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第五章・ルートの確定後は
31・盛り沢山のお茶会
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目の前には親友達の気遣いのおかげで、それこそ食べ切れないくらいの大量のお茶菓子が!ケーキにクッキー、そしてマドレーヌにおまけにマシュマロ?なんだか食べ放題みたいね?
「それでね、アリシア…聞いてる?私達ビックリしちゃって。だってあなたが皇居で倒れたって聞いて…学園でも大騒ぎだったのよ?おまけに皇太子殿下もそれ以降学園には来ないし…。それで凄い憶測が飛び交ったのよ!」
ブリジットが目を丸くしながらそう言うが、凄い憶測?それを聞くのも恐ろしい!それに真実を話して良いものか…と迷う。
お父様が言うには、皇帝陛下は箝口令を敷くことは無かったそうだ。息子であるスティーブ殿下の責任である今回のこと、一方的に言わないように命令するには、事が大きくなり過ぎたと思われたようだ。そしてそれを私にまで強制するのは、言語道断だと思われたらしい。だからその経緯を話したとしても悪い訳ではない…かと言って、それを広めようとも思わないけど…。だけど気の置けない親友達プラス1(ロブ)のこと…正直に言って大丈夫だよね?と判断する。
「あのね、私ある事で皇帝陛下から呼び出されたのよ。それをね殿下は、陛下に告げ口しに来たのだと誤解したの。もちろん私は事実しかお話ししてないわよ?そしてその後薔薇園を見せていただいて、そこでスティーブ殿下とばったり会ったんだけど…」
皇帝陛下から依頼された内容までは話せない!そこのところは濁しておいて、殿下とどうして会うことになったかを説明した。今となっては偶然に会ったとは思えないけど…きっと私が帰るタイミングを見計らって、現れたのだと思う。
「そうね、アリシアは皇帝陛下に命を救っていただいたのだものね。それで呼び出されたとしても不思議はないわ。それをスティーブ殿下が誤解を…それで?」
これもまた定かではないけれど、皇帝陛下からの依頼を知っているのかも知れないキャロライン。皇居に行くことになった経緯を上手く誤魔化してくれた。ナイスアシストよ~!
それから私は、この事件の肝心の部分を話し出す。
「それでカーテシーでご挨拶したの。だって学園内じゃなくて皇居でしょ?正式にと思って。そしたら…何時まで待ってもお声を掛けられ無かったってわけ。そうね…15分くらい経った後は、もう覚えてないわ!20分近かったのかしら?そのくらいの時間、そのままの姿勢で立たされたままだったの…」
──ガタリッ!
それには思わず皆んなは、ショックで立ち上がろうとする。信じられない!と愕然としながら…
「嘘でしょう?こんな暑い時期なのよ…屋外で、この炎天下の中で20分近くですってー!」
「正気か!あいつ…アリシアがそんな酷い目に!?」
キャロラインとアンドリューがそう叫んで憤る。その他の面々は驚き過ぎて言葉にならないようだった。そして、この人も…
「それは酷過ぎませんか?皇太子殿下がそんな方だったとは!そういえばあの時もそうでしたよね?アリシア様に対して、決めつけるような発言を…」
フィリップ~!それは言っちゃいけないのよ…ここでその事を知っているのは、あなたとロブだけなのに。おまけにロメオも、それは何だ?と身を乗り出している。そう言えはロメオ…何故ここにいるの?男女二人だけじゃないのに…
「それは聞き捨てならない!」✕4プラスロメオ!
そこで仕方なく例の私の暴言事件を告白することになった。あれなかなかに恥ずかしいことだし、黙っておこうと思ってたんだけど…そしてその時、フィリップとロブに助けられたことも説明する。
「ちょっとお嬢様!気持ちは分かりますけど、それはちょっと~」
誰よりも早くそう反応したのはロメオ。だから何で居るんだって!?
「そうそう!あなた一歩間違えれば退学よ?ホント向こう見ずなんだから~」
「すげぇな!お前~怖い物なしにも程があるな?」
クリスティーヌやアンドリューもそう言って心配し、皆はそれに驚きウンウン頷いている。だけどこの中で反応の違う人が一人…えぇっ!
「グスッ…アリシア、わ、私の為なんだったら、止めてちょうだい!あなたが…いなくなったら私…うわぁーん!」
そう言ってキャロラインは大粒の涙を溢す…
びっくりした!スティーブ殿下やルーシーから、今までどんな嫌味を言われようとも、これ程に泣くことなんか無かったキャロライン。これには私も流石に反省する。こうやって悲しませてしまうところだったんだなぁ…と。私は席を立ち、そっと近付いた…そして涙が止まらないキャロラインを抱き締める。
「ゴメンね…キャロライン。だって私、本当に腹が立ったの。あの人達あなたが優しいことをいいことに、お構い無しで…」
そう言って背中をヨシヨシしながら、それからヒョイと手を出す。そこにロメオがシュタッと近付き、手の上にハンカチを置く。それで親友の頬を濡らす涙をふき取った…もしかしてこの為にいたの!ロメオ?
「ちょっと!泣かせるじゃないのよ。でもその場面、私も見たかったわ~。そして、どうりで殿下とルーシーが堂々としていたのか分かったわ…そういうことだったんだ」
ブリジットは苦い顔をして、そう納得している。あの一件を知らないカフェテリアにいた人達は、急に二人が仲を隠さなくなって戸惑ったに違いない。実は私のしたことで、二人の仲がより深まったとは思わないものね…反省!
「さあさ、皆んなお茶でも飲みましょう?お菓子もこんなに沢山あるんだから。フィリップ様も遠慮なくね!」
それから私達は、私がいない間の学園のことを話したりして、お茶会を始める。気の置けない者同士、細かな作法は完全無視して、思い思いに食べたり飲んだりした。それからカーテシーチャレンジ!なるものが始まり、誰がそのままで長く居られるかの謎の我慢比べをやり出した。あんた達…人の不幸をそんなネタのように~!そうは思うが、楽しそうなのでまあ、いいか!そして優勝は何と…アンドリュー!やっぱり女子力高いわね~
ホントはフィリップと二人だけの甘~いお茶会だった筈が、こんなに賑やかな会になってしまったが、これはこれで良いとしましょう!
そう思ってふと見ると、ロブだけが一人真顔でソファに座っている。皆んなカーテシーチャレンジ!第二戦を楽しんでいるけど?…ノリについていけないのかしら?そう心配して近付くと…
「アリシア、今日は俺まで来てゴメンな。俺もあれから色々と考えさせられて…落ち込んでた。それで皆んなで過ごしたいって思って…」
そう言ってちょっと悲しそうな顔をするロブ。これはもしかして何かあった?と感じて、思い切って聞いてみることにした。
「もしかして今日来たのは、私に何か話したいことがあったんじゃない。違う?」
それに動揺したように、口元を震わせるロブ。私はやっぱりそうだったんだ…と思った。だけど無理に言わなくてもいいのよ?と言おうとした時、いきなりロブが堰を切ったように口を開く。
「流石アリシアだね…誤魔化せないよ。君と婚約を解消して直ぐ、俺はルーシーに好きだと告白したんだ!もちろん断られるのは分かってた。それでも君にまで迷惑を掛けたんだ…だから言うだけ言ってみようって。そしたら笑い飛ばされたよ…あなたが私に?とか言われて。それから直ぐにあの二人は付き合い始めた。おまけにこれからは近付かないように言われたんだ…ルーシーに」
はああっ?殿下とルーシーが付き合い始めたから、ロブには近付くなって?そしてあの中庭の様子から、それはニクソンにも適用されているんだろう。だけどそれって、何だか違くない?いくら何でも失礼だと思うんだけど…元は仲の良い友達だったのよ?おまけに何度となく助けられているくせに…
そして私は、なんだか空恐ろしさを感じた。ルーシーは、自分を守りたい程に好きだと言ってくれる人を笑い飛ばし、そんなに容易く切り捨てられる人間なんだと。おまけに確か、ニクソンはお馴染みだったはずよね…それなのにそこまで非情になれるもの?
「それでね、アリシア…聞いてる?私達ビックリしちゃって。だってあなたが皇居で倒れたって聞いて…学園でも大騒ぎだったのよ?おまけに皇太子殿下もそれ以降学園には来ないし…。それで凄い憶測が飛び交ったのよ!」
ブリジットが目を丸くしながらそう言うが、凄い憶測?それを聞くのも恐ろしい!それに真実を話して良いものか…と迷う。
お父様が言うには、皇帝陛下は箝口令を敷くことは無かったそうだ。息子であるスティーブ殿下の責任である今回のこと、一方的に言わないように命令するには、事が大きくなり過ぎたと思われたようだ。そしてそれを私にまで強制するのは、言語道断だと思われたらしい。だからその経緯を話したとしても悪い訳ではない…かと言って、それを広めようとも思わないけど…。だけど気の置けない親友達プラス1(ロブ)のこと…正直に言って大丈夫だよね?と判断する。
「あのね、私ある事で皇帝陛下から呼び出されたのよ。それをね殿下は、陛下に告げ口しに来たのだと誤解したの。もちろん私は事実しかお話ししてないわよ?そしてその後薔薇園を見せていただいて、そこでスティーブ殿下とばったり会ったんだけど…」
皇帝陛下から依頼された内容までは話せない!そこのところは濁しておいて、殿下とどうして会うことになったかを説明した。今となっては偶然に会ったとは思えないけど…きっと私が帰るタイミングを見計らって、現れたのだと思う。
「そうね、アリシアは皇帝陛下に命を救っていただいたのだものね。それで呼び出されたとしても不思議はないわ。それをスティーブ殿下が誤解を…それで?」
これもまた定かではないけれど、皇帝陛下からの依頼を知っているのかも知れないキャロライン。皇居に行くことになった経緯を上手く誤魔化してくれた。ナイスアシストよ~!
それから私は、この事件の肝心の部分を話し出す。
「それでカーテシーでご挨拶したの。だって学園内じゃなくて皇居でしょ?正式にと思って。そしたら…何時まで待ってもお声を掛けられ無かったってわけ。そうね…15分くらい経った後は、もう覚えてないわ!20分近かったのかしら?そのくらいの時間、そのままの姿勢で立たされたままだったの…」
──ガタリッ!
それには思わず皆んなは、ショックで立ち上がろうとする。信じられない!と愕然としながら…
「嘘でしょう?こんな暑い時期なのよ…屋外で、この炎天下の中で20分近くですってー!」
「正気か!あいつ…アリシアがそんな酷い目に!?」
キャロラインとアンドリューがそう叫んで憤る。その他の面々は驚き過ぎて言葉にならないようだった。そして、この人も…
「それは酷過ぎませんか?皇太子殿下がそんな方だったとは!そういえばあの時もそうでしたよね?アリシア様に対して、決めつけるような発言を…」
フィリップ~!それは言っちゃいけないのよ…ここでその事を知っているのは、あなたとロブだけなのに。おまけにロメオも、それは何だ?と身を乗り出している。そう言えはロメオ…何故ここにいるの?男女二人だけじゃないのに…
「それは聞き捨てならない!」✕4プラスロメオ!
そこで仕方なく例の私の暴言事件を告白することになった。あれなかなかに恥ずかしいことだし、黙っておこうと思ってたんだけど…そしてその時、フィリップとロブに助けられたことも説明する。
「ちょっとお嬢様!気持ちは分かりますけど、それはちょっと~」
誰よりも早くそう反応したのはロメオ。だから何で居るんだって!?
「そうそう!あなた一歩間違えれば退学よ?ホント向こう見ずなんだから~」
「すげぇな!お前~怖い物なしにも程があるな?」
クリスティーヌやアンドリューもそう言って心配し、皆はそれに驚きウンウン頷いている。だけどこの中で反応の違う人が一人…えぇっ!
「グスッ…アリシア、わ、私の為なんだったら、止めてちょうだい!あなたが…いなくなったら私…うわぁーん!」
そう言ってキャロラインは大粒の涙を溢す…
びっくりした!スティーブ殿下やルーシーから、今までどんな嫌味を言われようとも、これ程に泣くことなんか無かったキャロライン。これには私も流石に反省する。こうやって悲しませてしまうところだったんだなぁ…と。私は席を立ち、そっと近付いた…そして涙が止まらないキャロラインを抱き締める。
「ゴメンね…キャロライン。だって私、本当に腹が立ったの。あの人達あなたが優しいことをいいことに、お構い無しで…」
そう言って背中をヨシヨシしながら、それからヒョイと手を出す。そこにロメオがシュタッと近付き、手の上にハンカチを置く。それで親友の頬を濡らす涙をふき取った…もしかしてこの為にいたの!ロメオ?
「ちょっと!泣かせるじゃないのよ。でもその場面、私も見たかったわ~。そして、どうりで殿下とルーシーが堂々としていたのか分かったわ…そういうことだったんだ」
ブリジットは苦い顔をして、そう納得している。あの一件を知らないカフェテリアにいた人達は、急に二人が仲を隠さなくなって戸惑ったに違いない。実は私のしたことで、二人の仲がより深まったとは思わないものね…反省!
「さあさ、皆んなお茶でも飲みましょう?お菓子もこんなに沢山あるんだから。フィリップ様も遠慮なくね!」
それから私達は、私がいない間の学園のことを話したりして、お茶会を始める。気の置けない者同士、細かな作法は完全無視して、思い思いに食べたり飲んだりした。それからカーテシーチャレンジ!なるものが始まり、誰がそのままで長く居られるかの謎の我慢比べをやり出した。あんた達…人の不幸をそんなネタのように~!そうは思うが、楽しそうなのでまあ、いいか!そして優勝は何と…アンドリュー!やっぱり女子力高いわね~
ホントはフィリップと二人だけの甘~いお茶会だった筈が、こんなに賑やかな会になってしまったが、これはこれで良いとしましょう!
そう思ってふと見ると、ロブだけが一人真顔でソファに座っている。皆んなカーテシーチャレンジ!第二戦を楽しんでいるけど?…ノリについていけないのかしら?そう心配して近付くと…
「アリシア、今日は俺まで来てゴメンな。俺もあれから色々と考えさせられて…落ち込んでた。それで皆んなで過ごしたいって思って…」
そう言ってちょっと悲しそうな顔をするロブ。これはもしかして何かあった?と感じて、思い切って聞いてみることにした。
「もしかして今日来たのは、私に何か話したいことがあったんじゃない。違う?」
それに動揺したように、口元を震わせるロブ。私はやっぱりそうだったんだ…と思った。だけど無理に言わなくてもいいのよ?と言おうとした時、いきなりロブが堰を切ったように口を開く。
「流石アリシアだね…誤魔化せないよ。君と婚約を解消して直ぐ、俺はルーシーに好きだと告白したんだ!もちろん断られるのは分かってた。それでも君にまで迷惑を掛けたんだ…だから言うだけ言ってみようって。そしたら笑い飛ばされたよ…あなたが私に?とか言われて。それから直ぐにあの二人は付き合い始めた。おまけにこれからは近付かないように言われたんだ…ルーシーに」
はああっ?殿下とルーシーが付き合い始めたから、ロブには近付くなって?そしてあの中庭の様子から、それはニクソンにも適用されているんだろう。だけどそれって、何だか違くない?いくら何でも失礼だと思うんだけど…元は仲の良い友達だったのよ?おまけに何度となく助けられているくせに…
そして私は、なんだか空恐ろしさを感じた。ルーシーは、自分を守りたい程に好きだと言ってくれる人を笑い飛ばし、そんなに容易く切り捨てられる人間なんだと。おまけに確か、ニクソンはお馴染みだったはずよね…それなのにそこまで非情になれるもの?
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エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
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