【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

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第一章 原作前

第54話 肉祭り

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 飛行スキルを覚えて一ヶ月がたった。

 あっと言う間だったな。

 残念なことにファラもカイラも聖魔法は覚えることができなかったけど才能だし、仕方がないよな。

 でも成果は中々どころか上出来。満点と言っても間違いじゃないと思う。

 まずはクリーク辺境伯領だけじゃなく、カサブランカ王国とグリフィン王国にあったアザゼル派の教会は浄化を終わらせたこと。

 何百というアザゼル派の教会の浄化をだ。

 もちろん俺たちだけの成果ではないんだけどね。

 俺たちが巡回を始めて、クリーク辺境伯領中の熱病発症者が激減したことを記載して、カサブランカの王様へ報告を上げたのだ。

 まあ、ファラのグリフィン王国はその前から動き始めていたんだけどね。

 父さんから報告を受けた王様の考えは俺の一歩も二歩も先をいっていたし、動きも早かった。すぐさま作戦を立て始動してしまったほどだ。

 学生時代、父さんと王様が同級生だったことにも驚いたけど、素早く決断したのはそのお陰かもしれない。

 王様が目を付けたのは聖魔法使いだ。当然のことながら聖魔法使いは教国とアザゼル派にしかいない訳じゃないってところにだ。

 そう、国でかかえてる聖魔法使いはもちろん、在野のものに加え、教会でもラファエル派や少数派のものたちもいる。

 その聖魔法使いの人たちを、個々に、それも民の混乱を避けるため、内密に浄化の依頼を出したのだ。

 アザゼル派の聖魔法使い以外に。

 そんなことをしたらアザゼル派にバレて再び呪いをかけるんじゃないかと思っていたんだけど違った。

 アザゼル派はアザゼル派で浄化を始めたのだ。

 考えたらそうだよね。自分のところが狙い打ちされているとわかったのに、浄化の流れに乗らず、呪いを増やしていたら、それはもう自分達がやりましたって言ってるようなものだ。

 するとその流れはカサブランカとグリフィンだけにとどまらなかった。

 激流のごとく一気に大陸全土に浄化作戦が広まって、アザゼル派が起こしていた熱病騒動は終息してしまったのだ。

 もちろん浄化ポーションもクリーク家を中心に大量生産をして、大陸の各国に輸出。

 格安浄化ポーションで患者の完治にも貢献したことは言うまでもない。

 アザゼル派が儲けようとしていた浄化ポーションも、うちが格安で売ってしまったから、値段を合わせて安く売るしかなくなった。

当初の予定していた売り上げは見るも無惨な結果になっただろう。

 それで今回の後始末のため、ファラとカイラがグリフィンに戻っている間、冒険者の仕事をしながら修行をすることにした俺たち。


 リズとイスを引きつれて魔の森の採取と魔物の間引き依頼を請けてやって来た。

 いい天気だったのでお弁当を持って。それもリズの手作りだから、凄くお昼が楽しみにしていたのに! 
それなのに――

「ドライ! なにをぼやっとしてますの! スタンピード中ですわよ!」

 そう、魔の森があふれているのだ。それもオークまみれだ。

『オークのお肉は美味しいからね~、あっ、レアなジェネラルも出てきたわよ! アレもすっごく美味しいから逃がしちゃ駄目よ!』

 ここ一ヶ月のことを思い返しながらもウインドアローを放ち続ける。

「いや、ちょっと色々あったし、お昼ごはんのお弁当が楽しみだなって」

「も、もうドライったら……なら許しますからさっさと片付けてしまいますわよ! お弁当はその後ですわ!」

『私も楽しみー。お肉も焼こうよー』

「当然イス様の分もありますわ! だから一気にやっつけてしまいますわよ!」

「『おう!』」

「よし! 気合入れてやっちゃうか!」

 こっちクリークの街に向かってくるオークたちってさ……凄く弱く感じるんだけど……。

 新しいスキル、『魔力操作』で省エネ版ウインドアローを撃っている。ウインドニードルって言っても差し支えないくらい小さく細くしたものでバタバタ倒れていくし。

 それに倒し続けている内にどんどんレベルも上がっていってるのがわかる。

 すでにレベルは100を余裕で超えてるから強くなったもんだよな。

 それに美味しいとされるオーク肉。当然倒したオークはすべてストレージに収納済みだ。何匹いるんだよこれ……。

 ここ三十分ほどウインドアローを放ち続けているけど数は数えてない。途中であきらめた。

 最初はゴブリンから始まり、コボルドに変わり、そして今オークだぞ? 数えてられないよな。

 そこへ薬草採取していたものたちが逃げ帰って救援を呼んでくれたのか、地響きを聞きつけたのかわからないけど、冒険者たちと、クリーク家の兵士たちも駆け付けて参加している。

 その人たちには俺とリズ、イスが放つウインドアローの弾幕から逃れたはぐれものを狩ってもらっている。

 はっきり言って余裕だ。この一ヶ月、楽しすぎて魔力消費の激しい飛行スキルを使いまくっていたら俺たちの魔力はとんでもないことになっている。

 使えば使うほどMPが増えるってことも途中で気がついたしな。

 浄化の旅に出る前は36しかなかったMPだけど、今ステータスで確認したら――

 俺
 MP 9737/9737
 リズ
 MP 16229/16229

 俺もリズもめちゃくちゃ増えていいるしレベルもぐんぐん上がりまくってる。

 ここにいないファラとカイラにも経験値を均等に分配しているから驚いてるはずだ。

 それに加え、浄化の旅でスキルの『超魔力回復』『消費魔力減少』を覚えたことによって、MPが減ってもすぐに回復して撃った直後は減るけどすぐに満タンに戻っている。

 というか……スタンピードの原因ってなんだろうな? なにか強い魔物に追いかけられてるとか?

『お肉祭りは終わりが近そうよ。ほら』

 そう言われて目を凝らすと、魔の森から出てくるオークが減り始めていた。

『あきらめたみたいね』

『え? あきらめたってなにが?』

『気づかなかったの? 奥に人がいたでしよ? 私はお肉をくれる人だから気にしてなかったけどねー、よーし、血抜きは頑張るから肉料理お願いね』

『『ええええええ!』』
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