【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@

文字の大きさ
99 / 139
第二章 原作開始

第94話 指名依頼の受注

しおりを挟む
「パーティー超越者の指名依頼、ですか。少々お待ちください」

 冒険者ギルドの受け付けのお姉さんが依頼書の束を取り出し目当ての依頼書を探している間、昨日のことを考える。

 建国祭での砲撃事件に関わった大量の教会関係者が捕まった。これから尋問が始まる。夜にも関わらず速報で教国には強く抗議入れたそうだ。

 だけど、情報をまとめてからさらに追及していくそうだけど、最悪戦争になる可能性があるって言ってた。

 ……そのあたりは王様たちに任せるしかないよな。話が大きすぎる。

 暗い気持ちになりかけていたけど、ワイバーン騒ぎで迷惑をかけた村のおじさんから頼まれた、牛の魔物の捕獲依頼を請けに来た。

 請けると約束したからには、きちんと果たさないとな。

 それに魔牛について少し調べてわかったことは、牛乳が絶品だと言うこと。

 なので前世で何度か作ったことのあるアイスクリームをみんなにご馳走しようと考えた。

 あ、バニラエッセンスって異世界にあるのか? そんなことを考えてると――

「はじめての捕獲依頼ですの。どうやって捕まえますの?」

「リズ、そんなの簡単よ。この前のワイバーン騒ぎのとき、逃げ出した牛たちは飛行スキルで浮かせて集めたのよ? だったら今回もそれで捕まえればいいのよ」

「あっ、そうでしたわ。牛さんを浮かべれば逃げられませんものね」

 その通りだ。俺もそのやり方で捕まえようと思っている。

 魔物とはいえ、家畜にするんだから無理矢理捕まえて、怪我なんてさせる必要もない。

 なので今回は飛行スキルの無いアンジーとキャルはお留守番の予定だったんだけど。

『くっ! お前たちだけずるいぞ! 俺も飛びたい! いや! 絶対飛んでやる!』

『わ、私も牛さん見たかったです。でも邪魔もしたくないので、あの、村で待つのは駄目ですか?』

 と、ぴょんぴょん弾みだしたアンジーにはファラのファフニールに乗ってもらい、飛行スキルを覚えられるようにする予定だ。

 アンジー……えっと……ぴょんぴょんしても飛行スキルは生えないよ……。

 いや、もしかすると、跳躍スキルとかあれば覚えるかもしれない、な……今度俺もやってみるか。

 もちろんキャルも飛行スキルは覚えてもらいたいので、しばらく一緒にファフニールに乗って飛び回ってもらう。

 もしかするとグリフィン王のスエキチのように、直接乗らなきゃ駄目なのかもしれないので、ファラには借りれるように頼んでもらってる。

 グリフィン王のサボりも防げるからなのか、王の側近たちからは――

『ぜひスエキチを連れていって欲しい』

 ――と言われてるので実現はかなり確率が高いだろう。

「お待たせいたしました。フェリル村の魔牛捕獲依頼ですね」

 おお、フェリル村っていうのか。それに魔牛か。

 カウンターの上に出された依頼書を見る。

 ちゃんと指名パーティーは超越者になってるし、依頼料も金貨三枚、中々の高額だ。

「頭数は最低五匹。子魔牛もいるなら母魔牛と共に連れて来て欲しいとのことです。お請けになりますか?」

 いや、牛乳が出るなら子魔牛もいるだろ?

 ……あ、妊娠中の可能性もあるのか。納得。

「はい。請けます」

「魔牛は通常大人しく、危害を加えれば豹変したように恐ろしい魔物となりますので、お気をつけください」

「わかりました」

「では、パーティー超越者の魔牛捕獲依頼を受注っと、はい依頼の登録完了です。期限は残り一週間ですので、お気をつけください」

「ありがとうございます。よし、みんな、行こうか」

「ちょっと待てガキども!」

 依頼書とギルドカードを受け取ったとき、後ろから声がかけられた。

 これはまさかあの有名なテンプレ、先輩冒険者が絡んでくるヤツか!

 みんなと同じように声がかけられた後ろに振り向く。

 内心ワクワクだ。

「フェリル村の依頼を請けたとか聞こえたんだが違うよな!」

「はい。フェリル村の魔牛を捕まえる依頼を請けましたよ」

「なんだと! すぐに取り消せ! その魔牛はもう俺たちが捕まえる予定で準備してるんだ!」

 ん? どう言うことだ? ガキが冒険者の真似事を~とか絡んでくるパターンじゃないのか?

「毎年余ってたのに、いつまでたっても魔牛捕獲依頼が出ないと思ってたら、なんなんだよ!」

 なるほど、この人たちが請けようと準備していたけど、依頼書が張り出されないうちに俺たちが請けちゃったってことか。

「あの、もう請けましたし、今さらやめますなんて言えませんし、村のおじさんに直接頼まれてもいるので」

「だから取り下げればいいだろ! 俺たちはあの村の出身で、毎年祭に帰る口実にだな!」

 ん~と、雲行きが怪しくなってきたぞ。

「俺たちが頑張ってる姿を見せる機会だからさっさと辞退しやがれ!」

 微妙に言うこと聞きたくなるけど、そんな依頼を請けなくても顔を見せに行けばいいだけなんだよな。

 なにか帰りづらいことがあるんだろうか。

「お待ちください。毎年通常依頼として出ていましたが、今年はパーティー超越者への指名依頼です」

「だから辞退すればいいじゃねえか!」

「パーティー超越者が依頼を辞退しても、魔牛捕獲の通常依頼はございませんよ?」

「え?」

 驚いているけど、その通りなんだよな。

 まあ出身の村に帰るついでに捕獲して、連れていったあと報酬の交渉はできるかもしれないけど……。

「じゃあどうすりゃいいんだよ! 魔牛を運ぶ人員とエサの手配までしたんだぞ!」

 こりゃ、また……。完全に見切り発車だよそれ……。

 ま、頼んでしまったなら、仕事が無くなったときの違約金もあるだろうけど、諦めるしかないよな。

「そちらは申し訳ないですが、お断りした方がいいでしょうね。では、俺たちは行きますね」

「待ってドライ、一緒に請けてもいいんじゃない? 村でお互い魔牛を連れて合流すれば」

「あ、そうか。俺たちの指名依頼の協力者として村に帰ればいいのか。ファラそれいいね。お兄さんたち、それでいいかな?」

 納得してくれればいいんだけど……。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム) 目を覚ますとそこは石畳の町だった 異世界の中世ヨーロッパの街並み 僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた 案の定この世界はステータスのある世界 村スキルというもの以外は平凡なステータス 終わったと思ったら村スキルがスタートする

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

処理中です...