メリンダは見ている [完]

風龍佳乃

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数日が過ぎた夜

メリンダは公園のベンチに座り
夜空を見上げている。

私、昔から夜が好きなのよね…
月や星も好きだったし
煌めく街灯の明かりも好き…
静かだから考え事をするのも
夜の方がいいのよ…

ねぇアレン…
貴方は私との婚約をどう思っていたの?
挙式の準備を始める時だって
貴方は何も言わなかったし、
私ねぇ貴方は「どうでもいい」って
思っていたんじゃないかと思うの。

私は結婚って漠然としていたし
まぁアレンを嫌いじゃなければ
こんなものなのかと思ってたわ。

アレン…早く相手を見つけて
幸せになってよ。

メリンダは星を眺めて「綺麗ね」
とつぶやいた。

この日もパーティーは無かった。

メリンダはいつものように
お気に入りベンチに座り
ゆったりと夜景を楽しんでいた。

カラカラカラカラ……

夜に響く馬車の音にメリンダは
「迷惑ねぇ」と視線を向ける。

パーティーが無い日ぐらい
静かにしてよね…

あれ?
見た事がある紋章…
アレン?
馬車にはザルビン家の紋章が
ついていた。

パーティーも無いのに
わざわざ紋章馬車だなんて
どこに行くのかしら?
違う、、誰かを送るのかもしれないわね。

ついて行く?どうしようかな?
プライベートなら邪魔よね…
いや、今更?

メリンダは葛藤しながら
結局 アレンを追ってみる事にした。

あぁ、、こっちは……

ザルビン公爵家の墓地だ。
アレンの両親が眠る墓…

やっぱり!
アレンは花束を抱えながら
馬車を降りるとまっすぐに墓へと
向かった。
何か話しかけているように見えたが
メリンダは木の影から静かに
アレンを見ていた。

あの日

公爵夫婦は馬車の事故で
2人一緒に逝ってしまった。
アレンが22歳の時だった…

突然の事に驚きと悲しみ…
そして戸惑いがあったはず…

公爵家を継いで当主となったアレンは
きっと努力したはずよね…

メリンダはアレンの後ろ姿を
ずっと見ていた。

しばらくするとアレンは
両親の墓を後にして
再び馬車を走らせた。

「どこに行くの?」

アレンは屋敷とは違う方向に
はしっているようだ。

カラカラカラカラ……

メリンダは気がついた

「もしかして…」

アレンが到着したのは
メリンダの墓だった。

大きな花束を抱えたアレンは
メリンダの墓前で膝まついた。
それを見たメリンダは
慌てて墓前に向かった。

アレンが悲しそうに墓石を見ている。

アレン…
貴方なんでそんな顔をするの?

私の前では
いつも無表情に近い顔で
言葉足らずで
素っ気なかったじゃない!

なんで……?

「メリンダ…ごめん
本当に…ごめん
もっと、、もっときちんと気持ちを
伝えておけばよかったよ」

今にも泣きそうなアレンを見て
メリンダは戸惑ってしまった。


続く
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