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第七章
偶然の再会 SIDE 仁⑤
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病院で彼女に会った一年後――
花田社長から、彼女が両親の一周忌に休みを取った事を聞いた。
俺もひっそりと家族だけで一周忌の法要をしたのだが、やはり彼女は運命の相手だったのだろう。
法要が終わりお袋と杏と別れ、ドバイに戻る前に親父の墓に寄った。本当に気まぐれだった。
親父の墓に手を合わせ帰ろうと歩いていると、女性の声が聞こえたのだ。声の方を見ると何と彼女がいるではないか。
両親のお墓なのだろう。一年前に病院で見た今にも消えそうな儚い姿に重なる。
俺は、離れた所で見守る事にした。
30分くらい経った頃だろうか――
「お父さん、お母さん、私頑張るね。見守っててね」と声が聞こえた。
病院で聞いた儚い声ではなく、人助けをしていた彼女の声に近い気がして、なぜか俺まで心が温かくなるような感じがした。
彼女が気になり、寺から出て歩くあとを追ってしまう。まるでストーカーだなと、自分で自分の行動に笑ってしまう。
俺から見たらまだまだ儚く見える彼女が、一軒の店に入っていく。
直ぐに俺も入ろうと思ったが、スマホが鳴った。
「仁、今大丈夫か?」
「ああ」
「無事終わったか?」
「ああ。お袋達とは別れたよ」
「迎えに行くよ。朝一戻るからな」
「春樹、迎えに来なくていい。明日空港に直接向かうから」
言い捨てこれ以上あれこれ聞かれないように、電源から落とした。
もちろん、後で春樹に怒られたが俺はそれどころではないのだ。
彼女が入ってから少し時間が経ってしまったが、急いで店に入った。
外の人通りの少なさと反して、店は賑わっていた。俺は、入って中を見回す。
「いらっしゃいませ」と落ち着いた男性店員が声を掛けてくれたが、店内に入った瞬間から女性客の視線があちこちから突き刺さる。
「お一人様ですか?」
「あっ、いえ。知り合いが……。あっ、カウンターの端に座っているので、横の席いいですか?」
「はい。どうぞ」
案内を断り、間隔の空くカウンター席の、彼女の隣に腰を掛けた。
花田社長から、彼女が両親の一周忌に休みを取った事を聞いた。
俺もひっそりと家族だけで一周忌の法要をしたのだが、やはり彼女は運命の相手だったのだろう。
法要が終わりお袋と杏と別れ、ドバイに戻る前に親父の墓に寄った。本当に気まぐれだった。
親父の墓に手を合わせ帰ろうと歩いていると、女性の声が聞こえたのだ。声の方を見ると何と彼女がいるではないか。
両親のお墓なのだろう。一年前に病院で見た今にも消えそうな儚い姿に重なる。
俺は、離れた所で見守る事にした。
30分くらい経った頃だろうか――
「お父さん、お母さん、私頑張るね。見守っててね」と声が聞こえた。
病院で聞いた儚い声ではなく、人助けをしていた彼女の声に近い気がして、なぜか俺まで心が温かくなるような感じがした。
彼女が気になり、寺から出て歩くあとを追ってしまう。まるでストーカーだなと、自分で自分の行動に笑ってしまう。
俺から見たらまだまだ儚く見える彼女が、一軒の店に入っていく。
直ぐに俺も入ろうと思ったが、スマホが鳴った。
「仁、今大丈夫か?」
「ああ」
「無事終わったか?」
「ああ。お袋達とは別れたよ」
「迎えに行くよ。朝一戻るからな」
「春樹、迎えに来なくていい。明日空港に直接向かうから」
言い捨てこれ以上あれこれ聞かれないように、電源から落とした。
もちろん、後で春樹に怒られたが俺はそれどころではないのだ。
彼女が入ってから少し時間が経ってしまったが、急いで店に入った。
外の人通りの少なさと反して、店は賑わっていた。俺は、入って中を見回す。
「いらっしゃいませ」と落ち着いた男性店員が声を掛けてくれたが、店内に入った瞬間から女性客の視線があちこちから突き刺さる。
「お一人様ですか?」
「あっ、いえ。知り合いが……。あっ、カウンターの端に座っているので、横の席いいですか?」
「はい。どうぞ」
案内を断り、間隔の空くカウンター席の、彼女の隣に腰を掛けた。
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