Good day !

葉月 まい

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二人の初フライト

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オフィスにShow Up(出社)し、出社確認表にサインとメールボックスチェックをしてから、大和やまとはその日のフライトスケジュールを確認する。

(今日は福岡往復。コーパイは、藤崎…けいしん?と読むのか。初めましてだな。いや、なんか聞いたことあるような…)

宙を見ながら、藤崎…と呟いて記憶を辿る。

(あ!先月パリ便で一緒だった伊沢が話してた同期か)

人一倍真面目な努力家だが、数々の不運に見舞われていて心配だと伊沢が言っていた同期の名前が、確か藤崎だった。

(なるほど。じゃあその点も含めて今日は気をつけておこう)

そう思いながら、フライトバッグが並べられたオフィスの一角に自分もバッグを置く。

すると、誰かが近づいてきて頭を下げた。

「佐倉キャプテン、おはようございます。本日、福岡便ご一緒させて頂く藤崎と申します。よろしくお願い致します」
「えっ!」

大和は、まじまじと相手を見つめる。
身長は165cmほどだろうか。
すらりとしたスタイルに、くりっとした瞳と柔らかいボブヘアで、パイロットの制服を着ているがどう見ても女性だった。

(え、ちょっと待て。藤崎…)

慌ててスケジュールの名前を確認する。

「ごめん、君、下の名前は?」 
「あ、はい。藤崎 えまと申します」
「えま?あー、そうか。確かにそうだな」

恵真は普通に「えま」と読めるのに、勝手に男性だと思い込んで「けいしん」と読んでいた。

「あ、すまない。機長の佐倉です。今日はよろしく」

ぼんやりして、挨拶もしていなかった。 
大和が改めて名乗ると、恵真ももう一度、よろしくお願い致しますと頭を下げた。



「今日は復路の羽田着陸で天候が荒れそうだな」

二人でモニターを見ながらブリーフィングをする。

搭乗前に機長とフライトプランを立てる為、恵真は決められたShow Upの時間よりも1時間以上早く来て準備をしていた。

気象・ノートム(航空情報)・整備状況・重量・燃料・積載物について確認することが航空法で定められており、頭文字を取って『気ノ整重燃積』と恵真は覚えていた。

頭の中にまとめておいた情報を恵真が伝えると、大和は頷き、問題は羽田の天候だな、と二人で念入りに確認する。

今日は北日本を東に進んでいる低気圧の影響で、ちょうど羽田に帰って来る頃に猛烈な風に見舞われる予報だった。

羽田の離発着は大和がPF(Pilot Flying)を、大きな問題がなければ福岡では恵真がPFを務めることを確認してブリーフィングを終える。

並んでシップに向かいながら、大和は何を話そうかと思案していた。

社内で女性パイロットを見かけることはあるが、一緒に乗務するのは初めてだった。

(それに伊沢に話を聞いてから、勝手に頭の中で男性をイメージしてたからなあ。まさか女性だったとは。確かに真面目な努力家って感じだな。ブリーフィングでも情報の伝え方がスムーズで的確だったし、やりやすかった)

そんなことを考えていると、隣で小さく、すみませんと声がした。

「ん?どうした」

歩きながら恵真を見ると、うつむいたまま話し出す。

「あの、やりづらいですよね?私と組むの。すみません」
「なぜ謝る?」
「それはその、キャプテンは皆さん女性のコーパイと組むのは初めてだっておっしゃる方が多くて。何を話せばいいか分からないと…」

毎回そんなことを心配しながら乗務しているのかと、大和は小さくため息をつく。

「君が気にする必要はない。女性でも男性でも、そこに違いはないんだからな。互いに協力して飛行機を安全に飛ばす、ただそれに集中すればいい」
「はい。分かりました」

恵真は真剣な表情で頷いた。



コックピットに乗り込み、整備士との確認を済ませると、大和は外部点検に向かう。

恵真はその間に、コンピュータに今日の滑走路や飛行経路、重量、重心位置、燃料搭載量などを入力していく。

CAとのブリーフィングを終え、乗客の搭乗も完了、出発5分前となった。

PM(Pilot Monitoring)を務める恵真は、管制官と交信する。

「Tokyo Delivery, JW 247. Spot 64」

「JW 247, Tokyo Delivery. Go ahead」

「Tokyo Delivery, JW 247.Request clearance to Fukuoka Airport, proposing flight level 380, information B」

「JW 247, clearance. Ready to copy?」

「JW 247. Go ahead」

「JW 247, cleared to Fukuoka Airport via RITLA1 departure, flight planned route. Maintain flight level 180. Squawk 2745. Read back」

恵真は伝えられた内容を復唱した。

「JW 247, read back is correct. Monitor Ground. Report when ready for push back」
 
恵真が復唱し、やがてボーディングブリッジが離される。

「よし。じゃあ、プッシュバック始めるか」
「はい。リクエストします」

大和にそう言ってから、恵真は今度は地上の管制官に許可を求める。

「Tokyo Ground, JW 247. Request push back. Spot 64. Information B」

「JW 247. Push back approved. Runway 05, heading south」


恵真が復唱し、大和がカンパニーラジオで地上のヘッドセットオペレーターと話し始める。

「グランドさん、コックピット佐倉です。プッシュバックお願いします。ノーズはサウスです」

ザザッとノイズが入ったあと、機体のすぐ近くに控えていた整備士が応答する。

「コックピット、グランドです。ノーズサウス、了解しました。リリース、パーキングブレーキ」
「了解。パーキングブレーキ、リリース」
「プッシュバック開始します」

トーイングカーのクラクションが鳴り、機体が動き出すと、エンジンをスタートさせて整備士にもチェックしてもらう。

「スタート、ライト エンジン」
「ライト エンジン、スタート、OK」
「スタート、レフト エンジン」
「レフト エンジン、スタート、OK」

無事に両方のエンジンがスタートした。

「エンジン スタート、ノーマル」
「エンジン スタート、ノーマル、了解です。プッシュバック完了しました。セット、パーキングブレーキ」
「了解。パーキングブレーキ、セット」

そして、地上設備を全て外してもらう。

「Equipment, all disconnect」
「了解です。行ってらっしゃい!良いフライトを」

合図を送ってくれる整備士に、大和と恵真もサムアップで応えた。

飛行機はいよいよ自力走行に入るが、ここでも管制官の許可が必要となる。

「Tokyo Ground, JW 247. Request taxi」
「JW 247. Runway 05, taxi via E, S to holding point D1」

恵真がリードバックしたあと、大和はタキシングを開始する。

途中で管制官からタワーにコンタクトするよう指示され、恵真は周波数を合わせてからタワーに呼びかけた。

「Tokyo Tower, JW 247. On your frequency」
「JW 247, Tokyo Tower. Follow the traffic」
「Follow the traffic. JW 247」

今日は滑走路が混んでおり、列に並んで待つように指示がきた。

「何番目だ?んー、5機目か。10分はかかるな」

大和の言葉に恵真も、そうですねと答える。
ここはおとなしく待つほかない。

その間も、離陸前のチェックリストを確認していく。

やがて順番になり、タワーから離陸許可が下りた。

「JW 247. Turn right heading 120. Wind 300 at 14. Runway 05. Cleared for takeoff」
 「Turn right heading 120. Runway 05. Cleared for takeoff, JW 247」

恵真がリードバックを終えると、大和の気合いのこもった声がした。



「よし、行くぞ」
「はい」
「Cleared for takeoff」
「Runway clear. Cleared for takeoff」

大和がスラストレバーを約20TPR
(Turbofan Power Ratio)まで押し進め、エンジン計器に異常がないことを確認した恵真は「Stabilize」とコールした。

続いて大和はTO/GAスイッチを押すと同時にブレーキをリリース。
スラストレバーは、自動的に離陸位置に入る。

ゆっくりと機体が動き出し、オートスロットルのモードが変わるのを確認した恵真は「Thrust Ref」とコールした。

機体は滑走路の上をどんどん加速して走り続ける。

エンジン推力を表す指標が離陸推力まで達したのを確認し、恵真は「Thrust Set」とコールする。

対気速度計が80ノットに達した。

「Eighty」
「Checked」

恵真のコールに、自分の目で計器を確かめた大和が応える。

続いてオートスロットルがHOLDモードになっていることを確認し「Hold」とコール。

ここまでわずか数秒。
だが決して気は抜けない。
この時点で何か異常があれば、即座に離陸を中止しなければならないからだ。
恵真はモニターのあちこちに目を走らせる。

やがて離陸決心速度に達した。

「V1」
大和の右手がスラストレバーから離れた。

「VR」
ゆっくりと大和が操縦桿を引き、機首が空へと引き上げられる。

「V2」
安全離陸速度に入り、昇降計の上昇指示を確認した恵真は、さらに「Positive」とコールする。

「Gear up」
「Roger. Gear up」

ギアが無事に格納されたのをチェックすると、管制官から交信が入る。

「JW 247. Contact Departure. Good day!」
「Contact Departure, JW 247. Good day!」



無事に巡航に入り、ふうと小さく息を吐いてから、大和は隣の恵真に目を向ける。

管制官とのやり取りや離陸時のコールなど、PMとしての働きに申し分はなかった。

今も熱心にモニターをチェックし、フライトプランを確認している。

(クルージングの間くらい、少しは肩の力を抜いたらいいのに。まさか国際線でも、そうやって何時間も張りつめたままなのか?)

そう思っていると、急に恵真が両目をギュッとつぶり、何かを堪えるように身体を硬くした。

「おい、どうした?大丈夫か?」

もしや体調に異変が?と、思わず顔を覗き込む。

「あ、はい。大丈夫で…っくしゅん!」
「…は?」

大和は目をしばたたかせる。

(え?まさか、くしゃみを我慢していたとか?)

思わず笑い出し、Bless you と声をかけると、すみません、と恵真はうつむく。

大和は笑いを収めた。

「どうしてそうすぐに謝る?」
「え、あの。キャプテンの邪魔をしてはいけないと思いまして…」
「は?だからくしゃみを我慢したのか?」
「あ、その、まあ、はい」

はあ、と大和はため息をつく。

「くしゃみくらいで動揺して操縦を誤るようではパイロットは務まらない。それともそんなに俺の操縦は危うかったか?」
「いえ!そんな。とんでもないです」
「だったらくしゃみでもしゃっくりでも、我慢せずにしたらいい」
「あ、くしゃみはたまに出るんですけど、しゃっくりは今のところフライト中に出たことはないです」
「は?いや、そう真面目に返されると困るんだけど…」
「ええ?!あの、すみません」

身を縮こめてから、またチェックを再開した恵真に、これは伊沢も心配になる訳だと大和は思った。



しばらくしてから、ふと大和は恵真に声をかけた。

「好きなウェイポイントあるか?」
「え?それは、ルートが目指しやすいとか、そういうことですか?」
「違うって。単にお気に入りってこと。名前が面白いとか、景色がきれいとかさ」

ウェイポイントとは、航空路に設定された地点のことで、簡単に言うと空につけられた地名のようなものだ。

アルファベット5文字という決まりはあるが、つけ方は自由で、各地の名産や有名人、方言などが使われた所もある。

関西付近では「HONMA」「KAINA」や「MAIDO」「OKINI」など、続けて読むと「ほんまかいな」「まいどおおきに」となるような面白いポイントもある。

「えっと、私は、高知付近ですかね」
「ああ、空飛ぶパンのヒーローね」
「はい。あとは愛知の、アニメーション映画のプリンセスの名前とか」
「ふーん、やっぱり女の子だね」
「え、そ、そうですか?」

照れたようにうつむく恵真は、ほんのり顔を赤らめている。

「佐倉キャプテンは?どこがお気に入りなんですか?」

珍しく恵真の方から話しかけてくる。

「俺?そうだな、広島のあたりかな」
「あ、車ですか?」
「うん。なんか面白くてさ。飛行機に乗ってるのに車?って」
「ふふ、確かにそうですね」
「今向かってる福岡も好きだよ」
「ビール、ですね?」
「そう。どれにしようかなってたまに悩む」
「あはは!」

恵真が明るく笑い声を上げる。

(へえ、こんなに楽しそうに笑ったりもするんだな)

この話題は正解だったかも、と思いながら、大和はさらに話を続けた。

「松山空港周辺のウェイポイント分かるか?」
「えっと『SAKAR』『NOUEH』『NOKMO』ですか?」
「そう。それ、どうやって覚えた?」
「え?普通に暗記しましたけど…」
「全部繋げると『坂の上の雲』になるよ」

え!と恵真が目を丸くする。

「ほんとだ!わあ、すごい!」

そう言って、大和に笑顔を向ける。

「もっと早く知りたかったです」
「もっと早く聞いてくれれば教えたのに」

ふふっと恵真は、すっかり気を許したように笑う。

(普通の女の子だな。良かった、素顔が分かって)

大和も恵真に笑いかけた。



そうこうしているうちに福岡空港が近づき、二人はランディングブリーフィングを行う。

予定通り、今度は恵真が操縦して着陸することになった。

TODと呼ばれる、3度の角度で着陸するための降下開始点や進入方式を確認すると、大和が恵真に告げた。

「You have control」
「Roger. I have control」

恵真はキリッと顔つきを変えて操縦桿を握る。

順調に高度を下げ、やがて最終着陸態勢に入った。

「Gear down」

ランディングギアを下ろし、無事に固定されたことを緑の3つのランプで確認する。

「Three green, checked」

着陸決心高度の100フィート手前に到達し、大和が低く張りのある声でコールする。

「Approaching minimum」
「Checked」

恵真も確認して呼応する。

「Minimum」
「Landing」

着陸を告げた恵真は、滑走路の脇にあるPAPIと呼ばれるランプが、適正進入角を示す白白赤赤になっていることを確認しながら、慎重にスラストレバーを絞っていく。

『One hundred』

自動音声が地上までの高度をコールする。

『Fifty…』

『Ten』

メインギアが接地した。
スピードブレーキ・レバーがUP位置にあることを確認した大和が「Speed brakes up」とコールする。

恵真はリバース・スラストレバーを引き上げてスラスト・リバーサーを作動させた。

「Reverse normal」

機体は一気にスピードを落としていく。

しばらくして大和が「Sixty」とコールし、恵真はレバーを戻した。

「Autobrake disarm」

大和が管制官と交信するのを聞きながら、指定された誘導路を通って到着ゲートに入る。

パーキングブレーキをセットしてエンジンを停止させると、車輪がブロック・インされた。

恵真はキャビンのシートベルトサインをオフにし、ポンプ類やライトなども消した。

キャビンから続々と乗客が降りて行く。

ようやく肩の力を抜いた恵真に、大和が「ナイスランディング」と声をかける。 

「あ…、ありがとうございます」

思わず頭を下げると、大和は真剣な表情で続けた。

「なんか、不思議な感覚だったよ」
「えっ?!私、何かミスしましたか?」

驚いて大和に向かい合う。

「いや、そうじゃないよ。本当に良いランディングだった。静かだし、危なげないし」

そう言うと大和は、少し考える素振りをする。

「ランディングが得意な人はたくさんいるけど、君のランディングは、なんていうか、雲の上にふわっと下りたみたいな感じだった。あんな感覚は初めてだ。すごく丁寧で女性らしくて…。あ、ごめん。いい意味でだよ?」

慌てて恵真の顔を覗き込む大和に、恵真は笑顔で、ありがとうございますとお礼を言った。
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