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第一歩
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秋の舞踏会から一週間が過ぎた。リディアは以前と変わらず、毎日宮廷楽団の練習に参加していた。誰にも婚約破棄のことは話していない。父ハインリヒでさえ、娘の心の内を知らないままだった。
宮廷の音楽練習室は、石造りの天井が高く、音響に優れた空間だった。朝の光が大きな窓から差し込み、床に置かれた楽譜を照らしている。
「では、もう一度最初から」
ハインリヒが指揮棒を構える。楽師たちが楽器を構え直した。
始まったのは、いつもの宮廷舞踏曲だ。単調なリズム、決まりきった旋律。三十年前も、今も、おそらく十年後も変わらない音楽。
リディアは機械的に弓を動かしながら、ふと疑問が湧いた。
これでいいのだろうか。音楽とは、こんなにも変化のないものなのだろうか。
曲が終わると、リディアは楽器を置いて立ち上がった。
「父様」
「どうした、リディア」
「少し、お話があります」
練習室の隅にある小さな部屋で、父と二人きりになった。ハインリヒは娘の真剣な表情に、少し緊張した面持ちで椅子に座った。
「何か悩み事か」
「いえ、提案です」
リディアは深呼吸をして、言葉を選んだ。
「私たちの演奏する音楽は、いつも同じです。何十年も前から変わらない、決まりきった舞踏曲ばかり」
「それが宮廷の伝統だ。我々楽師は、貴族方が踊るための音楽を提供する。それが役目だろう」
「でも、音楽にはもっと可能性があるはずです」
リディアの目が輝いた。
「複数の楽器が、それぞれ違う旋律を奏でながら調和する。まるで会話をするように、問いかけ、応え合う。そんな音楽を作りたいんです」
「それは……合奏曲、ということか」
ハインリヒは困惑した表情を浮かべた。
「今でも我々は合奏をしている」
「いえ、違います。今の演奏は、主旋律があって、他の楽器はただそれを支えているだけ。私が言っているのは、すべての楽器に役割がある音楽です」
リディアは立ち上がり、身振り手振りを交えて説明した。
「例えば、ヴィオラが主題を提示して、フルートがそれに応える。そこにリュートが新しい旋律を重ね、すべてが絡み合いながら一つの大きな流れを作る。そんな音楽を」
父は長い沈黙の後、ゆっくりと首を横に振った。
「リディア、お前の情熱は理解する。だが、それは宮廷が求める音楽ではない」
「やってみないと、わからないじゃないですか」
「伝統を壊すことは、我々の立場を危うくする。平民の音楽家である我々は、ただでさえ不安定な立場なんだ」
「でも——」
「リディア」
父の声は厳しかった。
「お前は若い。だから可能性を信じられる。だが、私は長年この世界で生きてきた。貴族たちが何を求め、何を許さないか、よくわかっている」
リディアは唇を噛んだ。確かに父の言うことは正しいかもしれない。だが、このまま同じことを繰り返すだけの人生に、意味があるのだろうか。
「一度だけ、機会をください」
リディアは頭を下げた。
「若手の楽師たちと、小さな演奏会を開かせてください。もし貴族方に受け入れられなければ、二度とこの話はしません」
ハインリヒは深いため息をついた。そして、娘の決意に満ちた目を見て、観念したように頷いた。
「わかった。だが、宮廷の公式な場ではない。小さな集まりで、だ」
「ありがとうございます、父様」
リディアの顔に、久しぶりに本当の笑顔が浮かんだ。
翌日から、リディアは若手の楽師たちを集めて、密かに練習を始めた。
ヴィオラを受け持つリディアの他に、フルート奏者のマルティン、リュート奏者のアンナ、そしてチェロ奏者のペーターの四人だ。
「リディア、本当にこんなことをして大丈夫なのか」
マルティンが不安そうに尋ねた。彼は二十三歳の真面目な青年で、リディアの幼馴染でもあった。
「大丈夫よ。きっと、新しい音楽の扉が開くわ」
「でも、古参の楽師たちは反対するだろう」
「だから、まず小さく始めるの。成功してから、正式に提案すればいい」
アンナが心配そうに言った。
「私たち、上手くやれるかしら。こんな複雑な演奏、今までやったことないもの」
「できるわ。みんなには才能がある。それを信じて」
リディアは楽譜を広げた。昨夜、徹夜で書き上げた曲だ。
「これが私たちの最初の曲。『秋の対話』と名付けたわ」
四人は楽譜を覗き込んだ。そこには、今まで見たことのない複雑な音符の羅列があった。
「すごい……これ、全部リディアが書いたのか」
ペーターが驚きの声を上げた。
「ええ。さあ、始めましょう」
最初の練習は、散々だった。各自が違う旋律を奏でるため、タイミングがずれ、不協和音が響く。何度も何度も止まり、やり直した。
「もう一度」
「もう一度」
リディアは決して諦めなかった。一小節ずつ、丁寧に合わせていく。
一週間が過ぎた頃、ようやく形が見えてきた。フルートの軽やかな問いかけに、ヴィオラが応える。リュートが新しい旋律を加え、チェロが深い響きで全体を支える。
「これだ……」
マルティンが息を呑んだ。
「これが、リディアの言っていた音楽か」
「素晴らしいわ……まるで、音楽が会話しているみたい」
アンナの目が輝いた。
「もっと練習しよう。完璧にしたい」
ペーターの声にも熱がこもっていた。
二週間後、ようやくリディアたちは曲を完成させた。そして、偶然が味方した。
王太子妃エリザベータが、宮廷の庭園を散策していた時、偶然にも練習室の窓から漏れる音楽を耳にしたのだ。
「あら……この音楽は」
エリザベータは足を止めた。三十歳前後の優雅な女性で、芸術を愛することで知られていた。彼女はリディアの演奏を特に気に入っており、時折声をかけることもあった。
「今までに聞いたことのない響きですわ」
侍女に命じて、練習室の扉を開けさせた。
演奏していた四人は、突然の来訪者に驚いて立ち上がった。
「王太子妃殿下」
全員が深く頭を下げる。
「続けて。最後まで聞かせていただきたいの」
エリザベータは優雅に椅子に座った。
リディアたちは顔を見合わせた。そして、意を決して演奏を再開した。
『秋の対話』が練習室に響く。フルートの軽やかさ、ヴィオラの優しさ、リュートの華やかさ、チェロの深さ。すべてが絡み合い、一つの物語を紡いでいく。
曲が終わると、しばらく沈黙が続いた。
エリザベータはゆっくりと立ち上がった。
「素晴らしい……」
彼女の目には涙が浮かんでいた。
「こんな音楽、初めて聴きましたわ。まるで、心が対話しているようだった」
「王太子妃殿下……」
リディアは驚きと喜びで声が震えた。
「この曲を作ったのは誰」
「私です。リディア・フォン・ハルモニアと申します」
「リディア……ええ、覚えていますわ。いつも美しい音色を聴かせてくれる娘ね」
エリザベータはリディアに近づいた。
「この音楽を、もっと多くの人に聴かせたい。次の晩餐会で演奏してくださる」
「えっ……本当ですか」
「ええ。これは命令よ。素晴らしい芸術は、広く共有されるべきですもの」
王太子妃は満足そうに微笑むと、優雅に部屋を出て行った。
扉が閉まった瞬間、四人は歓声を上げた。
「やった……やったわ」
アンナが飛び跳ねる。
「王太子妃殿下が認めてくださった」
マルティンも興奮を隠せない。
「リディア、お前はすごいよ」
ペーターが肩を叩いた。
リディアは目に涙を浮かべていた。でも、それは悲しみの涙ではなく、喜びの涙だった。
一週間前、エドゥアルトに捨てられた時、自分には音楽しかないと思った。でも今、その音楽が認められた。
「みんな、ありがとう」
リディアは三人の手を握った。
「これは始まりよ。私たちの音楽を、もっと多くの人に届けましょう」
その夜、城下町の酒場では、近衛騎士たちが酒を酌み交わしていた。
エドゥアルトもその中にいた。婚約者のアデーレとの話題で盛り上がる仲間たちの輪の中で、彼は苦笑いを浮かべていた。
「エドゥアルト、お前は幸せ者だな。あんな美人で、しかも持参金もたっぷりだ」
「ああ、まあな」
表面上は喜んでいるように見せていたが、心の中は複雑だった。アデーレは確かに美しい。だが、彼女と会うたびに感じる疲労感は何なのだろう。
「それで、元の婚約者はどうした。音楽家の娘だったろう」
仲間の一人が尋ねた。
「ああ……別れたよ。あれは本当の婚約じゃなかったし」
「そうか。まあ、平民との結婚なんて、騎士には相応しくないからな」
エドゥアルトは曖昧に頷いた。だが、リディアの最後の言葉が、まだ耳に残っていた。
『エドゥアルト様の幸せを、心からお祈りしています』
あの冷静な声。あの静かな眼差し。なぜか、胸が痛んだ。
「おい、エドゥアルト、どうした」
「いや、何でもない」
彼は無理に笑顔を作り、杯を空けた。
きっと、これでよかったのだ。そう自分に言い聞かせながら——。
宮廷の音楽練習室は、石造りの天井が高く、音響に優れた空間だった。朝の光が大きな窓から差し込み、床に置かれた楽譜を照らしている。
「では、もう一度最初から」
ハインリヒが指揮棒を構える。楽師たちが楽器を構え直した。
始まったのは、いつもの宮廷舞踏曲だ。単調なリズム、決まりきった旋律。三十年前も、今も、おそらく十年後も変わらない音楽。
リディアは機械的に弓を動かしながら、ふと疑問が湧いた。
これでいいのだろうか。音楽とは、こんなにも変化のないものなのだろうか。
曲が終わると、リディアは楽器を置いて立ち上がった。
「父様」
「どうした、リディア」
「少し、お話があります」
練習室の隅にある小さな部屋で、父と二人きりになった。ハインリヒは娘の真剣な表情に、少し緊張した面持ちで椅子に座った。
「何か悩み事か」
「いえ、提案です」
リディアは深呼吸をして、言葉を選んだ。
「私たちの演奏する音楽は、いつも同じです。何十年も前から変わらない、決まりきった舞踏曲ばかり」
「それが宮廷の伝統だ。我々楽師は、貴族方が踊るための音楽を提供する。それが役目だろう」
「でも、音楽にはもっと可能性があるはずです」
リディアの目が輝いた。
「複数の楽器が、それぞれ違う旋律を奏でながら調和する。まるで会話をするように、問いかけ、応え合う。そんな音楽を作りたいんです」
「それは……合奏曲、ということか」
ハインリヒは困惑した表情を浮かべた。
「今でも我々は合奏をしている」
「いえ、違います。今の演奏は、主旋律があって、他の楽器はただそれを支えているだけ。私が言っているのは、すべての楽器に役割がある音楽です」
リディアは立ち上がり、身振り手振りを交えて説明した。
「例えば、ヴィオラが主題を提示して、フルートがそれに応える。そこにリュートが新しい旋律を重ね、すべてが絡み合いながら一つの大きな流れを作る。そんな音楽を」
父は長い沈黙の後、ゆっくりと首を横に振った。
「リディア、お前の情熱は理解する。だが、それは宮廷が求める音楽ではない」
「やってみないと、わからないじゃないですか」
「伝統を壊すことは、我々の立場を危うくする。平民の音楽家である我々は、ただでさえ不安定な立場なんだ」
「でも——」
「リディア」
父の声は厳しかった。
「お前は若い。だから可能性を信じられる。だが、私は長年この世界で生きてきた。貴族たちが何を求め、何を許さないか、よくわかっている」
リディアは唇を噛んだ。確かに父の言うことは正しいかもしれない。だが、このまま同じことを繰り返すだけの人生に、意味があるのだろうか。
「一度だけ、機会をください」
リディアは頭を下げた。
「若手の楽師たちと、小さな演奏会を開かせてください。もし貴族方に受け入れられなければ、二度とこの話はしません」
ハインリヒは深いため息をついた。そして、娘の決意に満ちた目を見て、観念したように頷いた。
「わかった。だが、宮廷の公式な場ではない。小さな集まりで、だ」
「ありがとうございます、父様」
リディアの顔に、久しぶりに本当の笑顔が浮かんだ。
翌日から、リディアは若手の楽師たちを集めて、密かに練習を始めた。
ヴィオラを受け持つリディアの他に、フルート奏者のマルティン、リュート奏者のアンナ、そしてチェロ奏者のペーターの四人だ。
「リディア、本当にこんなことをして大丈夫なのか」
マルティンが不安そうに尋ねた。彼は二十三歳の真面目な青年で、リディアの幼馴染でもあった。
「大丈夫よ。きっと、新しい音楽の扉が開くわ」
「でも、古参の楽師たちは反対するだろう」
「だから、まず小さく始めるの。成功してから、正式に提案すればいい」
アンナが心配そうに言った。
「私たち、上手くやれるかしら。こんな複雑な演奏、今までやったことないもの」
「できるわ。みんなには才能がある。それを信じて」
リディアは楽譜を広げた。昨夜、徹夜で書き上げた曲だ。
「これが私たちの最初の曲。『秋の対話』と名付けたわ」
四人は楽譜を覗き込んだ。そこには、今まで見たことのない複雑な音符の羅列があった。
「すごい……これ、全部リディアが書いたのか」
ペーターが驚きの声を上げた。
「ええ。さあ、始めましょう」
最初の練習は、散々だった。各自が違う旋律を奏でるため、タイミングがずれ、不協和音が響く。何度も何度も止まり、やり直した。
「もう一度」
「もう一度」
リディアは決して諦めなかった。一小節ずつ、丁寧に合わせていく。
一週間が過ぎた頃、ようやく形が見えてきた。フルートの軽やかな問いかけに、ヴィオラが応える。リュートが新しい旋律を加え、チェロが深い響きで全体を支える。
「これだ……」
マルティンが息を呑んだ。
「これが、リディアの言っていた音楽か」
「素晴らしいわ……まるで、音楽が会話しているみたい」
アンナの目が輝いた。
「もっと練習しよう。完璧にしたい」
ペーターの声にも熱がこもっていた。
二週間後、ようやくリディアたちは曲を完成させた。そして、偶然が味方した。
王太子妃エリザベータが、宮廷の庭園を散策していた時、偶然にも練習室の窓から漏れる音楽を耳にしたのだ。
「あら……この音楽は」
エリザベータは足を止めた。三十歳前後の優雅な女性で、芸術を愛することで知られていた。彼女はリディアの演奏を特に気に入っており、時折声をかけることもあった。
「今までに聞いたことのない響きですわ」
侍女に命じて、練習室の扉を開けさせた。
演奏していた四人は、突然の来訪者に驚いて立ち上がった。
「王太子妃殿下」
全員が深く頭を下げる。
「続けて。最後まで聞かせていただきたいの」
エリザベータは優雅に椅子に座った。
リディアたちは顔を見合わせた。そして、意を決して演奏を再開した。
『秋の対話』が練習室に響く。フルートの軽やかさ、ヴィオラの優しさ、リュートの華やかさ、チェロの深さ。すべてが絡み合い、一つの物語を紡いでいく。
曲が終わると、しばらく沈黙が続いた。
エリザベータはゆっくりと立ち上がった。
「素晴らしい……」
彼女の目には涙が浮かんでいた。
「こんな音楽、初めて聴きましたわ。まるで、心が対話しているようだった」
「王太子妃殿下……」
リディアは驚きと喜びで声が震えた。
「この曲を作ったのは誰」
「私です。リディア・フォン・ハルモニアと申します」
「リディア……ええ、覚えていますわ。いつも美しい音色を聴かせてくれる娘ね」
エリザベータはリディアに近づいた。
「この音楽を、もっと多くの人に聴かせたい。次の晩餐会で演奏してくださる」
「えっ……本当ですか」
「ええ。これは命令よ。素晴らしい芸術は、広く共有されるべきですもの」
王太子妃は満足そうに微笑むと、優雅に部屋を出て行った。
扉が閉まった瞬間、四人は歓声を上げた。
「やった……やったわ」
アンナが飛び跳ねる。
「王太子妃殿下が認めてくださった」
マルティンも興奮を隠せない。
「リディア、お前はすごいよ」
ペーターが肩を叩いた。
リディアは目に涙を浮かべていた。でも、それは悲しみの涙ではなく、喜びの涙だった。
一週間前、エドゥアルトに捨てられた時、自分には音楽しかないと思った。でも今、その音楽が認められた。
「みんな、ありがとう」
リディアは三人の手を握った。
「これは始まりよ。私たちの音楽を、もっと多くの人に届けましょう」
その夜、城下町の酒場では、近衛騎士たちが酒を酌み交わしていた。
エドゥアルトもその中にいた。婚約者のアデーレとの話題で盛り上がる仲間たちの輪の中で、彼は苦笑いを浮かべていた。
「エドゥアルト、お前は幸せ者だな。あんな美人で、しかも持参金もたっぷりだ」
「ああ、まあな」
表面上は喜んでいるように見せていたが、心の中は複雑だった。アデーレは確かに美しい。だが、彼女と会うたびに感じる疲労感は何なのだろう。
「それで、元の婚約者はどうした。音楽家の娘だったろう」
仲間の一人が尋ねた。
「ああ……別れたよ。あれは本当の婚約じゃなかったし」
「そうか。まあ、平民との結婚なんて、騎士には相応しくないからな」
エドゥアルトは曖昧に頷いた。だが、リディアの最後の言葉が、まだ耳に残っていた。
『エドゥアルト様の幸せを、心からお祈りしています』
あの冷静な声。あの静かな眼差し。なぜか、胸が痛んだ。
「おい、エドゥアルト、どうした」
「いや、何でもない」
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きっと、これでよかったのだ。そう自分に言い聞かせながら——。
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