【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎

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spin-offージェイクと騎士ー

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「ルイ、改めて聞いてほしい。俺はルイが好きなんだ」
 一緒に食事を摂った後、人のいないパークを散歩しながら言った。
 面と向かって言われるのは苦手だろう。
 それでも、暗闇の中でも頬が高揚しているのが分かる

 ルイの手をぎゅっと握った。
「あの……。本当に僕みたいなので良いんですか?」
「なぜΩの人は口を揃えてそういうんだ。バース性なんて、ただの個性じゃないか」
「それでも、やっぱり色々と気を使います」

 抑制剤も種類豊富に手に入れられるようになったとはいえ、Ωの人が仕事はそれほど選べないのが現状だ。

「でも、俺の前で遠慮なんてしないで」
 ここで、ルイが頷いたとしても、甘えてきたりはしないだろう。
 繋いだ手を振り解かれないだけでも奇跡のように思えてくる。
 きっとまだ、俺の気持ちを信じてもらえていない気がする。
 どうすればルイを本気だとわかってもらえるのだろうか。

 それに……。
 もし、ルイが断りきれなくて承諾したなら、それも良くない。

「「あ、あの……!!」」
「何? ルイから言って?」
「いや……ジェイクさんから……どうぞ……」
 もどかしい時間が過ぎていく。
 どこまで深入りしていいのか分からないなんて……。
 俺自身、まだ戸惑っている。

「明日は仕事早いの? できれば、なるべく一緒にいたいんだけど」
 ルイの手をぎゅっと握った。
 これで振り解かれれば、諦めようと賭けた。

「あの……こういうの初めてで……。どうすれば良いのか、教えてください……」

 ルイの一言に、完全に当てられた。
 抱きしめたい。
 凄く、抱きしめたい。
 付き合っているのだから、いいのか。
 でも、驚かれてしまうかも……。

 二度目の初恋は、俺もなかなか上手くは立ち回れない。

「俺の家、来る?」
「え!? そんなの、いいんですか?」
「勿論だ。恋人になったのだから。むしろ来て欲しい。早く二人きりになりたい」

 繋いだ手をそのままに、馬車へと戻る。
 部屋に戻れば、きっと離せなくなる。それを分かっていて誘ってしまった。

 馬車に乗り込むと同時に、ルイを抱きしめた。
 すっぽりと自分の中に治まるルイ。こんなにも小さいのか……と再確認してしまう。

「嫌じゃない?」
「そんなわけ、ありません……」
 俺の胸に顔を埋めて、震える声で返事をする。抱きしめる腕に力を込めた。

 
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