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第二章
第九話 退行催眠
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失神、そして失禁するまで絶頂させられた霊能少女は、くたっ、と力を抜け切らせたままに横たわっていた。
その裸体に覆いかぶさって、銀一は指をするんっするんっ、と滑らせる。
スケートリンクの上を滑るような滑らかさに、レムは絶え間ない喘ぎ声を漏らしていた。
「ん、ふっう、あっ♥ あっ、んぅう……う、っ……」
相手が誰かも分からないままに愛撫をされて、気付いたときには、身体が拒絶出来なくなっていた。
敵。倒さないとならない敵。
それを分かっても、執拗な絶頂を立て続けられたせいで、怒りの思考は指先一つで露散してしまう。
敵、そう思っても思っても、思うたびに散らされてしまう。
「あ、あ、んぁあ♥ あぅ、ん、あんっ♥ や、めっ、だ、めっ、んぅ、あ」
「まだまだだなァ、えぇ? レムッ」
「っう、え、んいぃいいイイイッ!?」
ガチガチに立ち上がった乳首を、コリコリッと前歯で甘噛みされて、悲鳴を叫ばされた。どれだけ時が経ったのかも分からないくらいに、とろとろのぬるま湯に浸かっていた。そんな心地良さの中での鋭い絶頂に、蓄積されていた快感が一気に身体を痺れさせたのだ。
「あ、う、ぅ、あ、あ、あぁ、はぁ……、はぁ……」
鋭い絶頂から戻ってきて、呼吸が深く、そしてゆっくりとしたものへと変わっていく。そんな中、剥きさらしの乳房へ、どろーっと黄色がかったローションが垂らされていく。
劇薬指定されているほどに、強い催淫性を持ったローションである。
なにかに混ぜて忍びこませる必要がない。そんな中でしか使えないほど、酷く甘く、それでいて色味も隠せない強力な薬だった。
それがまるまるレムの乳房を覆いこんでいく。
「んふぅ、ふぅ、ふ、は、はぁ、んぅううっ♥ あ、はぁあ♥」
ローションでテカテカになった乳房は、まるで飴細工のような不自然なテカリを帯びていた。
すー……、すー……、とメンソールのように肌の表面を凍えさせてきておいて、中では発酵したように膿ませてくる。
「あ、っう、あ、はぁ……、ぎ、ぎんいっちっ、……く、うぅ……、な、な、にぃ、を、ぬ、うっ、たっ、はぁ、はぁ……あ、んっ、は、ぁ……」
凍えそうでいて灼かれるような疼痛に、レムの意識も半ば蘇る。
「媚薬だよ媚薬。おれァ、そういうの調合すんのとくいだろォ?」
「こ、んのっ、ひ、卑怯者っ、っうあ、はぁ、はぁ……」
修練のときに何度媚薬を持ちだされた分からない。
夢の中とはいえ、その威力はまともに浴びようものなら、簡単に形勢逆転してしまうほどに強烈な催淫性があった。夢の中でさえだ。
現実となるとその威力は桁違いだった。
「ん、ふぅう、ふぅう、はぁ、お、おまえはっ、ぜ、ぜったいに倒すっ、ぼ、ぼくが、ぜったいっ、たおすっ、ふぅうふぅう、はぁ、あ……」
己を鼓舞するように言葉を重ねる。必要以上に重ねに重ねる。
そうでもしないといつ求めてもおかしくないほどの疼きに襲われていたのだ。
コリコリ甘噛みされた乳首にいたっては、まるで毒でも入りこんでいるようにむず痒くて、抓りたいくらいに疼いている。
そんなレムを混乱させるように、銀一が言った。
「そうだァ。その心意気だ。ちゃぁんとオレを超えてみろよォ?」
「な、にぃを、ぉ、っうふぅ、ふぅ……、言って、っるっ」
「オレを逝かせるまで、今日も終わらねぇぞォ?」
「な、に、を……、っい、ってっうう、はぁはぁ……、どういうことらぁ……」
レムには銀一の言っていることが、まったくもって分からなかった。
当然と言えば当然である。
レムは、宇崎の肉粘土で足場を固められた一切の身動きが出来ない中で、鼻提灯を何度も破裂させるほどに狂わされた。
それから、その暴虐を癒やすような愛撫を、丸一日以上続けられているのだ。
サイクロプスと化した宇崎からの陵辱を含めると、もうレムへの陵辱は三日三晩続いている。とうの昔にレムは限界を迎えていて、意識は白濁に塗れていた。
そんなレムに銀一はしつこく問い掛ける。
「だからよォ。オレを逝かせねぇと、今日の修練も終わらんぞォ?」
「あ、はぁ、はぁ、そ、――それはぁ、こ、こまるっ。ぼ、ボクっはぁ、はぁこんなところでは、はぁはぁ、おわれないんだぁっ……」
遠かりし日の幻影に向かって答えてしまうレム。
そんな弟子の姿を見て、銀一はニヤリと笑んだ。
退行催眠への第一歩である”入眠”への成功を意味した笑みであった。
結局のところ銀一は、宇崎を人質にしても、レムを堕とせなかったのだ。
何度も何度も逝かせはした。
しかし、三日もすれば元に戻る、と手に取るように分かる程度の屈服でしかなかったのだ。
銀一からすれば、レムは三年ものあいだ同じ屋根で寝て、伽の手ほどきを指南した弟子でもあるのだ。
それもあって、完堕ちさせられないと容易に見抜けてしまい、あえてレムにはトドメを刺さなかった。
そして、確実に仕留めるために、戦うではなく退行催眠を使っての責めに移行したのだ。
「よぉしいい根性だ。筋もいいなァ、これならどうだァ?」
レムの肋骨の上に跨がると、大振りな乳房を揉みしだく。
ぐにゃりぐにゃりと媚薬をすりこむように荒々しく責める。
「んふぇえっ!? んぅう、あ、あぁ♥ え、えぇえっ、ひ、ひゃあああああああああああっ!? ――ングンあぁあああッ!?」
ローションがなければ痛いだけでしかないはずの荒々しい揉みしだき。
もとの形に戻るか不安になるほどに、グニャリィイイッと変形させられた。
だというのに、レムが得た快感はいまだかつて経験のないものであった。
正確に言うと、このときのレム、退行させられたレムには未経験の快感だった。
そう、絶頂である。跨がられた銀一が座っていなければ、反り返らせた腰が砕けていたかも知れない。
そう思ってしまうほどに強烈な快感だった。
「あ、が、あ――、あ、う゛……う、うあ、う、ア……」
「どうだァレムゥ気持ちよかったカァ?」
バチンバチンと肉棒で頬をぶっ叩かれて起こされる。
往復ビンタをバチンバチンと執拗に繰り返されて、やっと遠くを見詰めたままではあるが、レムの目に光が戻ってきた。
「ひ、ぃ……あ、ひ、ぃ……ぅ、な、……ひ、ぃ、なぁ、――ぃ」
気持ちよかった。そう答えかけるも、レムはどうにか踏みとどまった。
――快感を口にしたときは負けるとき。そう心得ろ。
銀一から口酸っぱく言いつけられていたのだ。
(あ、あぶなかっ……た……)
「気持ちよくねぇのかァ? 良かったんだろうォ?」
「しょんら、ころ……、なひぃ……」
「小便漏らしておいてそりゃねぇだろ。逝ったくせによぉ。そうだろレム?」
「い、いった、はぁ? こ、れがっ、ぜっちょう……? だから、なにかっ、でたの、か……、ぴゅっ、て……」
「そうだ。これが、おめェが生き霊を成仏させるのに使うって術の正体だ。おめぇに逝かされるときにオレがぐったりするのもわかんだろゥ?」
「あ、あはぁ、わ、わかっ、たっ……、こ、これは、そうぞういじょう、に、す、ごぃ……、こ、これにゃ、ら……、あははぁ、ぼ、ボクは、ま、まちがってなかっ、たっ、こ、これならっ……」
「ふぅ。そうだ……」
そして、ここからが銀一にとっては正念場であった。
退行催眠の深みに嵌められるかどうかの瀬戸際。
堕とせるか堕とせないかの瀬戸際といってもいいだろう。
なにせ、銀一にとっては三年以上も前の記憶である。
レムと違って実際の記憶の時間へ戻っているのとは違う。
ミスが命取りであった。
「気持ちいいときは、気持ちいい。そう答えろ。逝くときは、逝くと叫ぶ。これが基本だな?」
レムの目を凝視しながら、銀一はレムの反応を確認しながら問い掛けていく。
「な、なにを、いって……。それは、負けを……、意味するって……、口にしたときはっ、はぁ、負ける、ときっ、て……」
(ま、まずい……。レムが初めて絶頂したのがいつか忘れていたせいだなこりャ……。いや、そもそもこいつ逝ったことあったか?)
「ど、どういうこと、だっ……し、師匠……、あ、あたまがっ……わ、われ、るっ、痛いっ、うっ」
「負けを口にするなとは言ったがあくまでそれは応用だァアアアッ!! ……応用から入るのが房術の基本になる!」
ミチミチと目尻が悲鳴をあげるくらいに見開いて、銀一は叫んだ。
「な、にっ……応用、が基本……? そ、それだと、応用じゃ、なぃ……、どっちが基本っ、っ、あ、あたまっ、がっ……」
「思いだせ。オレが感じてると思って図に乗って責めまくっただろう? そして結果……、どうなった?」
コールド・リーディングである。レムの反応を一挙手一投足逃さぬよう、目を見開いて見詰める。レムの反応から答えを導き出すために、瞬きさえしない。
「そ、そうかっ……。ボクは、あのとき調子に乗って責め続けて、ボクまで感じてしまったんだ。なにもされてないのに……」
「それだ! 感じている振りをすれば責めてるやつの興奮を誘える! 分かったな!? 喘げ! 絶頂を叫べ! いいな!?」
「わ、わかっ、た」
唇が裂けるほどに開いた口から唾飛ばしながら叫ばれて、レムは驚かされる。
その中でパチン! と指が鳴らされるのであった。
「っう、うっ、あ、あ、れっえ、ぎ、銀一っ! な、なぜっ、なに、がっ……、 ぐ、ぐっ……。銀一! ボクになにをした! 答えろ!」
あまりよけいなことを喋って、催眠が解けたら元も子もない。そう思った銀一から退行催眠から戻されて、レムは戸惑いながらに問い詰めた。
「ふんっ、ずいぶん余裕そうじゃネェか。ほんと、天才って憎ったらしいわ」
長いこと問答を繰り返したこともあってか、レムの身体からは完全に熱が冷めていた。そう、霊力はそのまま健在であるレムは、防御力もさておき、回復力も天才級なのだ。
「ぼ、ボクはお前が憎いぞっ。う、宇崎くんは、どこにやったっ……」
「こたえる義理はねェ! レム、そろそろ、師弟対決にけりを付けんぞォ!」
退行催眠によって、記憶を塗り替えられてしまったレムと、銀一の師弟対決が終盤を迎えるのであった。
その裸体に覆いかぶさって、銀一は指をするんっするんっ、と滑らせる。
スケートリンクの上を滑るような滑らかさに、レムは絶え間ない喘ぎ声を漏らしていた。
「ん、ふっう、あっ♥ あっ、んぅう……う、っ……」
相手が誰かも分からないままに愛撫をされて、気付いたときには、身体が拒絶出来なくなっていた。
敵。倒さないとならない敵。
それを分かっても、執拗な絶頂を立て続けられたせいで、怒りの思考は指先一つで露散してしまう。
敵、そう思っても思っても、思うたびに散らされてしまう。
「あ、あ、んぁあ♥ あぅ、ん、あんっ♥ や、めっ、だ、めっ、んぅ、あ」
「まだまだだなァ、えぇ? レムッ」
「っう、え、んいぃいいイイイッ!?」
ガチガチに立ち上がった乳首を、コリコリッと前歯で甘噛みされて、悲鳴を叫ばされた。どれだけ時が経ったのかも分からないくらいに、とろとろのぬるま湯に浸かっていた。そんな心地良さの中での鋭い絶頂に、蓄積されていた快感が一気に身体を痺れさせたのだ。
「あ、う、ぅ、あ、あ、あぁ、はぁ……、はぁ……」
鋭い絶頂から戻ってきて、呼吸が深く、そしてゆっくりとしたものへと変わっていく。そんな中、剥きさらしの乳房へ、どろーっと黄色がかったローションが垂らされていく。
劇薬指定されているほどに、強い催淫性を持ったローションである。
なにかに混ぜて忍びこませる必要がない。そんな中でしか使えないほど、酷く甘く、それでいて色味も隠せない強力な薬だった。
それがまるまるレムの乳房を覆いこんでいく。
「んふぅ、ふぅ、ふ、は、はぁ、んぅううっ♥ あ、はぁあ♥」
ローションでテカテカになった乳房は、まるで飴細工のような不自然なテカリを帯びていた。
すー……、すー……、とメンソールのように肌の表面を凍えさせてきておいて、中では発酵したように膿ませてくる。
「あ、っう、あ、はぁ……、ぎ、ぎんいっちっ、……く、うぅ……、な、な、にぃ、を、ぬ、うっ、たっ、はぁ、はぁ……あ、んっ、は、ぁ……」
凍えそうでいて灼かれるような疼痛に、レムの意識も半ば蘇る。
「媚薬だよ媚薬。おれァ、そういうの調合すんのとくいだろォ?」
「こ、んのっ、ひ、卑怯者っ、っうあ、はぁ、はぁ……」
修練のときに何度媚薬を持ちだされた分からない。
夢の中とはいえ、その威力はまともに浴びようものなら、簡単に形勢逆転してしまうほどに強烈な催淫性があった。夢の中でさえだ。
現実となるとその威力は桁違いだった。
「ん、ふぅう、ふぅう、はぁ、お、おまえはっ、ぜ、ぜったいに倒すっ、ぼ、ぼくが、ぜったいっ、たおすっ、ふぅうふぅう、はぁ、あ……」
己を鼓舞するように言葉を重ねる。必要以上に重ねに重ねる。
そうでもしないといつ求めてもおかしくないほどの疼きに襲われていたのだ。
コリコリ甘噛みされた乳首にいたっては、まるで毒でも入りこんでいるようにむず痒くて、抓りたいくらいに疼いている。
そんなレムを混乱させるように、銀一が言った。
「そうだァ。その心意気だ。ちゃぁんとオレを超えてみろよォ?」
「な、にぃを、ぉ、っうふぅ、ふぅ……、言って、っるっ」
「オレを逝かせるまで、今日も終わらねぇぞォ?」
「な、に、を……、っい、ってっうう、はぁはぁ……、どういうことらぁ……」
レムには銀一の言っていることが、まったくもって分からなかった。
当然と言えば当然である。
レムは、宇崎の肉粘土で足場を固められた一切の身動きが出来ない中で、鼻提灯を何度も破裂させるほどに狂わされた。
それから、その暴虐を癒やすような愛撫を、丸一日以上続けられているのだ。
サイクロプスと化した宇崎からの陵辱を含めると、もうレムへの陵辱は三日三晩続いている。とうの昔にレムは限界を迎えていて、意識は白濁に塗れていた。
そんなレムに銀一はしつこく問い掛ける。
「だからよォ。オレを逝かせねぇと、今日の修練も終わらんぞォ?」
「あ、はぁ、はぁ、そ、――それはぁ、こ、こまるっ。ぼ、ボクっはぁ、はぁこんなところでは、はぁはぁ、おわれないんだぁっ……」
遠かりし日の幻影に向かって答えてしまうレム。
そんな弟子の姿を見て、銀一はニヤリと笑んだ。
退行催眠への第一歩である”入眠”への成功を意味した笑みであった。
結局のところ銀一は、宇崎を人質にしても、レムを堕とせなかったのだ。
何度も何度も逝かせはした。
しかし、三日もすれば元に戻る、と手に取るように分かる程度の屈服でしかなかったのだ。
銀一からすれば、レムは三年ものあいだ同じ屋根で寝て、伽の手ほどきを指南した弟子でもあるのだ。
それもあって、完堕ちさせられないと容易に見抜けてしまい、あえてレムにはトドメを刺さなかった。
そして、確実に仕留めるために、戦うではなく退行催眠を使っての責めに移行したのだ。
「よぉしいい根性だ。筋もいいなァ、これならどうだァ?」
レムの肋骨の上に跨がると、大振りな乳房を揉みしだく。
ぐにゃりぐにゃりと媚薬をすりこむように荒々しく責める。
「んふぇえっ!? んぅう、あ、あぁ♥ え、えぇえっ、ひ、ひゃあああああああああああっ!? ――ングンあぁあああッ!?」
ローションがなければ痛いだけでしかないはずの荒々しい揉みしだき。
もとの形に戻るか不安になるほどに、グニャリィイイッと変形させられた。
だというのに、レムが得た快感はいまだかつて経験のないものであった。
正確に言うと、このときのレム、退行させられたレムには未経験の快感だった。
そう、絶頂である。跨がられた銀一が座っていなければ、反り返らせた腰が砕けていたかも知れない。
そう思ってしまうほどに強烈な快感だった。
「あ、が、あ――、あ、う゛……う、うあ、う、ア……」
「どうだァレムゥ気持ちよかったカァ?」
バチンバチンと肉棒で頬をぶっ叩かれて起こされる。
往復ビンタをバチンバチンと執拗に繰り返されて、やっと遠くを見詰めたままではあるが、レムの目に光が戻ってきた。
「ひ、ぃ……あ、ひ、ぃ……ぅ、な、……ひ、ぃ、なぁ、――ぃ」
気持ちよかった。そう答えかけるも、レムはどうにか踏みとどまった。
――快感を口にしたときは負けるとき。そう心得ろ。
銀一から口酸っぱく言いつけられていたのだ。
(あ、あぶなかっ……た……)
「気持ちよくねぇのかァ? 良かったんだろうォ?」
「しょんら、ころ……、なひぃ……」
「小便漏らしておいてそりゃねぇだろ。逝ったくせによぉ。そうだろレム?」
「い、いった、はぁ? こ、れがっ、ぜっちょう……? だから、なにかっ、でたの、か……、ぴゅっ、て……」
「そうだ。これが、おめェが生き霊を成仏させるのに使うって術の正体だ。おめぇに逝かされるときにオレがぐったりするのもわかんだろゥ?」
「あ、あはぁ、わ、わかっ、たっ……、こ、これは、そうぞういじょう、に、す、ごぃ……、こ、これにゃ、ら……、あははぁ、ぼ、ボクは、ま、まちがってなかっ、たっ、こ、これならっ……」
「ふぅ。そうだ……」
そして、ここからが銀一にとっては正念場であった。
退行催眠の深みに嵌められるかどうかの瀬戸際。
堕とせるか堕とせないかの瀬戸際といってもいいだろう。
なにせ、銀一にとっては三年以上も前の記憶である。
レムと違って実際の記憶の時間へ戻っているのとは違う。
ミスが命取りであった。
「気持ちいいときは、気持ちいい。そう答えろ。逝くときは、逝くと叫ぶ。これが基本だな?」
レムの目を凝視しながら、銀一はレムの反応を確認しながら問い掛けていく。
「な、なにを、いって……。それは、負けを……、意味するって……、口にしたときはっ、はぁ、負ける、ときっ、て……」
(ま、まずい……。レムが初めて絶頂したのがいつか忘れていたせいだなこりャ……。いや、そもそもこいつ逝ったことあったか?)
「ど、どういうこと、だっ……し、師匠……、あ、あたまがっ……わ、われ、るっ、痛いっ、うっ」
「負けを口にするなとは言ったがあくまでそれは応用だァアアアッ!! ……応用から入るのが房術の基本になる!」
ミチミチと目尻が悲鳴をあげるくらいに見開いて、銀一は叫んだ。
「な、にっ……応用、が基本……? そ、それだと、応用じゃ、なぃ……、どっちが基本っ、っ、あ、あたまっ、がっ……」
「思いだせ。オレが感じてると思って図に乗って責めまくっただろう? そして結果……、どうなった?」
コールド・リーディングである。レムの反応を一挙手一投足逃さぬよう、目を見開いて見詰める。レムの反応から答えを導き出すために、瞬きさえしない。
「そ、そうかっ……。ボクは、あのとき調子に乗って責め続けて、ボクまで感じてしまったんだ。なにもされてないのに……」
「それだ! 感じている振りをすれば責めてるやつの興奮を誘える! 分かったな!? 喘げ! 絶頂を叫べ! いいな!?」
「わ、わかっ、た」
唇が裂けるほどに開いた口から唾飛ばしながら叫ばれて、レムは驚かされる。
その中でパチン! と指が鳴らされるのであった。
「っう、うっ、あ、あ、れっえ、ぎ、銀一っ! な、なぜっ、なに、がっ……、 ぐ、ぐっ……。銀一! ボクになにをした! 答えろ!」
あまりよけいなことを喋って、催眠が解けたら元も子もない。そう思った銀一から退行催眠から戻されて、レムは戸惑いながらに問い詰めた。
「ふんっ、ずいぶん余裕そうじゃネェか。ほんと、天才って憎ったらしいわ」
長いこと問答を繰り返したこともあってか、レムの身体からは完全に熱が冷めていた。そう、霊力はそのまま健在であるレムは、防御力もさておき、回復力も天才級なのだ。
「ぼ、ボクはお前が憎いぞっ。う、宇崎くんは、どこにやったっ……」
「こたえる義理はねェ! レム、そろそろ、師弟対決にけりを付けんぞォ!」
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