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第九章・エリオット、危機一髪?
70・僕の誕生日
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「エリオット、本当に食事だけでいいの?せっかくの二十歳の誕生日なのに…」
そう言って坊ちゃまは、申し訳なさそうに僕の顔を覗き込む。それにブンブン頷いて「坊ちゃまと一緒がなによりですから~」と笑顔をつくる。
今日は僕の誕生日。ついに来たよ二十歳…とうとう二十代になっちまったぜ!嬉しいような、悲しいような、複雑な気持ち。
坊ちゃまはその記念日に向けて、僕に何が欲しいか聞いてきた。僕が欲しいのはあなただけ…冗談のようで冗談ではないんだな!まあ、本気でそう思っててもそんなことは言えないけどね?
それでプレゼントには、婚約指輪を首からかけていられるようにとチェーンネックレスが欲しいって。だって従者の制服を着ている時にはとてもじゃないけど嵌められないよね?仕事中にどこかに当てて、それで石が欠けちゃったりなんかしたら…切腹ものだ!
坊ちゃまはというと、授業にも堂々と付けて行っている。凄い強心臓!それで一時期坊ちゃまは、学園内で噂の的だった。『ジュリアス様には婚約者がいる!』って…それがまさか相手は僕なんてさ、誰も気付きはしないけど。
だけどそうなると僕だって、せめて身に付けていられたらって思うよね~
あの重厚なリングを通しておくとなると、丈夫なものがどうしても必要で、そう話すと坊ちゃまは直ぐに用意しくれた。なんでも、ちょっとやそっとじゃ切れないようになっている魔道具のチェーンとかで…。その効果は嬉しいが、もしかして凄く高いプレゼントになってしまったんじゃ?と気になっている。
あともう一つ。誕生日がちょうど日曜日ということで、ランチに連れて行ってくれるって。ヤッター!誕生日が日曜日で良かったな~
それで二人で街へとやって来た。もうすぐ秋祭りが行われるとあって、凄く人が多くて賑やかだ。去年の秋祭りも街へと繰り出したけれど、あれから一年経ったんだなぁ~と感慨深い思いに。
それからメイン通りを二人で歩いて行くと、左右どちらの店もショーウインドウが綺麗に飾りつけられていて、見てるだけでもワクワクだ!おまけに坊ちゃまはそのショーウインドウを見るたびに、あれも買おうか?これも!と更に贈り物をしようとしてくる。僕はあの高過ぎるネックレスとランチで充分過ぎるよね?と思っているので、それを断るのに苦労している…
「もっと買ってあげたいのに!」
何を指差しても遠慮しますと言う僕に、坊ちゃまが口を尖らせて抗議する。何それ可愛い~って思わずそれに頷きそうになっちゃうけど「気を確かに僕!」と自分で自分に喝を入れる。
「坊ちゃま、ホントもう充分なんです!お気持ちだけ頂いておきますからね?それにしてもレストランはまだ着かないのかなぁ~」
話題を変えなきゃと店を探すふりをする。なんでも今、街でバズりまくっている店があるとかで、そこに行ってみたいと思った。確かメイン通りから少し郊外の方へと進んだ所にあるとかでここまで来たけど…あっ、あそこかな?
少し先を見ると、お店の外にまで長い行列が出来ている店が見える。そこはまるでジ◯リの世界のような、白い壁に赤い屋根の可愛い外観で、店先にはピンクの秋桜や白や赤のカルーナが咲き乱れている。凄い綺麗~御令嬢や奥様方が好きそうだよね?僕だって好きですけど!そう思いながら近付くと、エドモア公爵家の騎士とおぼしき二人が通りの反対側からこちらに近付いてくる。
あれ…やっぱり?そう思ってチラリと見るのは、僕達の指に燦然と輝く婚約指輪だ。今日は誕生日だから特別!と二人揃って付けてきている。だからどうしても護衛付きになる訳で…護衛騎士の皆様ご苦労様です!
「ジュリアス様、店の予約は取ってありますので直ぐに店内へどうぞ。我々は邪魔にならないように店の向かいに待機しております。また食事が終わられる頃に馬車を店先にと向かわせますので」
そう言って頭をサッと下げる騎士達。エドモア公爵家って、騎士までもが有能!剣術はもちろんレベチなんだろうけど、こういった段取りまでもやって貰えるなんて…
そう驚きながらも店内に入ると、その言葉通りに直ぐに席へと案内される。そして店内でも注目の的になるのは分かっていたが、これ程までとは…ほぼここに居る人全員が坊ちゃまをガン見している。
今日は流石に僕だってトレードマークの制服を脱いで、精一杯オシャレしてきたつもりだ。だけど、坊ちゃまと一緒だと間違いなく主人と使用人にしか見えないに違いない。それはそれで諦めているからいいんだけどね?それだけ坊ちゃまが、現実離れした人なんだから…美し過ぎるって罪!
うちの坊ちゃま、綺麗だよね?分かる~と笑顔を振り撒きながら後ろを歩いて、予約席に座わる。それから周りを見渡すともちろん満席で、その各テーブルの上にあるのはどうも同じメニューだ。
「坊ちゃま、このお店はあのようなワンプレートランチが評判のようですね?凄く美味しそうです」
「そうみたいだ…一皿にあのように盛り付けるのだな?新しい感じだ」
坊ちゃまも驚くワンプレート。前世では当たり前のような盛り付け方法だけど、この世界ではまだ珍しい。実は…坊ちゃまには内緒だけと、僕が提案したんだ!このお店、なんとクルーガー侯爵家が経営している。ハーブをもっと料理に利用することを提唱して、今ではやっとそれが定番になってきている。
それに気を良くしたシュテファン様が、各種ハーブオイルを使用した食事を提供するレストランを作ると聞いて、僕もプロデュースを買って出た。その一貫で、ランチに使うお皿をワンプレートにしてみたら?って軽い気持ちで言っただけなんだけど…こんなに評判になるとは思ってもみなかった!結局皆さん、真新しいものを求めているんだね。
それでこの店が大盛況になっていると聞いて、一度来てみたいと思っていた。だから行きたい店ある?って坊ちゃまから聞かれて、ここに来たいと言ったんだ。それでね、何故プロデュースをしているのを内緒にしているかと言うと、結婚するまでにお金を少しでも多く貯めたいと思っている。
その理由は…結婚指輪を買いたいって。あんなに豪華な婚約指輪を買って貰った僕。それに比べたら、僕が買える指輪なんて安っぽいかも知れない。でもお返しに何か記念になることをしたい、僕がデザインした指輪をどうしてもあげたい!って。それでクルーガー家から今後は手当てがいただけることになった僕は、それを内緒にして少しでも良い物を贈りたいと思っているんだ。ふふふっ、喜んでくれるよね?きっと…
僕達も早速それを注文しようかとメニューを開くと、メイン料理が三種類の中から選べるようだ。カツレツ、白身魚のポアレ、オムレツの中から選んで、その三種とも料理に合うハーブソースが添えられている。わあ!どれも美味しそう~と迷っていると、店の奥からカツカツと靴音が…
「ようこそいらっしゃいました!ジュリアス様。それにセデナスの神様!」
何だと?その声に驚き顔を上げると…シュテファン様!その神と呼ばれているのは秘密なのにぃ~
そう言って坊ちゃまは、申し訳なさそうに僕の顔を覗き込む。それにブンブン頷いて「坊ちゃまと一緒がなによりですから~」と笑顔をつくる。
今日は僕の誕生日。ついに来たよ二十歳…とうとう二十代になっちまったぜ!嬉しいような、悲しいような、複雑な気持ち。
坊ちゃまはその記念日に向けて、僕に何が欲しいか聞いてきた。僕が欲しいのはあなただけ…冗談のようで冗談ではないんだな!まあ、本気でそう思っててもそんなことは言えないけどね?
それでプレゼントには、婚約指輪を首からかけていられるようにとチェーンネックレスが欲しいって。だって従者の制服を着ている時にはとてもじゃないけど嵌められないよね?仕事中にどこかに当てて、それで石が欠けちゃったりなんかしたら…切腹ものだ!
坊ちゃまはというと、授業にも堂々と付けて行っている。凄い強心臓!それで一時期坊ちゃまは、学園内で噂の的だった。『ジュリアス様には婚約者がいる!』って…それがまさか相手は僕なんてさ、誰も気付きはしないけど。
だけどそうなると僕だって、せめて身に付けていられたらって思うよね~
あの重厚なリングを通しておくとなると、丈夫なものがどうしても必要で、そう話すと坊ちゃまは直ぐに用意しくれた。なんでも、ちょっとやそっとじゃ切れないようになっている魔道具のチェーンとかで…。その効果は嬉しいが、もしかして凄く高いプレゼントになってしまったんじゃ?と気になっている。
あともう一つ。誕生日がちょうど日曜日ということで、ランチに連れて行ってくれるって。ヤッター!誕生日が日曜日で良かったな~
それで二人で街へとやって来た。もうすぐ秋祭りが行われるとあって、凄く人が多くて賑やかだ。去年の秋祭りも街へと繰り出したけれど、あれから一年経ったんだなぁ~と感慨深い思いに。
それからメイン通りを二人で歩いて行くと、左右どちらの店もショーウインドウが綺麗に飾りつけられていて、見てるだけでもワクワクだ!おまけに坊ちゃまはそのショーウインドウを見るたびに、あれも買おうか?これも!と更に贈り物をしようとしてくる。僕はあの高過ぎるネックレスとランチで充分過ぎるよね?と思っているので、それを断るのに苦労している…
「もっと買ってあげたいのに!」
何を指差しても遠慮しますと言う僕に、坊ちゃまが口を尖らせて抗議する。何それ可愛い~って思わずそれに頷きそうになっちゃうけど「気を確かに僕!」と自分で自分に喝を入れる。
「坊ちゃま、ホントもう充分なんです!お気持ちだけ頂いておきますからね?それにしてもレストランはまだ着かないのかなぁ~」
話題を変えなきゃと店を探すふりをする。なんでも今、街でバズりまくっている店があるとかで、そこに行ってみたいと思った。確かメイン通りから少し郊外の方へと進んだ所にあるとかでここまで来たけど…あっ、あそこかな?
少し先を見ると、お店の外にまで長い行列が出来ている店が見える。そこはまるでジ◯リの世界のような、白い壁に赤い屋根の可愛い外観で、店先にはピンクの秋桜や白や赤のカルーナが咲き乱れている。凄い綺麗~御令嬢や奥様方が好きそうだよね?僕だって好きですけど!そう思いながら近付くと、エドモア公爵家の騎士とおぼしき二人が通りの反対側からこちらに近付いてくる。
あれ…やっぱり?そう思ってチラリと見るのは、僕達の指に燦然と輝く婚約指輪だ。今日は誕生日だから特別!と二人揃って付けてきている。だからどうしても護衛付きになる訳で…護衛騎士の皆様ご苦労様です!
「ジュリアス様、店の予約は取ってありますので直ぐに店内へどうぞ。我々は邪魔にならないように店の向かいに待機しております。また食事が終わられる頃に馬車を店先にと向かわせますので」
そう言って頭をサッと下げる騎士達。エドモア公爵家って、騎士までもが有能!剣術はもちろんレベチなんだろうけど、こういった段取りまでもやって貰えるなんて…
そう驚きながらも店内に入ると、その言葉通りに直ぐに席へと案内される。そして店内でも注目の的になるのは分かっていたが、これ程までとは…ほぼここに居る人全員が坊ちゃまをガン見している。
今日は流石に僕だってトレードマークの制服を脱いで、精一杯オシャレしてきたつもりだ。だけど、坊ちゃまと一緒だと間違いなく主人と使用人にしか見えないに違いない。それはそれで諦めているからいいんだけどね?それだけ坊ちゃまが、現実離れした人なんだから…美し過ぎるって罪!
うちの坊ちゃま、綺麗だよね?分かる~と笑顔を振り撒きながら後ろを歩いて、予約席に座わる。それから周りを見渡すともちろん満席で、その各テーブルの上にあるのはどうも同じメニューだ。
「坊ちゃま、このお店はあのようなワンプレートランチが評判のようですね?凄く美味しそうです」
「そうみたいだ…一皿にあのように盛り付けるのだな?新しい感じだ」
坊ちゃまも驚くワンプレート。前世では当たり前のような盛り付け方法だけど、この世界ではまだ珍しい。実は…坊ちゃまには内緒だけと、僕が提案したんだ!このお店、なんとクルーガー侯爵家が経営している。ハーブをもっと料理に利用することを提唱して、今ではやっとそれが定番になってきている。
それに気を良くしたシュテファン様が、各種ハーブオイルを使用した食事を提供するレストランを作ると聞いて、僕もプロデュースを買って出た。その一貫で、ランチに使うお皿をワンプレートにしてみたら?って軽い気持ちで言っただけなんだけど…こんなに評判になるとは思ってもみなかった!結局皆さん、真新しいものを求めているんだね。
それでこの店が大盛況になっていると聞いて、一度来てみたいと思っていた。だから行きたい店ある?って坊ちゃまから聞かれて、ここに来たいと言ったんだ。それでね、何故プロデュースをしているのを内緒にしているかと言うと、結婚するまでにお金を少しでも多く貯めたいと思っている。
その理由は…結婚指輪を買いたいって。あんなに豪華な婚約指輪を買って貰った僕。それに比べたら、僕が買える指輪なんて安っぽいかも知れない。でもお返しに何か記念になることをしたい、僕がデザインした指輪をどうしてもあげたい!って。それでクルーガー家から今後は手当てがいただけることになった僕は、それを内緒にして少しでも良い物を贈りたいと思っているんだ。ふふふっ、喜んでくれるよね?きっと…
僕達も早速それを注文しようかとメニューを開くと、メイン料理が三種類の中から選べるようだ。カツレツ、白身魚のポアレ、オムレツの中から選んで、その三種とも料理に合うハーブソースが添えられている。わあ!どれも美味しそう~と迷っていると、店の奥からカツカツと靴音が…
「ようこそいらっしゃいました!ジュリアス様。それにセデナスの神様!」
何だと?その声に驚き顔を上げると…シュテファン様!その神と呼ばれているのは秘密なのにぃ~
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