【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪

鈴菜

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傲慢

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「よくもまぁ心にも無いことをあんなにも熱を込めて言えますよね。詐欺師の才能もあるのでは?」

ローデリカの帰りを見送った後、今日もきっちり執事服を着こなすシズに声をかけられました。

「心外ね。これでも私なりにローデリカのことは好きなのよ。嘘も吐いていないし、騙してもいないわ。」

確かに私は基本、私以外を愛しません。
元婚約者の王子はもちろん、私の美貌に心を奪われた男も、癒やしの魔法で治療され感謝を通り越した感情を抱いた男も、全て切り捨ててきました。
その中にはシズも含まれます。

あるいは女性を愛する女色家なのかもと自分を疑ったこともあるけれど、違ったわ。
私より美しい女性はいなくて美人系には興味も持てなかったし、可愛い系の子でも愛玩動物的な気持ちしか湧かなかったのよね。

そんな私ですが、ローデリカには愛玩動物に抱くそれとは間違いなく別の好意を抱いています。
散々私を陥れようとしてきたのに何故かって?

だって、それは仕方のないことだもの。
姉に私のような存在がいたのだから。

あの子は普通の家庭に生まれてさえいれば、何もせずとも両親の愛情を満足に受けられました。
ですが、自分を磨くだけでは太刀打ちできない圧倒的存在つまり私のいる家に生まれてしまったのです。

動物的な本能か、私を落とさなければ幸福な生に必要な愛を得られないと分かっていたからこそ、あの子は必死になって私を陥れようとしました。
ああ、なんて哀れな努力家。
そんな子を好きでいてあげない、ましてや許してあげないなんて酷いこと、私には出来ないわ。

「貴方は…いえ、何でもありません。」

ひと通り説明を聴いたシズは何か言いたそうでしたが、結局何も伝えずに去っていきます。
あれは、嫉妬かしら?



その日の晩、私は夢を見ました。

私は、暗い部屋でベッドに寝たきり状態の幼い姿の私を見下ろしていました。
周りを見渡すと、部屋は酷い有様です。
床に敷かれた敷物には焦げた跡があり、本棚や家具は散乱していて、唯一無事なのは姿見だけ。

その姿見からどうしてか目が離せません。
惹かれるように姿見の前に移動します。
映っているのは…私の作った魔法人形?
私に比べると地味で、どこか幸の薄そうで、でも嫌いではない、不思議な感覚を覚える容姿です。

 ねえ…

姿見に映る少女の口が開くと、私によく似た声が少女の方から聞こえてます。

 あなたは、だれ…?

私はリュミエラ・セレナーデ。
元侯爵令嬢であり、元祖国の聖女であり、今は帝国の聖女を務めている者です。

 いいえ、いいえ、ちがう…

姿見に映る少女は2、3回首を横に振ります。

 あなたは、わたしリュミエラじゃない…

後ろから服を掴まれる感覚がしました。
振り返ると、先程までベッドで横になっていた幼い姿のリュミエラが床に倒れています。

私は慌てて小さな身体を抱き抱えました。
今にもこと切れそうな、弱々しい身体。
美しい容姿を持ち、健康そのものな私と違う、どちらかといえば姿見に映る姿に似た幼子。

 ねえ、せいじょさま、そろそろ…

後ろの姿見から聴こえてくる声が止まりません。

 ゆめからさめようよ…
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