いろはにほへと ちりになれ!

藤丸セブン

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九限目 本能寺の変

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 千五百八十二年本能寺で起こった悲劇。織田さんが家臣の明智にしーばーかーれーる話!
「今時の子供は8.6秒バズーカなんて知らないのでは?」

 <九限目 本能寺の変>

「この間久しぶりに本能寺の変を見たよー!いやー面白かったなー」
 時は珍しく放課後よりも前のお昼休み。いろは、六花、波瑠と食事を食べていた日華が放った何気ない会話が今回の話の鍵となった。
「本能寺の変?なんだそりゃ?」
「本能寺の変って、あの本能寺の変ですか!?いや、あれは随分と過去に起こった出来事。それにもしテレビや何かで見たとしても、面白くはありませんよね!?」
「あれ?二人は知らないの?本能寺の変」
 日華が首を傾げて二人を見る。そして本当に知らなさそうなので本能寺の変とは何かを伝えようとして。
「む、待った」
 波瑠に止められた。
「何ー?」
「こういうのは自分達で調べた方が面白い。特に今日は補習部の活動も休みだし」
 波瑠は面白い事が大好きだ。そんな波瑠がせっかくの面白そうなネタを見逃す筈がない。
「おう!上等だ!どんなもんでもバッチリ解決してやる!見た目は女子高生!心は小学生のこの私がな!」
「それはただの可哀想な人ですよ。えっと、一応聞きますけど本能寺が燃えた事件とは全く関係ないもの、という事ですよね?」
「全く関係ない訳じゃないけど、まあ関連性は薄いかな。そう名付けられた理由はあるけど、勿論火事とかそんな大それた事件ではない。ちょっとした騒ぎになるかなつて程度のボヤ騒ぎだよ」
 日華の言葉を聞いて六花は安堵の息を漏らした。火事の様な大事なら六花の耳にも入ってくるであろうから大した出来事ではない事は想像できるが、万が一という可能性もある。
「じゃあ早速調査と行こうぜ!ろっちゃん!はっちゃん!にっちゃん!」
「「おー!」」
「その前にまずは食事を終わらせますよ。本能寺の変を調査するのは放課後です」
「「「えー」」」
「えーじゃありません」
 一同は食事を終え、午後の授業を終えた。そしていよいよ放課後だ。
「あっという間にやってきました放課後!待ってろよ本能寺の変!」
 授業終了のチャイムと同時に席を立ち外へ飛び出したいろは。しかし自分の後に誰もいない事に気づき教室に戻って来た。
「なんで誰も来ねえんだよ」
「む、戻って来ると思ってたから」
「そんなに急ぐ必要はないでしょう?ゆっくり行きましょう」
「えー」
 そんなことを言いながら一同は調査を始めた。
「え?本能寺の変?それなら多分中庭で見れるよ」
 聞き込みを始めて五秒。本能寺の変が起こる場所の情報を得た。
「随分と呆気ない調査でしたね」
「む、つまらない」
「まあ確定事項ではないかもだし、他の人にも聞いてみない?」
 その後何人かの生徒達に話を聞いてみたが、結局得られた情報は同じ。中庭で本能寺の変が見られるそうだ。どうやら本能寺の変という事件は割と有名な様だ。
「仕方ねえ。これ以上の聞き込みは面白みに欠ける。さっさと中庭行って犯人逮捕と洒落込むか」
「犯人って、本能寺の変がどんな事件かも分かっていないのに適当な事を言ってはいけま」
「おーねーがーいー!!」
 中庭の近くに来ると大きな声が聞こえた。その声は聞き覚えのない男の声だった。
「先っぽだけ!先っぽだけだからぁ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
 中庭にいたのは見慣れない女子生徒とその女子生徒にしがみつく金髪の男。
「私、あんなに必死の悲鳴あげてる女の子初めて見たわ」
「わたくしもです」
 男の口からは涎がこれでもかと垂れており直ぐ様変態だと分かる。顔は中の中。いや、中の下と言ったところだろう。
「死ね!!!!!!!」
「ぶぐぉぉ!」
 少女の腰の入った右ストレートが男の頬にクリーンヒットし、壁に激突した。
「うおっ!」
「きゃぁ!」
 アニメや漫画などでキャラクターが壁に激突するシーンがあるが、実物を見る事になるとは思わなかった。いざ目の前にすると中々驚愕してしまった。
「ぐ、ぐぅ」
「いっ、たそー!無事か?」
 頭を強打したのか苦しそうに唸る男にいろはが近づこうとするが、それを波瑠が静止する。
「む、ダメ。覗かれるよ」
「覗かれる?」
 言っている言葉の意味がよく分からずいろはが男の方を見ると息を荒げながらいろはのスカートを覗こうとしていた。
「あ!バラすなよ!」
「む、いーのスカートを覗こうなんて、不届き」
 男の顔面を波瑠が思い切り踏みつける。中々の勢いのまま顔を踏みつけたので男の鼻からは鼻血が出ていた。
「えっと、こいつは星本能寺。変態だよ。この変態が女の子にセクハラしてぶん殴られて、顔を真っ赤にする事件。これが本能寺の変の真相って訳」
 呆れた様に口にされた本能寺の変の真相。その衝撃の真実に。
「ぶっ!がははははははは!!!」
 いろはは大爆笑した。大口を開けて、周囲の目など全く気にする事なく。
「ふっ、面白え男」
「トゥンク!?!?」
 キメ顔で星本能寺に顎クイをするいろはに口頭でトキメキを口にする本能寺。その様子に三人は唖然とした。
「な、ななななんだ?この感覚は。胸がざわめく。胸が苦しい?何だ、何なんだこの感覚はっ!?」
「くふふふふふふ。何だこいつマジで面白いな」
「何ですかこの状況」
 六花が状況が飲み込めない為波瑠と日華に助け舟を出すが二人もお手上げとばかりに両手をあげた。
「い、今はこれくらいで勘弁してやる!お前!名を名乗りやがれ!!」
「私に言ってんのか?」
「恐らくは」
 顔を真っ赤にしながらいろはを指差す本能寺にいろはは再度キメ顔を作って名乗りをあげた。
「石森いろは、探偵さ!」
 某探偵漫画の主人公の様な名乗りをあげたいろはに本能寺は何故か耳まで真っ赤にして「石森いろは、覚えたからなぁ!」と言って走り去って行った。
「何だったんだあいつ?」
「さぁ?ただ変なのに目付けられちゃったね。あいつは変態中の変態で女と見たらどんな女でもヤらせろって迫ってくる奴だから」
「面白え男だったけどドヘンタイだったんだな」
 悲しそうな物を見る目をしながら去っていく本能寺の背中を眺める。そして一言。
「変な名前だな!」
 シンプルな悪口を放った。
「む、本能寺って。名付け親はどんな気持ちで自分の息子に本能寺って名前を付けたんだろう」
「多分ノリと勢いだろ。そんな様な話だった気がするぜ」
「どこ情報ですか!?」
「ふひひ。やっぱみんなと一緒にいると飽きないなぁ」
 こうして補習部プラス一名は名実共にド変態である星本能寺と知り合う事となった。
  ◇
 そして翌日。
「ここが補習部とやらか。よ、喜べよ。俺がお前らの部活に入ってやるよ!べ、別に!石森いろはに会いに来たとか!石森いろはの事が気になって寝不足とか!そんな事はねえからな!」
「マジですか」
「む、帰れ」
「おー。ドヘンタイ君じゃねえか。歓迎するぜ」
 驚愕する者。顔を見た瞬間に嫌悪感を剥き出しにした者。そして歓迎する者。三人は本能寺の姿に三者三様の姿勢を見せた。
「おい石森いろは!俺の名前は星本能寺だ!ドヘンタイじゃねぇよ!」
「覚えにくい名前だからなー。そんなすぐに覚えられねえよ」
「いやめっちゃ覚えやすい名前だろうが!覚えろよ!!」
 本能寺の言う通りこの名前は非常に覚えやすい名前だが、いろはにそれを求めるのは厳しいだろう。
「で、入部届けは何処に出せばいいんだ?」
「いえ、わたくし達は部活を名乗ってはいますが別に正式な部活ではなく」
「む。というか私は反対。こいつは変態。いーとろーを守る為、私はこいつを追い払う所存」
「お、そうなのか。じゃあ帰ってくれドヘンタイ君。うちらの部活は全員の同意がないと入れないんだ」
「マジかよ!そんなのってありかぁ!?」
 こうして星本能寺が度々補習部に絡んでくる事となった。
「私達の冒険はまだまだ続く!」
 
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