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「ごめんね」
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「その娘はガレウス邪教団の魔人なのです!」
「ま、魔人!?」
告げられた悲しい事実に、シャルロットは動揺を隠せない。顔を真っ青に染めながら、縋るようにリィアンへと問いかける。
「魔人だなんて、嘘ですわよねリィアン?」
「……」
「リィアン! 答えてくださいですの、嘘だと言ってくださいですの!」
「……ごめんね」
「そんな……っ」
僅か四文字、「ごめんね」の言葉で意図を察したシャルロット。ポロポロと大粒の涙を流し、ガックリとその場に崩れ落ちる。
「リィアン……友達だと思っていましたのに……」
一方のリィアンは、ロムルス王国の兵士達に四方を囲まれていた。校舎の陰にひっそりと潜み、リィアンを待ち構えていたのだ。
ガーランドの背後には、ヴィクトリア女王とクリスティーナも控えている。ヴィクトリア女王はともかく、クリスティーナの魔法は脅威であろう。
「すでにお前の包囲は完成している、無駄な抵抗はしないことだ」
「向こうで後夜祭をやってるのに、この場でリィと戦うつもり? 大騒ぎになっちゃうかもよ?」
完全に逃げ道を塞がれるも、リィアンに慌てた様子はない。隙の無い身のこなしで、ゆっくりとシャルロットの傍から離れる。
「後夜祭だってワイワイ大騒ぎしているわ、多少の物音には気づかないわよ」
「そっか、学園の皆には知らせてないんだね」
「せっかくの楽しい後夜祭を台無しにしたくないもの、だから大人しく捕まってくれると嬉しいわ」
話している間にも包囲の輪は狭まり続け、今や双方の距離は間合いの寸前、そして──。
「……かかれ!」
ガーランドの命令で、兵士達は一斉にリィアンへと飛びかかる。同時にクリスティーナは小規模な魔法を連続で放ち、リィアンの動きを牽制する。
「この程度でリィを捕まえられると思ってるの?」
対するリィアンは軽やかに身を捻り、スルスルと兵士達の隙間を潜り抜ける。クリスティーナの放った魔法は、風の魔法で漏れなく相殺。思わず感心してしまうほど、美しく無駄のない立ち回りだ。
「なかなか……やる……」
「流石は魔人といったところか」
とはいえやはり戦力差の影響は大きく、ついには校舎の壁際まで追い詰められてしまう。優位な状況に勢いづく兵士達、一方ガーランドは怪訝な表情を浮かべていた。
「お前、なぜ本気を出さない?」
「ふんっ、別に……」
かつてリィアンは王都を襲撃した際、聖騎士三人を相手に互角以上の戦いをした。戦力の差を考慮しても、こうまで一方的に追い詰められるとは考え辛い。
優位すぎる状況に、ガーランドだけでなくクリスティーナも懸念を覚えた、その時──。
「シャルロット様はこちらでしょうか?」
「シャルロット様にお料理を取りにいかせてしまうなんて、このナターシャ一生の不覚です!」
聞えてきたのはオリヴィアとナターシャの声である、どうやらシャルロットを追いかけてきたらしい。
これにはリィアンも驚いてギョッと動きを止めてしまう、その隙をクリスティーナは見逃さなかった。
「隙だらけ……爆散魔法、チコリ-ショット……!」
それは天より降り注ぐ炎の範囲攻撃魔法。頭上を覆う無数の炎は、リィアンの逃げ道を完全に奪う。その上でリィアン以外の人間は巻き込まないよう、絶妙に範囲を絞られている。
「こんな魔法リィには……あっ!」
ここでリィアンはある物の存在に気づき、サアッと顔を青く染める。それは校舎の陰にそっと置かれた、花火の詰まった木箱である。
あえて述べるまでもないが、花火に火気は厳禁だ。しかし花火の存在を知らないクリスティーナは、木箱を巻き込むように魔法を放ってしまったのである。大量の花火が一斉に爆発すれば、大惨事は免れないだろう。
「マズい、このままだと!」
次の瞬間、燃え盛る炎がリィアンと木箱に降り注ぐ。
「ま、魔人!?」
告げられた悲しい事実に、シャルロットは動揺を隠せない。顔を真っ青に染めながら、縋るようにリィアンへと問いかける。
「魔人だなんて、嘘ですわよねリィアン?」
「……」
「リィアン! 答えてくださいですの、嘘だと言ってくださいですの!」
「……ごめんね」
「そんな……っ」
僅か四文字、「ごめんね」の言葉で意図を察したシャルロット。ポロポロと大粒の涙を流し、ガックリとその場に崩れ落ちる。
「リィアン……友達だと思っていましたのに……」
一方のリィアンは、ロムルス王国の兵士達に四方を囲まれていた。校舎の陰にひっそりと潜み、リィアンを待ち構えていたのだ。
ガーランドの背後には、ヴィクトリア女王とクリスティーナも控えている。ヴィクトリア女王はともかく、クリスティーナの魔法は脅威であろう。
「すでにお前の包囲は完成している、無駄な抵抗はしないことだ」
「向こうで後夜祭をやってるのに、この場でリィと戦うつもり? 大騒ぎになっちゃうかもよ?」
完全に逃げ道を塞がれるも、リィアンに慌てた様子はない。隙の無い身のこなしで、ゆっくりとシャルロットの傍から離れる。
「後夜祭だってワイワイ大騒ぎしているわ、多少の物音には気づかないわよ」
「そっか、学園の皆には知らせてないんだね」
「せっかくの楽しい後夜祭を台無しにしたくないもの、だから大人しく捕まってくれると嬉しいわ」
話している間にも包囲の輪は狭まり続け、今や双方の距離は間合いの寸前、そして──。
「……かかれ!」
ガーランドの命令で、兵士達は一斉にリィアンへと飛びかかる。同時にクリスティーナは小規模な魔法を連続で放ち、リィアンの動きを牽制する。
「この程度でリィを捕まえられると思ってるの?」
対するリィアンは軽やかに身を捻り、スルスルと兵士達の隙間を潜り抜ける。クリスティーナの放った魔法は、風の魔法で漏れなく相殺。思わず感心してしまうほど、美しく無駄のない立ち回りだ。
「なかなか……やる……」
「流石は魔人といったところか」
とはいえやはり戦力差の影響は大きく、ついには校舎の壁際まで追い詰められてしまう。優位な状況に勢いづく兵士達、一方ガーランドは怪訝な表情を浮かべていた。
「お前、なぜ本気を出さない?」
「ふんっ、別に……」
かつてリィアンは王都を襲撃した際、聖騎士三人を相手に互角以上の戦いをした。戦力の差を考慮しても、こうまで一方的に追い詰められるとは考え辛い。
優位すぎる状況に、ガーランドだけでなくクリスティーナも懸念を覚えた、その時──。
「シャルロット様はこちらでしょうか?」
「シャルロット様にお料理を取りにいかせてしまうなんて、このナターシャ一生の不覚です!」
聞えてきたのはオリヴィアとナターシャの声である、どうやらシャルロットを追いかけてきたらしい。
これにはリィアンも驚いてギョッと動きを止めてしまう、その隙をクリスティーナは見逃さなかった。
「隙だらけ……爆散魔法、チコリ-ショット……!」
それは天より降り注ぐ炎の範囲攻撃魔法。頭上を覆う無数の炎は、リィアンの逃げ道を完全に奪う。その上でリィアン以外の人間は巻き込まないよう、絶妙に範囲を絞られている。
「こんな魔法リィには……あっ!」
ここでリィアンはある物の存在に気づき、サアッと顔を青く染める。それは校舎の陰にそっと置かれた、花火の詰まった木箱である。
あえて述べるまでもないが、花火に火気は厳禁だ。しかし花火の存在を知らないクリスティーナは、木箱を巻き込むように魔法を放ってしまったのである。大量の花火が一斉に爆発すれば、大惨事は免れないだろう。
「マズい、このままだと!」
次の瞬間、燃え盛る炎がリィアンと木箱に降り注ぐ。
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