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第一章
プロローグ②
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昨夜の記憶を呼び起こす。昨日は、仕事を有給を取って休んだ。
一年前、両親が事故に遭いこの世からいなくなった。本当に突然の事に受け入れられずこの一年を過ごしてきた。
真琴は一人っ子で、両親の祖父母も亡くなっており親戚とも疎遠だったため、突然ひとりになったのだ。頼る人もいない孤独な生活だが、自分を奮い立たせ頑張ってきた。
少しずつ現実を受け入れ、やっと一周忌を迎えたのだ。
一周忌の法要をお寺でしてもらい、お墓の前で両親と長い間話をした。
そして、そのまま帰る気にはならず、たまたま見つけたバーに入ったのは覚えている。
翌日は土曜で、仕事は休みだと気が緩んでいた気はする。カウンターの端の席でひとり静かに飲んでいたのも覚えている。
両親が亡くなって一周忌を迎えホッとした。そして一年経って初めて涙が出た。現実を受け入れられず、この日まで泣かずにきたのだ。
薄暗い落ち着いたバーのカウンターの片隅。ひとりで静かに涙を流し続けたが誰にも気づかれなかった。はず――
大好きな両親とのたくさんの思い出に浸り、ついつい飲み過ぎてしまった。
いつからか、隣に男性が座った気がする。
けれど、金曜の夜の店内は賑わっていた。特に隣の席に座った人に意識を向ける事もなく、ただひたすら哀しみを紛らわすために、いつもより飲んだ自覚はある。
よく考えたら、他にもカウンターの席は空いていた気がする。
じゃあ、あの時隣に座った男性が一夜の相手?
横顔だがどこかで見た事のある人だったような……。ただ、既に飲み過ぎていた。顔よりもオーラを感じた気がする……。
何もかもが曖昧で確証はない。
そして今、広いホテルの部屋には、人の気配はない。
近くにあったバスローブを羽織り、寝室を出て更に驚く。
間違いなくスイートルームだろう。スイートルームに入る事自体が初めてだが、そんな真琴でもこのホテルは最上級だとわかる豪華さだ。
今度は、冷や汗が出る。自分が支払える額の部屋なのだろうか。
リビングのソファーには、クリーニングから返ってきた、真琴が昨日着ていた服が置いてある。
そして、テーブルにはメモが……。
『海外出張から戻ったら迎えに行く 仁』
連絡先は何もない。
「……。仁って誰?迎えに来るって私の知ってる人!?」
真琴には、仁と聞いて思い当たる人物はいない……。
正確にはひとり居るのだが、全く縁がなく人物で向こうが真琴の事を知っているはずがないと思い出しもしなかった。だが真琴が冷静だったなら、豪華なスイートルームとどこかで見たことのある横顔で結びついたかも知れない。が、何せ記憶のない情事に気が焦っている状況だ。
着替えを済ませ、メモの横に置かれていたカードキーを持ち部屋を出て、ドキドキしながらフロントに返したが、すでに支払は済まされていた。
ホッとしたが、相手がわからない不安だけが残る――
一年前、両親が事故に遭いこの世からいなくなった。本当に突然の事に受け入れられずこの一年を過ごしてきた。
真琴は一人っ子で、両親の祖父母も亡くなっており親戚とも疎遠だったため、突然ひとりになったのだ。頼る人もいない孤独な生活だが、自分を奮い立たせ頑張ってきた。
少しずつ現実を受け入れ、やっと一周忌を迎えたのだ。
一周忌の法要をお寺でしてもらい、お墓の前で両親と長い間話をした。
そして、そのまま帰る気にはならず、たまたま見つけたバーに入ったのは覚えている。
翌日は土曜で、仕事は休みだと気が緩んでいた気はする。カウンターの端の席でひとり静かに飲んでいたのも覚えている。
両親が亡くなって一周忌を迎えホッとした。そして一年経って初めて涙が出た。現実を受け入れられず、この日まで泣かずにきたのだ。
薄暗い落ち着いたバーのカウンターの片隅。ひとりで静かに涙を流し続けたが誰にも気づかれなかった。はず――
大好きな両親とのたくさんの思い出に浸り、ついつい飲み過ぎてしまった。
いつからか、隣に男性が座った気がする。
けれど、金曜の夜の店内は賑わっていた。特に隣の席に座った人に意識を向ける事もなく、ただひたすら哀しみを紛らわすために、いつもより飲んだ自覚はある。
よく考えたら、他にもカウンターの席は空いていた気がする。
じゃあ、あの時隣に座った男性が一夜の相手?
横顔だがどこかで見た事のある人だったような……。ただ、既に飲み過ぎていた。顔よりもオーラを感じた気がする……。
何もかもが曖昧で確証はない。
そして今、広いホテルの部屋には、人の気配はない。
近くにあったバスローブを羽織り、寝室を出て更に驚く。
間違いなくスイートルームだろう。スイートルームに入る事自体が初めてだが、そんな真琴でもこのホテルは最上級だとわかる豪華さだ。
今度は、冷や汗が出る。自分が支払える額の部屋なのだろうか。
リビングのソファーには、クリーニングから返ってきた、真琴が昨日着ていた服が置いてある。
そして、テーブルにはメモが……。
『海外出張から戻ったら迎えに行く 仁』
連絡先は何もない。
「……。仁って誰?迎えに来るって私の知ってる人!?」
真琴には、仁と聞いて思い当たる人物はいない……。
正確にはひとり居るのだが、全く縁がなく人物で向こうが真琴の事を知っているはずがないと思い出しもしなかった。だが真琴が冷静だったなら、豪華なスイートルームとどこかで見たことのある横顔で結びついたかも知れない。が、何せ記憶のない情事に気が焦っている状況だ。
着替えを済ませ、メモの横に置かれていたカードキーを持ち部屋を出て、ドキドキしながらフロントに返したが、すでに支払は済まされていた。
ホッとしたが、相手がわからない不安だけが残る――
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