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第三章・攻略の行方
16・三人目の攻略対象
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『ガイ・クルーガー』
坊ちゃまの前に現れた、三人目の攻略対象者だ!
このガイのことを、前世の僕は一番気に入っていた。
スチュワートのグレイ侯爵家と共に、ブラシリア国の三大侯爵家の一つ、クルーガー侯爵家の次男であるガイは、騎士になるべくして生まれた男だ。騎士としての潜在能力が高くそして努力も厭わないガイは、騎士学園在学中から名声をあげ、鳴り物入りで近衛騎士団に入団する。もう、向かうところ敵なしでしょ?
それから僕のオススメポイント☆
まず次男!これ、大事だよ?坊ちゃまが格下の侯爵家に嫁ぐ必要ナシ!ガイを伴侶として迎え入れればイイだけ~嫁姑問題も一切ナッシング!最高~
それともう一つ、ガイは気は優しくて力持ちキャラだ。ト◯ロかな~?
やっぱりさ、優しいのが一番だと思うワケよ。それに物凄く強いからさ、アンシン、アンゼン、ソレキホン!←ラップ調で~
それからこれが最大の理由…名前がカッコいい!
ヲタクが選ぶ名前ランキングだったら、ブッちぎり1位じゃない?
そんな妄想にふけっていると、そのガイ・クルーガーが僕に声を掛けてくる。
「怪我がなくて本当に良かったです。たまたまここを通りかかったら、お困りの様子が見えたので…。申し遅れましたが、私はガイ・クルーガーといいます。騎士学園の三年生です。」
礼儀正しく名乗られたガイ様に、ニカッと更に眩しい笑みを向けられる。うわっ…眩しっ!男前過ぎるでしょ?
「ご丁寧にありがとうございます。私はエドモア公爵家で従者をしておりますエリオットと申します。この度のこと、重ねてお礼申し上げます」
丁寧には丁寧!と、再度お礼を言って深々と頭を下げた。それから顔を上げるとパチッと視線が合って、ふふふっと二人共に照れ笑いしてしまった。
「んん!」
その声にビクッとする。ヤベェ…坊ちゃま、そっちのけだった!
慌ててくるりと振り返ると、何故か坊ちゃまは不機嫌そうな顔をして、僕を睨んでいる。あの…可愛い顔が台無しですけど?
「私からも礼を言います。うちの使用人を助けてくださりありがとうございます。確か…クルーガー侯爵家のガイ令息ですよね?後日改めてお礼は、させていただきますので」
僕に対して睨んでいた顔を、さっと貴族用の顔に切り替える坊ちゃま。それから主人として、ガイ様へと丁寧にお礼を伝える。
坊ちゃまとガイ様が並ぶお姿は、それはそれはもう別次元!そこに居合わせた人達も、二人を呆然と見つめている。
ガイ様は、夢か幻か?の妖精さんのような坊ちゃまを前にしても全く臆することなく、「とんでもございませんエドモア公子様」と返してニッコリと笑い掛けている。
──スゲェ!流石攻略対象者…あの坊ちゃまに?
面と向かって微笑みかけてる人…初めて見た。王都学園にもいねぇよ!
これ、いいんじゃない…もしかしてもしかすると、恋が始まっちゃうんじゃないのかなぁ?
急にうきうきワクワクとして、坊ちゃまを見つめた。相変わらずスン…とした表情だが、内心は分からない!何か、感じるものがあるのかも知れないよ?
そして僕、坊ちゃま、ガイ様の三人は「今日はここで失礼します」と挨拶して別れた。僕達も予想もできない事で疲れていたし、初めての対面としては上々じゃないかと思う。お互いの名前と顔、そして好感が印象づいた筈だから。
「さあ帰ろう学園へ。エリオットは相変わらず危なっかしいな。次もそうだったら、二度と連れて来ないからね」
「そんなぁ~坊ちゃまだって、楽しかったですよね?次も僕がお供しますから!」
いつもの坊ちゃまの嫌味も軽くいなして、大変な目に合ったけど僕いい仕事したんじゃない?と元気に歩き出した。それから気になってもう一度ガイの方へ振り返ると、共に街へ来ていただろう同じ騎士学園の軍服を着た若者数人が、ガイ様に駆け寄って行くのが見えた。
あっ…騎士学園の人達も気晴らしに街に来ていたんだな…と思っていると、その中の一人の人物に釘付けになる。
赤い髪をカチリと横に撫で付けて、前世日本人の僕には一番馴染みのある黒い瞳で。
何故だかその人も、僕の方をじっと見ていた。その瞬間、ざわざわと胸騒ぎがして…
──あれ?アイツは!?うそだろ…
坊ちゃまの前に現れた、三人目の攻略対象者だ!
このガイのことを、前世の僕は一番気に入っていた。
スチュワートのグレイ侯爵家と共に、ブラシリア国の三大侯爵家の一つ、クルーガー侯爵家の次男であるガイは、騎士になるべくして生まれた男だ。騎士としての潜在能力が高くそして努力も厭わないガイは、騎士学園在学中から名声をあげ、鳴り物入りで近衛騎士団に入団する。もう、向かうところ敵なしでしょ?
それから僕のオススメポイント☆
まず次男!これ、大事だよ?坊ちゃまが格下の侯爵家に嫁ぐ必要ナシ!ガイを伴侶として迎え入れればイイだけ~嫁姑問題も一切ナッシング!最高~
それともう一つ、ガイは気は優しくて力持ちキャラだ。ト◯ロかな~?
やっぱりさ、優しいのが一番だと思うワケよ。それに物凄く強いからさ、アンシン、アンゼン、ソレキホン!←ラップ調で~
それからこれが最大の理由…名前がカッコいい!
ヲタクが選ぶ名前ランキングだったら、ブッちぎり1位じゃない?
そんな妄想にふけっていると、そのガイ・クルーガーが僕に声を掛けてくる。
「怪我がなくて本当に良かったです。たまたまここを通りかかったら、お困りの様子が見えたので…。申し遅れましたが、私はガイ・クルーガーといいます。騎士学園の三年生です。」
礼儀正しく名乗られたガイ様に、ニカッと更に眩しい笑みを向けられる。うわっ…眩しっ!男前過ぎるでしょ?
「ご丁寧にありがとうございます。私はエドモア公爵家で従者をしておりますエリオットと申します。この度のこと、重ねてお礼申し上げます」
丁寧には丁寧!と、再度お礼を言って深々と頭を下げた。それから顔を上げるとパチッと視線が合って、ふふふっと二人共に照れ笑いしてしまった。
「んん!」
その声にビクッとする。ヤベェ…坊ちゃま、そっちのけだった!
慌ててくるりと振り返ると、何故か坊ちゃまは不機嫌そうな顔をして、僕を睨んでいる。あの…可愛い顔が台無しですけど?
「私からも礼を言います。うちの使用人を助けてくださりありがとうございます。確か…クルーガー侯爵家のガイ令息ですよね?後日改めてお礼は、させていただきますので」
僕に対して睨んでいた顔を、さっと貴族用の顔に切り替える坊ちゃま。それから主人として、ガイ様へと丁寧にお礼を伝える。
坊ちゃまとガイ様が並ぶお姿は、それはそれはもう別次元!そこに居合わせた人達も、二人を呆然と見つめている。
ガイ様は、夢か幻か?の妖精さんのような坊ちゃまを前にしても全く臆することなく、「とんでもございませんエドモア公子様」と返してニッコリと笑い掛けている。
──スゲェ!流石攻略対象者…あの坊ちゃまに?
面と向かって微笑みかけてる人…初めて見た。王都学園にもいねぇよ!
これ、いいんじゃない…もしかしてもしかすると、恋が始まっちゃうんじゃないのかなぁ?
急にうきうきワクワクとして、坊ちゃまを見つめた。相変わらずスン…とした表情だが、内心は分からない!何か、感じるものがあるのかも知れないよ?
そして僕、坊ちゃま、ガイ様の三人は「今日はここで失礼します」と挨拶して別れた。僕達も予想もできない事で疲れていたし、初めての対面としては上々じゃないかと思う。お互いの名前と顔、そして好感が印象づいた筈だから。
「さあ帰ろう学園へ。エリオットは相変わらず危なっかしいな。次もそうだったら、二度と連れて来ないからね」
「そんなぁ~坊ちゃまだって、楽しかったですよね?次も僕がお供しますから!」
いつもの坊ちゃまの嫌味も軽くいなして、大変な目に合ったけど僕いい仕事したんじゃない?と元気に歩き出した。それから気になってもう一度ガイの方へ振り返ると、共に街へ来ていただろう同じ騎士学園の軍服を着た若者数人が、ガイ様に駆け寄って行くのが見えた。
あっ…騎士学園の人達も気晴らしに街に来ていたんだな…と思っていると、その中の一人の人物に釘付けになる。
赤い髪をカチリと横に撫で付けて、前世日本人の僕には一番馴染みのある黒い瞳で。
何故だかその人も、僕の方をじっと見ていた。その瞬間、ざわざわと胸騒ぎがして…
──あれ?アイツは!?うそだろ…
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🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
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