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国王との謁見の日
ファルコスにエスコートされながら
王宮へと到着したクリスティーヌは
シンプルなドレスを身に纏っていたが
内から溢れる品が更に強調されていた
何よりも普通女性をエスコートしない
ファルコスがクリスティーヌを
リードしているのだから
周りにいた騎士や使用人達がザワつく
のは仕方ない事だった。
謁見の間
クリスティーヌの前に現れたのは
両陛下に王太子、
そして第1王女に第2王子だ。
クリスティーヌは王族が揃っている事に
驚いたが国王は
「大事ですまんな、皆がボーン令嬢を
ひと目見たいと騒いでな
こうなってしまった許せ…」と笑った
お目通りの後で場所が替えられ
特別室に移った。この部屋は防音が
施されていて国家重要案件を話す際に
使われると教えられた。
「さぁ、クリスティーヌよ何故に
姿を隠したのだ…
しかも保護したのが森の中だと聞き
どれだけ驚いた事か」
話す中で国王はボーン家の令嬢が
魔力を狙う何者かに拉致され
森に放置されたのだと思っていたらしく
クリスティーヌは自分の意思だと
誤解を解いた。
魔力の話しにはならないのね…
大公爵は話していないと言ったけど
本当の様ね…
どうする?復讐をするならば
国王を味方に付けるべき…でも…
まだ早いかしら?
クリスティーヌは国王から問われるまで
話さない事にしたが
「近いうちに再び話したい」そう言われ
話すのはきっとその時になるのね。
と考えた。
両陛下の密談
「見たか、ワシは間違いないと思う
お前はどうだ」
「えぇ、あの赤瞳はそうですわね」
「あの力は隠せるものでは無い
次に問うか…しかしなぁー
まさか彼奴が先に保護するとはな
弟ながら抜け目が無いな」
「ふふっ、そうですわね。でも…
今のボーン家に居場所が無いという
事ならば1番安全なのでは?
もう少し世代がズレたなら王家に
欲しかったですね」
「そればかりは仕方あるまい。
覚醒者は何時、どんなタイミングで
現れるのかわからんからな。
ファルコスか…悪くないだろう」
「えぇそうですわね早く結べると
良いのですが…」
謁見を終えた
クリスティーヌはファルコスに
エスコートをされ馬車に乗り込んだ
ずっと考え込んでいるクリスティーヌを
心配したファルコスは口を開いた
「クリスティーヌ、本当に出て行くの
かい?後で渡したいものがある
それを見てから決めてくれ」
「それが先程、陛下から近いうちに再び
話しを…と言われましたの
森に帰ろうと思っていましたけど…
ねぇファルコス様が伝えに来て
下さらない?」
ん?ファルコスは何を言われたのか
一瞬、理解できないでいた。
「俺を伝書に使うと?
おい、クリスティーヌずっと屋敷に
居ろ!! 出て行く事は許さない」
「……ずっとは…ねぇ」
「何故だ!」
「ねぇファルコス様、、私ね怒る人は
嫌いよ」
「つっ、、」
屋敷に帰ったファルコスは
クリスティーヌを茶に誘った。
「これを見てほしい」
ファルコスが見せたのは【誓約書】だ
一
ルーマン家はクリスティーヌ・ボーン
に対し衣食住に関し無償で提供する
一
ルーマン家はクリスティーヌ・ボーン
が必要とする財産を可能な限り援助する
一
ルーマン家はクリスティーヌ・ボーン
の活動に対し全面的に協力する
一
社交界において
ファルコス・ルーマンは
クリスティーヌ・ボーンのエスコート
パートナーを務めること
「ねぇファルコス様、、これ何?」
「見てのままだが」
「私が覚醒者だから…つまり…
所有したいという事?
確かに今お世話になっておりますわ
だけど…
魔力が弱いと家族だけでは無く
使用人達にまで馬鹿にされて…
見返したくて魔力を高めたのに…
その力が欲しくてここまでするの?」
「いや、確かに君の力は関係ない。
とは言えない、、その、だから」
ファルコスは嘘はつきたくなかった。
「父上は俺とクリスティーヌ、君との
縁談を望んでいる」
「縁談?!」
「君は嫌かい?クリスティーヌ。
さっき見返したいと言ったね
ルーマン家はラーモン家より格上だ。
魔力が弱いと婚約者を替える奴らを
見返すならば悪い条件では無いはず
だ」
……。 「そうね」
「ねぇファルコス様、、貴方はそれで
いいの?貴族なんて政略結婚は
当たり前だけど…私ね…
愛の無い結婚なんかしたくないの
本当は貴方もそうでしょう?」
ファルコスはクリスティーヌの言葉が
痛い程わかった
父は愛人を作った…帰らない日もあった
そして母はそんな父を捨てた…
自身の病気を隠して…と
母は言った
「あの人はあなたの父親だけど
私の夫では無いのよ…ずっとね」
父に最期を知らせるな。
それが母の遺言だった…
愛人宅で過ごす父に連絡が伝えられた時
母は危篤状態で、もう話す事すらも
出来なかった。
父は慌てて帰って来たが母は父と
目を合わせる事も無く旅立って行った
父は母の最期をどう感じたのだろう。
母の部屋は生前のままで
屋敷に戻る日は必ず花を飾り
父の机の上には母の肖像画が置いてある
わからない…愛とはいったい何なのか。
「クリスティーヌ嬢、今の俺に愛は
わからない…なぁ愛というものを
俺に教えてくれないか?」
「えっと…愛は…感じるもので
人それぞれですから。
どう言えばわかるかしら?育むもの?
一目惚れは…恋かぁな?うーん」
「それだ」
ファルコスはモヤモヤが取れた気がした
「それとは??」
全くわからないクリスティーヌ
「だから、一目惚れだ!
俺は初めて君を見た時に感じたもの
恋かはわからんけど…
気に入ったんだよ」
「それは…ありがとうございます。
でも貴方は大公爵家の子息ですわ
相応しい方を選ぶべきです」と
クリスティーヌはファルコスに伝えた
俺は愛人など要らない。
結婚をしたとしてもお互いを干渉せずに
自由にいればいい。政略結婚なんて
そんなもんだ。
だが今、彼女に抱く感情は一体…
知りたい。彼女の考えている事を
知りたい。彼女が求めるものを…
ファルコスは経験のない感情を
知りたかった…
ファルコスにエスコートされながら
王宮へと到着したクリスティーヌは
シンプルなドレスを身に纏っていたが
内から溢れる品が更に強調されていた
何よりも普通女性をエスコートしない
ファルコスがクリスティーヌを
リードしているのだから
周りにいた騎士や使用人達がザワつく
のは仕方ない事だった。
謁見の間
クリスティーヌの前に現れたのは
両陛下に王太子、
そして第1王女に第2王子だ。
クリスティーヌは王族が揃っている事に
驚いたが国王は
「大事ですまんな、皆がボーン令嬢を
ひと目見たいと騒いでな
こうなってしまった許せ…」と笑った
お目通りの後で場所が替えられ
特別室に移った。この部屋は防音が
施されていて国家重要案件を話す際に
使われると教えられた。
「さぁ、クリスティーヌよ何故に
姿を隠したのだ…
しかも保護したのが森の中だと聞き
どれだけ驚いた事か」
話す中で国王はボーン家の令嬢が
魔力を狙う何者かに拉致され
森に放置されたのだと思っていたらしく
クリスティーヌは自分の意思だと
誤解を解いた。
魔力の話しにはならないのね…
大公爵は話していないと言ったけど
本当の様ね…
どうする?復讐をするならば
国王を味方に付けるべき…でも…
まだ早いかしら?
クリスティーヌは国王から問われるまで
話さない事にしたが
「近いうちに再び話したい」そう言われ
話すのはきっとその時になるのね。
と考えた。
両陛下の密談
「見たか、ワシは間違いないと思う
お前はどうだ」
「えぇ、あの赤瞳はそうですわね」
「あの力は隠せるものでは無い
次に問うか…しかしなぁー
まさか彼奴が先に保護するとはな
弟ながら抜け目が無いな」
「ふふっ、そうですわね。でも…
今のボーン家に居場所が無いという
事ならば1番安全なのでは?
もう少し世代がズレたなら王家に
欲しかったですね」
「そればかりは仕方あるまい。
覚醒者は何時、どんなタイミングで
現れるのかわからんからな。
ファルコスか…悪くないだろう」
「えぇそうですわね早く結べると
良いのですが…」
謁見を終えた
クリスティーヌはファルコスに
エスコートをされ馬車に乗り込んだ
ずっと考え込んでいるクリスティーヌを
心配したファルコスは口を開いた
「クリスティーヌ、本当に出て行くの
かい?後で渡したいものがある
それを見てから決めてくれ」
「それが先程、陛下から近いうちに再び
話しを…と言われましたの
森に帰ろうと思っていましたけど…
ねぇファルコス様が伝えに来て
下さらない?」
ん?ファルコスは何を言われたのか
一瞬、理解できないでいた。
「俺を伝書に使うと?
おい、クリスティーヌずっと屋敷に
居ろ!! 出て行く事は許さない」
「……ずっとは…ねぇ」
「何故だ!」
「ねぇファルコス様、、私ね怒る人は
嫌いよ」
「つっ、、」
屋敷に帰ったファルコスは
クリスティーヌを茶に誘った。
「これを見てほしい」
ファルコスが見せたのは【誓約書】だ
一
ルーマン家はクリスティーヌ・ボーン
に対し衣食住に関し無償で提供する
一
ルーマン家はクリスティーヌ・ボーン
が必要とする財産を可能な限り援助する
一
ルーマン家はクリスティーヌ・ボーン
の活動に対し全面的に協力する
一
社交界において
ファルコス・ルーマンは
クリスティーヌ・ボーンのエスコート
パートナーを務めること
「ねぇファルコス様、、これ何?」
「見てのままだが」
「私が覚醒者だから…つまり…
所有したいという事?
確かに今お世話になっておりますわ
だけど…
魔力が弱いと家族だけでは無く
使用人達にまで馬鹿にされて…
見返したくて魔力を高めたのに…
その力が欲しくてここまでするの?」
「いや、確かに君の力は関係ない。
とは言えない、、その、だから」
ファルコスは嘘はつきたくなかった。
「父上は俺とクリスティーヌ、君との
縁談を望んでいる」
「縁談?!」
「君は嫌かい?クリスティーヌ。
さっき見返したいと言ったね
ルーマン家はラーモン家より格上だ。
魔力が弱いと婚約者を替える奴らを
見返すならば悪い条件では無いはず
だ」
……。 「そうね」
「ねぇファルコス様、、貴方はそれで
いいの?貴族なんて政略結婚は
当たり前だけど…私ね…
愛の無い結婚なんかしたくないの
本当は貴方もそうでしょう?」
ファルコスはクリスティーヌの言葉が
痛い程わかった
父は愛人を作った…帰らない日もあった
そして母はそんな父を捨てた…
自身の病気を隠して…と
母は言った
「あの人はあなたの父親だけど
私の夫では無いのよ…ずっとね」
父に最期を知らせるな。
それが母の遺言だった…
愛人宅で過ごす父に連絡が伝えられた時
母は危篤状態で、もう話す事すらも
出来なかった。
父は慌てて帰って来たが母は父と
目を合わせる事も無く旅立って行った
父は母の最期をどう感じたのだろう。
母の部屋は生前のままで
屋敷に戻る日は必ず花を飾り
父の机の上には母の肖像画が置いてある
わからない…愛とはいったい何なのか。
「クリスティーヌ嬢、今の俺に愛は
わからない…なぁ愛というものを
俺に教えてくれないか?」
「えっと…愛は…感じるもので
人それぞれですから。
どう言えばわかるかしら?育むもの?
一目惚れは…恋かぁな?うーん」
「それだ」
ファルコスはモヤモヤが取れた気がした
「それとは??」
全くわからないクリスティーヌ
「だから、一目惚れだ!
俺は初めて君を見た時に感じたもの
恋かはわからんけど…
気に入ったんだよ」
「それは…ありがとうございます。
でも貴方は大公爵家の子息ですわ
相応しい方を選ぶべきです」と
クリスティーヌはファルコスに伝えた
俺は愛人など要らない。
結婚をしたとしてもお互いを干渉せずに
自由にいればいい。政略結婚なんて
そんなもんだ。
だが今、彼女に抱く感情は一体…
知りたい。彼女の考えている事を
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