13 / 62
第四章
平穏の裏③
しおりを挟む
片付けを続ける真琴と話をしている社員のいる会議室に、なぜか社長が戻ってきた。
『コンコン』開け放たれた会議室の扉をわざとノックする。
「しゃ、社長!どうかされましたか?」慌てだす女子社員。
「探しものをしていてね。ここかと思って」
「社長、社長のお席は片付けましたが、特になにもありませんでした」
「そうか……。月野さん、私も手伝うよ」
社長が腕まくりを始めた。
それを見て慌てるのは、話を聞いてるだけで手伝いもしていなかった女子社員だ。
「社長。私達が!」
「無理しなくていい。今まで、手伝ってなかったって事は何か用事があるんだろう?」
「……」
社長にサラッと嫌味を言われ黙り込んでしまう。
「社長、話も終わりましたし、僕達がしますので」
「みんなでしたらすぐに終わるだろう?」
社長が率先して動き出した。
もうみんな何も言えない……。
黙々と片付ける――
あっという間に終わった片付け。
「終わったな。ご苦労さま。月野さん、この後のスケジュールの事で聞きたいんだがいいかな?」
「はい」
社長の後に続く。
真琴にはわかっていた。社長に忘れ物などない事も、この後のスケジュールの確認も口実な事を――
今までも、何度も社長がさり気なく助けてくれた。しかも、今のように後で直接真琴が文句を言われないようにしてくれる。
本当によく見ていてくれる。
仕事も出来てダンディな素晴らしい理想の上司。何より家族を大事にする愛妻家。
真琴が両親を亡くして辛くても仕事を頑張ろうと思えたのも、社長のおかげなのだ。
真琴は知らないが、今の社長が城之内不動産の社長に就任したのも、真琴の事を何かと気にかけてくれるのも、社長自身の人柄もあるが裏にはある人の存在が――
『コンコン』開け放たれた会議室の扉をわざとノックする。
「しゃ、社長!どうかされましたか?」慌てだす女子社員。
「探しものをしていてね。ここかと思って」
「社長、社長のお席は片付けましたが、特になにもありませんでした」
「そうか……。月野さん、私も手伝うよ」
社長が腕まくりを始めた。
それを見て慌てるのは、話を聞いてるだけで手伝いもしていなかった女子社員だ。
「社長。私達が!」
「無理しなくていい。今まで、手伝ってなかったって事は何か用事があるんだろう?」
「……」
社長にサラッと嫌味を言われ黙り込んでしまう。
「社長、話も終わりましたし、僕達がしますので」
「みんなでしたらすぐに終わるだろう?」
社長が率先して動き出した。
もうみんな何も言えない……。
黙々と片付ける――
あっという間に終わった片付け。
「終わったな。ご苦労さま。月野さん、この後のスケジュールの事で聞きたいんだがいいかな?」
「はい」
社長の後に続く。
真琴にはわかっていた。社長に忘れ物などない事も、この後のスケジュールの確認も口実な事を――
今までも、何度も社長がさり気なく助けてくれた。しかも、今のように後で直接真琴が文句を言われないようにしてくれる。
本当によく見ていてくれる。
仕事も出来てダンディな素晴らしい理想の上司。何より家族を大事にする愛妻家。
真琴が両親を亡くして辛くても仕事を頑張ろうと思えたのも、社長のおかげなのだ。
真琴は知らないが、今の社長が城之内不動産の社長に就任したのも、真琴の事を何かと気にかけてくれるのも、社長自身の人柄もあるが裏にはある人の存在が――
34
あなたにおすすめの小説
腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。
ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。
そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。
彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。
「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。
妖狐の嫁入り
山田あとり
恋愛
「――おまえを祓うなどできない。あきらめて、俺と生きてくれ」
稲荷神社の娘・遥香(はるか)は、妖狐の血をひくために狐憑きとさげすまれ、ひっそり生きてきた。
ある日、村八分となっている遥香を探して来たのは怨霊や魔物を祓う軍人・彰良(あきら)。
彼は陰陽師の名門・芳川家の男だった。
帝国陸軍で共に任務にあたることになった二人だったが、実は彰良にもある秘密が――。
自己評価は低いが芯に強さを秘める女が、理解者を得て才能を開花させる!
&
苦しみを抱え屈折した男が、真っ直ぐな優しさに触れ愛を知る!
明治中期風の横浜と帝都を駆ける、あやかし異能ロマンス譚です。
可愛い妖怪・豆腐小僧も戦うよ!
※この作品は、カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
謎多きお見合い相手は、秘めた愛を彼女に注ぐ
玖羽 望月
恋愛
老舗医療機器メーカーのマーケティング・企画部で働く石田琴葉【いしだことは】(28)は、仕事一筋で生きてきた。
学生時代に恋愛で痛手を負った琴葉は、それから勉強と仕事を最優先に生きてきた。
ある日琴葉は、祖母にお見合いを勧められ、「会うだけなら」と渋々お見合いに臨んだ。
そこに現れたのは眉目秀麗という言葉が似合う榛名智臣【はるなともおみ】(33)だった。
智臣は琴葉の仕事や業界に精通していて、思いの外話しは弾む。ただ自身のことは多くを語らず、会話の端々に謎を残してお見合いは終わった。
その後何も連絡はなく、気になりながらも目の前の仕事に全力を尽くす琴葉。
やがて迎えた、上層部の集う重要会議。
緊張感の中、突如発表されたのはマーケティング・企画部長の異動と、新たな部長の着任だった。
そこに現れた新部長は――
※こちらのサイトのみ投稿中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる