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spin-offージェイクと騎士ー
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リアム様はすぐにホテルに駆けつけてくれた。
過去に一度だけパーティーに参加したことがあるそうだが、多分俺は会っていないだろう。
(しかし、これだけエリア様と似ていれば、騙されても分からない)
「突然お呼びして申し訳ありません」
礼をすると、ミーティングルームへ案内する。
「ジェイクさん……とお呼びしてもいいのでしょうか?」
「勿論です! 光栄です」
エリア様から俺の話を聞いているのか、直ぐに打ち解けてくれた。
ミーティングルームに入るなり、ルイの状態を説明する。
全てを打ち明けられないベルガルドさんよりも、やはりルイの詳細を知っている人には気を使わないで喋れた。
リアム様は俺の話を頷きながら、真剣に聞いてくれた。
ルイはリアム様から直々に声をかけられたと話していたから、きっと俺よりもルイに詳しいに違いない。
「オメガでも熱意があれば……なんて僕が安易に考えすぎていたのかもしれません」
「そんなことは無いはずです! ルイは本当に騎士団に憧れていて、強い薬を飲んでいたのも、どうしても辞めたく無いからなんです」
俺としては、どうしても騎士団を続けてほしいと願い入れた。
「ホテルの優秀な医師が、もっと安全な薬を処方すると申しています。私も協力できることがあれば致しますので、どうか考えてください」
深々とお辞儀をした。
「ジェイクさん、顔を上げてください!! 僕も彼を辞めさせようなど、考えておりません」
「本当ですか?」
リアム様が微笑み、頷いた。
「カレルは騎士として、とても優秀です。子供の頃から夢だったんだそうです。僕とカレルが出会ったのは偶然ですが、今となっては必然だったように感じるほどですよ」
リアム様は俺がまだ聞いたことのない、出会って間もない頃のルイの話を聞かせてくれた。
幼児の頃、親戚の人に連れられて見た騎士団のパレードに心を奪われたと。そして、騎士になるために真似事ばかりして遊んでいたと言った。
しかし、大人になるにつれ、周りの友人は現実を見始める。ルイは毎日、村の人からバカにされていたそうだ。
「それでも独学で、見よう見まねでも続けていた剣捌きは、彼の才能を知るに十分だった」
きっとこの子は立派な騎士になると、直感的に思ったリアム様は馬を降りて駆け寄った。
リアム様の申し出に、二つ返事で騎士団に入ったルイは、バカみたいな夢を叶えたのだ。
「ジェイクさん、僕たちで彼を守りましょう」
「はい! ありがとうございます!! 本当に、ありがとうございます!!」
やはりエリア様は、多くの人のトップに立つに相応しい方だと思い知った。
「そういえば、マヒロがジェイクさんに会いたがっていたんですよ」
「それは私も会いたいです! 元気にされていますか?」
「後から向かうと言っていたので、もしかすると今日来るかもしれませんよ?」
リアム様がクスクスと笑いながら言う。
きっと公爵家に嫁いだ後も、変わらないマヒロでいるだろう。
噂をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
返事をすると、勢いよく扉が開く。
「ジェイク!!」
「マヒロ! 久しぶりだ!」
「リアム様がホテルに行くってたまたま聞いてさ、居ても立ってもいられなくて来ちゃったよ」
少年のような笑顔まで変わらない。
自分の周りはどんどん変わっていってるのに、マヒロの笑顔を見ただけで肩の力が抜けた。
これがマヒロの最大の魅力のように思える。
思い出話もしながら、マヒロから俺の恋事情を聞かれてしまった。
リアム様にもきっと今の話し合いでバレているだろうと思い、正直に話した。
「両思いになれるように頑張っているところだよ」
「そっかー! ジェイクは俺の親友だからな。応援する!」
以前から、マヒロのような性格に憧れていた。
このくらいストレートでいいのかもしれないと。
「ジェイクがどんな人と番になるのか、楽しみで仕方ないよ!」
番……。
マヒロが何気に言った言葉が大きく響いた。
番になれば……。俺がルイの番になれれば、フェロモンが他にαに届かないで済むんだ。
過去に一度だけパーティーに参加したことがあるそうだが、多分俺は会っていないだろう。
(しかし、これだけエリア様と似ていれば、騙されても分からない)
「突然お呼びして申し訳ありません」
礼をすると、ミーティングルームへ案内する。
「ジェイクさん……とお呼びしてもいいのでしょうか?」
「勿論です! 光栄です」
エリア様から俺の話を聞いているのか、直ぐに打ち解けてくれた。
ミーティングルームに入るなり、ルイの状態を説明する。
全てを打ち明けられないベルガルドさんよりも、やはりルイの詳細を知っている人には気を使わないで喋れた。
リアム様は俺の話を頷きながら、真剣に聞いてくれた。
ルイはリアム様から直々に声をかけられたと話していたから、きっと俺よりもルイに詳しいに違いない。
「オメガでも熱意があれば……なんて僕が安易に考えすぎていたのかもしれません」
「そんなことは無いはずです! ルイは本当に騎士団に憧れていて、強い薬を飲んでいたのも、どうしても辞めたく無いからなんです」
俺としては、どうしても騎士団を続けてほしいと願い入れた。
「ホテルの優秀な医師が、もっと安全な薬を処方すると申しています。私も協力できることがあれば致しますので、どうか考えてください」
深々とお辞儀をした。
「ジェイクさん、顔を上げてください!! 僕も彼を辞めさせようなど、考えておりません」
「本当ですか?」
リアム様が微笑み、頷いた。
「カレルは騎士として、とても優秀です。子供の頃から夢だったんだそうです。僕とカレルが出会ったのは偶然ですが、今となっては必然だったように感じるほどですよ」
リアム様は俺がまだ聞いたことのない、出会って間もない頃のルイの話を聞かせてくれた。
幼児の頃、親戚の人に連れられて見た騎士団のパレードに心を奪われたと。そして、騎士になるために真似事ばかりして遊んでいたと言った。
しかし、大人になるにつれ、周りの友人は現実を見始める。ルイは毎日、村の人からバカにされていたそうだ。
「それでも独学で、見よう見まねでも続けていた剣捌きは、彼の才能を知るに十分だった」
きっとこの子は立派な騎士になると、直感的に思ったリアム様は馬を降りて駆け寄った。
リアム様の申し出に、二つ返事で騎士団に入ったルイは、バカみたいな夢を叶えたのだ。
「ジェイクさん、僕たちで彼を守りましょう」
「はい! ありがとうございます!! 本当に、ありがとうございます!!」
やはりエリア様は、多くの人のトップに立つに相応しい方だと思い知った。
「そういえば、マヒロがジェイクさんに会いたがっていたんですよ」
「それは私も会いたいです! 元気にされていますか?」
「後から向かうと言っていたので、もしかすると今日来るかもしれませんよ?」
リアム様がクスクスと笑いながら言う。
きっと公爵家に嫁いだ後も、変わらないマヒロでいるだろう。
噂をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
返事をすると、勢いよく扉が開く。
「ジェイク!!」
「マヒロ! 久しぶりだ!」
「リアム様がホテルに行くってたまたま聞いてさ、居ても立ってもいられなくて来ちゃったよ」
少年のような笑顔まで変わらない。
自分の周りはどんどん変わっていってるのに、マヒロの笑顔を見ただけで肩の力が抜けた。
これがマヒロの最大の魅力のように思える。
思い出話もしながら、マヒロから俺の恋事情を聞かれてしまった。
リアム様にもきっと今の話し合いでバレているだろうと思い、正直に話した。
「両思いになれるように頑張っているところだよ」
「そっかー! ジェイクは俺の親友だからな。応援する!」
以前から、マヒロのような性格に憧れていた。
このくらいストレートでいいのかもしれないと。
「ジェイクがどんな人と番になるのか、楽しみで仕方ないよ!」
番……。
マヒロが何気に言った言葉が大きく響いた。
番になれば……。俺がルイの番になれれば、フェロモンが他にαに届かないで済むんだ。
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