにし目の前で嗤っていた。
その目は収録で見たあの鋭い瞳で、まるで猟奇的殺人鬼のように見えた。
――このままでは襲われる。
そう思った通りに、手は昂世の服を強引に脱がしていく。甘い香りに朦朧とするなか、まずいかもしれないと昂世が思うほどだった。
――きっと水上さんは明日仕事だ。
冷静な頭はそう考えるも、すぐさま本能に侵食されてしまう。
――発情してるなら、今がチャンスじゃないか。
仕事に追われる今、こんなことはもうないかもしれない。今、この人を自分のものにしなければ――。
そう思った時には、水上はとっくに昂世のそそり立つものをぶるんと取り出していた。
赤黒く光るものを掴むと、その上にしゃがみ込むように孔をあてがい、そして――。
「――――――っぁぁぁ……」
声にならない叫びを上げて、ずぶんと飲み込んでいた。
「っ……!」
昂世も突然の快楽に思わず目を閉じたが、水上はもっと酷かった。
これが発情したΩなのか――そう思うほど、ぷるんと張った胸を突き出しそれを揺らしながら痙攣していた。
足は快楽を耐えるようにつま先を縮こめきゅっと内側へ閉ざされていて、その股の間からは、愛液の洪水を流す水上自身が見えた。
――なんていやらしい姿なのだろう。
まさにαを発情させ種を受け取るための身体だった。なのにちらちらと覗く割れた腹筋とのギャップに、昂世はくらくらした。
「あま、ねさん」
呼びかけるも反応はなかった。
ただ彼はゆっくりと身体を起こすと、妖艶な笑みを浮かべて顔を近づけ、昂世の口を貪った。
その官能的な口付けが、遂に薬で抑えられていた昂世の理性を壊した。
気付けば手は水上の腰を掴み、そのむちむちとした尻を股に打ち付けてしまう――。
「んぁっ――!」
力のままに押し込んだ昂世の肉棒は、肉を割りずっぷりと奥まで侵入した。根本まですっぽりと飲み込まれて、昂世の先端は容易く水上の最奥部へ触れる。
もう、中は待ちきれなかったようだった。
以前とは違い、水上の奥はすでに受け入れる準備万端で、大口をあけて昂世のもの待ち構えていた。
肉壁は奥へ奥へと動き、早く出せと言うようだった。対して水上の身体は快楽から逃れようとするので、身体を押さえつけながら腰を動かし、すぼずぼと肉棒を押し込む。
昂世はもう気持ちよすぎて、何も考えられなかった。
だから出たと思った時には、もう水上は身体を反らして脱力していた。ただまだ熱は収まらず、昂世のものも引き抜けなかったので、繋がったまま可愛い身体を起こして口付けた。
「周さん……周、さん……」
「んっ……こ、こうせいくん……」
そうしてちゅぷ、ちゅぱ、と舌を絡めあったあと。水上はなぜかふっと微笑んだあとで、昂世の腕を引きベッドにうつぶせになった。
その自分の一番弱いところをさらけ出した姿を前に、昂世はごくりと唾を飲み、そして言う。
「あ、周さん」
「……ん」
「周さん…………今日、しましょう」
「……うん」
「噛みます。あなたを俺のものにします」
すると水上はこちらに顔を向けて、少しだけ恥ずかしそうに笑った。
「…………うん。ありがとう。俺を……君の番にして」
昂世は優しくキスをして、水上の背中に覆いかぶさった。そして綺麗な首筋に歯を当てながら、穴に自分自身を挿れる――。
「――ああああぁぁぁっ!」
歯が皮膚にめり込んだ途端、水上の身体は大きく痙攣するとともに、同時に中もうねるように動いた。
ぎゅうぎゅうと搾り取られるように誘われて、昂世も噛みながら腰を動かす。これまで以上の強い快感に、昂世はすぐに耐えられなくなり再び愛を注ぎ込んでしまった。
「う…っ……ふっ……」
一体、どれだけ吐き出してしまっただろう。
二度目のそれをすべて出し終えた後、感じたのは達成感であり満足感だった。
心がすっかり満たされたような感覚だろうか。注ぎ込むたび大きくなっていくその気持ちに、昂世は思った。
――これが番か。
ちぐはぐだった心と身体が今ようやくひとつになった――そんな全能感とも言えた。
昂世は思わず腕の中の水上に口付けた。愛していると言うように。水上もそれに気付いたのだろうか、まだ身体に昂世を留めたままゆっくりと振り返って、キスを返した。その目に喜びの涙を流して。
あとはひたすら繰り返しだった。
あなたと番になった――そんな嬉しさを伝え合うようにキスをして。抱き合って心が満たされるとものはいつのまにか硬くなっていて。そしてぼんやりとしながら、また繋がり合って。
結局夜が明けるまで、ようやく結ばれた番の愛の行為が終わることはなかった。
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