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2話 悪役令嬢の国外追放 その2
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「まさか、そのようなことが……アイリーン殿」
「いえ……私が悪かったのです……王子殿下に粗相を働いてしまったのですから」
ゲシュタルト王国とアランドロ女王国の国境を越え、アイリーンとミランダの二人は辺境領主である、アルガス伯爵のところへとやって来ていた。
アイリーンの想像通り、アルガスは二人を快く受け入れてくれたのだ。ゲーム内での言動や、設定本などを知り尽くしているアイリーンだからこそ、可能な行動であったと言える。
「敵国であるはずの私たちの身の安全を保障していただけるだけで、なんとお礼を言っていいかわかりません」
「とんでもない。それに、あなたは既に称号ははく奪されているので、一般の女性と変わらないでしょう。そんな方が助けを求めているのです。蔑ろにしては、我が家訓の汚名になってしまう」
「私からもお礼を申し上げます。アイリーン様をお救いいただき、ありがとうございました」
アイリーンの隣に立つ、護衛のミランダもアルガスに深々と頭を下げた。アイリーンは考える。ミランダにどのようにアルガスの誠実さを話そうか、信じてもらおうかということを。彼女の態度を見る限り、その説明をする必要はないと理解することができた。
「アイリーン殿には客人としてお部屋をご用意いたします、ご安心を」
「はい。その代償として、このミランダ、どのようなお仕事もお受けいたします。なんなりと命じてくださいませ」
アイリーンは苦笑いになる。自分の代わりにミランダが働くというのだ。確かに、その流れは正しいのだが、アイリーンの本意はそこにはない。彼女に頼って生きていくなども考えてはいないのだ。
「アルガス伯爵、私をメイドとして雇っていただけませんか?」
「メイドとして? いえ、客人であるあなたを、そんな……」
「いえ、私は一般人ですし、あなた様の慈悲深い好意に感謝の意を示したいのです。どうかお願いいたします」
アイリーンは彼の元に居たいと考えたが、最初からの特別扱いをされるつもりはなかった。称号を失った悪役令嬢……多少は特別に扱うだろうと予想はしていたがピタリだった為だ。
ミランダも驚いた顔を向けているが、彼女の表情の真剣さから、何も言うことはなかった。
「……わかりました。アイリーン殿がそのように望まれるのであれば、あなたを我が屋敷で雇うことにいたしましょう」
「ありがとうございます、伯爵」
アイリーンは上手く事が進んだことに喜びを感じた。今にもガッツポーズをしたい気分だ。彼女は千里である為に、家事などは得意としている。彼女自身にとっても良い仕事と言えるだろう。
メイドとしてアルガスの傍に付き、彼との仲を深めていく。最初の望みが叶った瞬間であった。
「いえ……私が悪かったのです……王子殿下に粗相を働いてしまったのですから」
ゲシュタルト王国とアランドロ女王国の国境を越え、アイリーンとミランダの二人は辺境領主である、アルガス伯爵のところへとやって来ていた。
アイリーンの想像通り、アルガスは二人を快く受け入れてくれたのだ。ゲーム内での言動や、設定本などを知り尽くしているアイリーンだからこそ、可能な行動であったと言える。
「敵国であるはずの私たちの身の安全を保障していただけるだけで、なんとお礼を言っていいかわかりません」
「とんでもない。それに、あなたは既に称号ははく奪されているので、一般の女性と変わらないでしょう。そんな方が助けを求めているのです。蔑ろにしては、我が家訓の汚名になってしまう」
「私からもお礼を申し上げます。アイリーン様をお救いいただき、ありがとうございました」
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「アイリーン殿には客人としてお部屋をご用意いたします、ご安心を」
「はい。その代償として、このミランダ、どのようなお仕事もお受けいたします。なんなりと命じてくださいませ」
アイリーンは苦笑いになる。自分の代わりにミランダが働くというのだ。確かに、その流れは正しいのだが、アイリーンの本意はそこにはない。彼女に頼って生きていくなども考えてはいないのだ。
「アルガス伯爵、私をメイドとして雇っていただけませんか?」
「メイドとして? いえ、客人であるあなたを、そんな……」
「いえ、私は一般人ですし、あなた様の慈悲深い好意に感謝の意を示したいのです。どうかお願いいたします」
アイリーンは彼の元に居たいと考えたが、最初からの特別扱いをされるつもりはなかった。称号を失った悪役令嬢……多少は特別に扱うだろうと予想はしていたがピタリだった為だ。
ミランダも驚いた顔を向けているが、彼女の表情の真剣さから、何も言うことはなかった。
「……わかりました。アイリーン殿がそのように望まれるのであれば、あなたを我が屋敷で雇うことにいたしましょう」
「ありがとうございます、伯爵」
アイリーンは上手く事が進んだことに喜びを感じた。今にもガッツポーズをしたい気分だ。彼女は千里である為に、家事などは得意としている。彼女自身にとっても良い仕事と言えるだろう。
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