御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜

せいとも

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第七章

偶然の再会 SIDE 仁④

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「えっ、花田さん……」

「専務、今、社長の事を田沼くんに聞き驚きました。ご愁傷様です」

 巨大な会社のトップの急死。まだ、世間には発表されていない。春樹が花田社長ならと判断し伝えたのだろう。

 花田さんも状況を理解しているはず――

「ご丁寧にありがとうございます。急な事で……」

「何かお手伝いできる事があれば、いつでもお声掛け下さい」

「ああ、ありがとうございます。ところで、花田さんはどうしてこちらへ?」

「はい……。それが」チラッと遠くに座る彼女を見る。

「彼女に何があったんです」

「今日の午前中に、警察より彼女のスマホに連絡が入りまして。月野さんのご両親が事故に……」花田の言葉からよくない状況がわかる。

「で?」

「はい。病院に向かった月野さんから連絡が入りまして、ご両親共に即死だったと……」

「「そんなっ!」」

 思わず俺も春樹も声が出る。

「月野さんは兄弟もおらず、親戚も付き合いがないと聞いたので、力になれることはないかと……」
「花田さん、彼女を頼みます。俺が助けたい所だが、こちらもまだまだする事があって……」
「もちろんです。城之内グループ全体の一大事です。まさか、同じ日に不幸が重なるなんて…」
「そうですね。彼女の場合はご両親揃って、不慮の事故……。居たたまれない」
「また、何かあれば報告します。とにかく月野さんに声を掛けてきます」

 花田さんが彼女の元に行った。

 少し離れているが、静かな病院の廊下だ。あちらの会話が聞こえて来た。

「月野さん」
「あっ、社長」
「遅くなってすまない。大変だったね」
「そんな。態々来ていただきすみません」
「月野さん、私は少しでも助けになればと思って来たんだ。辛い時はお互い様だよ。役職なんて関係ない。知り合いが助けに来てくれてるくらいの思いで頼ってくれ。そんなに無理しなくても泣いてもいいんだよ」
「はい。ありがとうございます。でも、まだ現実と思えなくて……。泣いたら両親の死を受け入れた事になりそうで、泣けないんじゃなく、泣きたくないんだと思います」

 聞いていた俺まで切なくなった。

 突然の親父の死に直面した俺だからこそ、彼女の気持ちが痛いほどわかる。

 社長のいなくなった巨大な会社。

 俺にのしかかる沢山の人の生活。いや人生――。

 受け入れたくない気持ちと、待ってくれない現実。

 でも、このタイミングで彼女に会えたからこそ、不思議と覚悟が出来た気がする。彼女の人生を俺が背負いたい。背負うために先ずは全てを片付けなければ。

 俺にとってやはり彼女は運命の女性に違いない。

 俺の一大事。城之内の一大事。彼女の一大事。

 一夜で訪れた俺達の最大の困難は、明るい未来に続いていると信じて俺は突き進む。

「春樹」
「はい」
「俺は全てを手に入れる」
「はい」
「お前も覚悟してついて来いよ」
「はい。俺は、仁と知り合った幼稚園から覚悟出来てる」

 幼馴染であり、親友であり、秘書としての絆を改めて確認した夜でもあった。

 
 
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