【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎

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spin-offージェイクと騎士ー

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 朝起きると、俺の腕の中で猫のように丸まって眠っている愛おしい人がいる。
 腕枕をしていたのをそのまま引き寄せる。

「お、おはようございます」
「おはよう、ルイ」
「苦しいですよ」
「でも、こんなにも幸せな朝に、抱きしめずにはいられないよ」

 ルイは恥ずかしそうに俯いて、俺の胸に顔を埋めた。

「昨日は、結局うまく出来ずに御免なさい」
「何を言うんだ!! 昨日のあんなにも愛しあった時間を謝るなんて」
「でも……最後まで出来なかったし……」
「ルイ、最後までしないとセックスと言わない。とでも言いたいの?」
「そんなわけじゃっっ!!」

 俺と結ばれるために、一生懸命になってくれた。
 そんな可愛らしい姿を見せられて、不満に感じていると思われているのだろうか。
 それだと、いけない。

「俺は、昨日のあの時間をずっと大切にしたい。一生忘れられない思い出だよ」
「僕は……恥ずかしすぎて、早く忘れてほしい……です……」
「じゃあ今からでも、やる?」
「えっ、いや、その……こんなにも明るいところで……なんて……」

「冗談だよ」と言って、額にキスをした。
 
 このまま、午前中はまったりと過ごそうと言って、ベッドの上でゴロゴロして過ごす。
「休日も、機敏に動いているのかと思っていました」
 なんて言われたけど、いつもならそれが正解。
 休日でも朝に起きて行動している。
 でも……。

「こんなにも時間を贅沢に使うことってないからね。午後からは俺は仕事だし。ほんの少しでも引っ付いて過ごしたい」

 どちらかのお腹がなるまでここで居よう。と、脚を絡ませ合う。
 先にお腹が鳴ったのはルイだった。

「いつもは何食べてるの?」
「パンと、肉と、卵と、野菜と……」
「ルイ、それは料理名じゃなくて食材名だよ」
「でも、料理の名前なんて分からなくて……」

 しっかりしているかと思いきや、こういう不意に面白いことを言うルイがかわいい。
 朝からしっかり食べるとわかれば良い。
 じゃあ、食事の準備を頼んでくる。

 寝室を出て、シェフのところへ行こうとした。
 が、忘れ物に気付き寝室に戻ると……ルイが俺の服を抱きしめて寝ているではないか!!
 嬉し過ぎて、緩む口元をサッと隠す。

 その後、朝食を食べながら、ルイの次の発情期には必ず番になってほしいと申し出た。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 ルイが深々とお辞儀をする。
 頬がピンクに染まっているのが、なんとも奥ゆかしい。

 しかし、こんなにも楽しい時間ほど、あっという間に過ぎてしまう。

 自分の仕事に合わせて、ルイを宿舎の近くまで送った。
 見送るのがこんなにも名残惜しいなんて……。

「じゃあ、また……」
 馬車の扉が閉まるギリギリまで視線を送っていた。

 ルイを下ろし、ホテルに向かう間、昨日のルイを思い出し浸っていた。
「かわいかった……ルイ……」
 またすぐにでも抱きしめたい。
 
 発情期をこんなに待ち侘びているとルイが知ったら、流石に引かれるかもしれないから言わないでおこうと思った。
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