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最終話 ヤンデレ彼氏と私
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私の手を握り、幸せそうに笑う高橋くん。そんな彼の手を握り返し、私も小さく笑う。
「なんかあんた達近すぎない?」
夏木が私達を見て呆れた様子で呟いた。
「そんなことないよ。ね?」
「うん!」
「いや前から近かったけど、絶対それ以上に近い!」
私の問いかけに頷く高橋くんに、夏木が叫ぶ。
改めて私達の格好を見る。椅子に座る高橋くんの膝に座る私。
──近いのか?でも父さん達はいつもこうだし普通だと思うんだけどな。
首を傾げる私の頭に、高橋くんが頬を擦り寄せる。そんな彼を見上げ、笑う。
「今日も可愛いね」
頬を撫でてそう言えば、高橋くんの頬が赤くなる。 今日も私の彼氏が可愛い。
「なんなのよ・・・このバカップルは・・・」
「夏木、諦めろ。多分聞こえてないぞ」
疲れたように呟く夏木の肩を安藤くんが叩く。力尽きたように肩を落とした夏木がポツリと溢す。
「あー私も彼氏が欲しい・・・」
そんな二人のやり取りを知らない私は、高橋くんを愛でるのに夢中になっていたのだった。
私の隣で笑う高橋くんを見上げる。
私と約束をしてから彼はあの狂気を他人に向けることはしなくなった。たまに不安定になることはあるけど、しっかりと話せば落ち着いてくれる。
「真木さん、ちょっとだけよっていいかな?」
公園を指差しながら、高橋くんが言う。彼に頷けば、私の手を引き公園内のベンチに向かう。彼に促されるままに、二人並んで座る。
少しの沈黙の後、高橋くんが口を開く。
「あの、僕と別れて下さい」
「・・・え?」
思わず聞き返し、彼を見上げる。頭が真っ白になる。いま、高橋くんは、なんて言った?
「僕と、別れて下さい」
彼が私に頭を深く下げる。その声は本気だ。
──あぁ、なんて酷い話なんだろう
視界が滲み、涙がこぼれそうになるのを歯を食い縛り耐える。
「理由、って聞いても、いい?」
震えそうな声を押し殺し、彼に聞く。彼は顔を俯かせ、首を左右に振る。
「・・・ごめん。黙って別れて欲しい」
その言葉を聞いた瞬間、私は高橋くんに背を向け走り出していた。涙が頬を伝う。ボロボロと涙が流れ、止まらない。
その日、私はベットの上で泣き続けた。
「真木、昨日泣いたでしょ。目、すごい腫れてるけどなんかあったの?」
朝、そう言って夏木に心配されるくらいには目を腫らしていたが、私は休まずに学園に来ていた。
「何でもない・・・大丈夫だよ」
休んでも良かったけど、家族に心配をかけてしるのは嫌だったし、何より高橋くんが気になったから。
振られたというのに、未練がましいと自分を嗤う。
「なら、いいんだけど・・・高橋くんは?」
渋々と納得してくれた夏木の口から出た名前に固まる。いつも一緒にいるのに今日はいないから気になったのだろう。
「あのね・・・実は私、」
「真木さん!」
──高橋くんと別れたの。そう続くはずの声は、突然遮られた。私の目の前にいる高橋くんに。彼はじっ、と私を見つめている。
昨日のこともあり、彼を見つめられず俯く。
「僕と付き合って下さい。」
バサリ、と私の目の前に薔薇の花束が差し出された。ざわめきが辺りを埋め尽くす。
「え、?何を言ってるの?だって私は昨日・・・」
──振られたのに。じわり、と目の前が歪む。
「昨日、あの後に傷付けてしまった彼に謝りに行ってきた。僕もお返しだって殴られたけど、ちゃんと許してもらったんだ」
「過去の過ちを清算しないと、真木さんの隣に相応しくないと思った。だから、昨日別れてもらったんだ。自分勝手な理由で傷付けてごめん」
私の前に跪き、片手に花束を、片手に私の手を握り、彼は言った。
「改めて、僕と付き合って下さい」
なんて自分勝手な話。私の気持ちも考えないで酷い人。だけど私はそんなあなたが好き。
「喜んで!」
そう言って高橋くんの胸に飛び込み、抱き締める。嬉しくて涙が流れた。抱きついた勢いに尻餅をついた彼が、泣いている私を見て慌てている。オロオロしている彼に笑う。
「高橋くん、大好きよ!」
「ん・・・!?」
彼の首に腕を回し、口にキスをする。彼の目がまん丸に見開かれる。ボンっと音がするくらいに、一瞬で顔を赤くした高橋くんを見て思う。
可愛くて、不安定で、自分勝手な私の彼氏。ずっと一緒にいようね。
ちなみにこの後、事の一部始終を聞いた夏木に高橋くんは『真木をそんな理由で泣かせるな!ちゃんとフォローしろ!』と平手打ちされていたし、私も『人前でキスをするんじゃない!』と顔を赤くした夏木に叱られた。
「なんかあんた達近すぎない?」
夏木が私達を見て呆れた様子で呟いた。
「そんなことないよ。ね?」
「うん!」
「いや前から近かったけど、絶対それ以上に近い!」
私の問いかけに頷く高橋くんに、夏木が叫ぶ。
改めて私達の格好を見る。椅子に座る高橋くんの膝に座る私。
──近いのか?でも父さん達はいつもこうだし普通だと思うんだけどな。
首を傾げる私の頭に、高橋くんが頬を擦り寄せる。そんな彼を見上げ、笑う。
「今日も可愛いね」
頬を撫でてそう言えば、高橋くんの頬が赤くなる。 今日も私の彼氏が可愛い。
「なんなのよ・・・このバカップルは・・・」
「夏木、諦めろ。多分聞こえてないぞ」
疲れたように呟く夏木の肩を安藤くんが叩く。力尽きたように肩を落とした夏木がポツリと溢す。
「あー私も彼氏が欲しい・・・」
そんな二人のやり取りを知らない私は、高橋くんを愛でるのに夢中になっていたのだった。
私の隣で笑う高橋くんを見上げる。
私と約束をしてから彼はあの狂気を他人に向けることはしなくなった。たまに不安定になることはあるけど、しっかりと話せば落ち着いてくれる。
「真木さん、ちょっとだけよっていいかな?」
公園を指差しながら、高橋くんが言う。彼に頷けば、私の手を引き公園内のベンチに向かう。彼に促されるままに、二人並んで座る。
少しの沈黙の後、高橋くんが口を開く。
「あの、僕と別れて下さい」
「・・・え?」
思わず聞き返し、彼を見上げる。頭が真っ白になる。いま、高橋くんは、なんて言った?
「僕と、別れて下さい」
彼が私に頭を深く下げる。その声は本気だ。
──あぁ、なんて酷い話なんだろう
視界が滲み、涙がこぼれそうになるのを歯を食い縛り耐える。
「理由、って聞いても、いい?」
震えそうな声を押し殺し、彼に聞く。彼は顔を俯かせ、首を左右に振る。
「・・・ごめん。黙って別れて欲しい」
その言葉を聞いた瞬間、私は高橋くんに背を向け走り出していた。涙が頬を伝う。ボロボロと涙が流れ、止まらない。
その日、私はベットの上で泣き続けた。
「真木、昨日泣いたでしょ。目、すごい腫れてるけどなんかあったの?」
朝、そう言って夏木に心配されるくらいには目を腫らしていたが、私は休まずに学園に来ていた。
「何でもない・・・大丈夫だよ」
休んでも良かったけど、家族に心配をかけてしるのは嫌だったし、何より高橋くんが気になったから。
振られたというのに、未練がましいと自分を嗤う。
「なら、いいんだけど・・・高橋くんは?」
渋々と納得してくれた夏木の口から出た名前に固まる。いつも一緒にいるのに今日はいないから気になったのだろう。
「あのね・・・実は私、」
「真木さん!」
──高橋くんと別れたの。そう続くはずの声は、突然遮られた。私の目の前にいる高橋くんに。彼はじっ、と私を見つめている。
昨日のこともあり、彼を見つめられず俯く。
「僕と付き合って下さい。」
バサリ、と私の目の前に薔薇の花束が差し出された。ざわめきが辺りを埋め尽くす。
「え、?何を言ってるの?だって私は昨日・・・」
──振られたのに。じわり、と目の前が歪む。
「昨日、あの後に傷付けてしまった彼に謝りに行ってきた。僕もお返しだって殴られたけど、ちゃんと許してもらったんだ」
「過去の過ちを清算しないと、真木さんの隣に相応しくないと思った。だから、昨日別れてもらったんだ。自分勝手な理由で傷付けてごめん」
私の前に跪き、片手に花束を、片手に私の手を握り、彼は言った。
「改めて、僕と付き合って下さい」
なんて自分勝手な話。私の気持ちも考えないで酷い人。だけど私はそんなあなたが好き。
「喜んで!」
そう言って高橋くんの胸に飛び込み、抱き締める。嬉しくて涙が流れた。抱きついた勢いに尻餅をついた彼が、泣いている私を見て慌てている。オロオロしている彼に笑う。
「高橋くん、大好きよ!」
「ん・・・!?」
彼の首に腕を回し、口にキスをする。彼の目がまん丸に見開かれる。ボンっと音がするくらいに、一瞬で顔を赤くした高橋くんを見て思う。
可愛くて、不安定で、自分勝手な私の彼氏。ずっと一緒にいようね。
ちなみにこの後、事の一部始終を聞いた夏木に高橋くんは『真木をそんな理由で泣かせるな!ちゃんとフォローしろ!』と平手打ちされていたし、私も『人前でキスをするんじゃない!』と顔を赤くした夏木に叱られた。
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今年1面白かったです!
最後がハッピーエンドなのが最高!
殺されちゃうのもあるので...
出来たら番外編とかを出して欲しいです^^*
これからも応援してます(^-^)
ヤンデレ好きな人です。どちらの作品も(生まれ変わったら〜)の方も楽しく読ませて頂いています!作風と書き方から好きです!
それと、遅ればせながら完結おめでとうございます〜!