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Snowy Crystal
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街にクリスマスソングが流れる季節に合わせて、想の新曲がリリースされた。
タイトルは『Snowy Crystal』
ピアノの弾き語りでアコースティックなナンバーは、いつものジレンマは感じずに素直に書け上げることができた。
「もっとこう、恋だの愛だのを全面に押し出したラブソングにしてほしかったなあ。ま、英語のタイトルだしクリスマスの雰囲気には合ってるから、いいか」
本田はそう言って、いつものようにアレンジすることはなく、曲をそのまま売り出してくれた。
ミュージックビデオも、グランドピアノに向かって演奏する想に雪が舞い落ちるシンプルな映像。
初めてストレスを感じずに曲をリリースできたことが、想はなによりも嬉しかった。
真夜中に静かに降り積もる雪。
聖なる夜にひとり、天を仰いで手のひらに載せた結晶。
その美しさに見とれた次の瞬間、スッと溶けて消えてしまう。
はかないから美しい。
孤独の中で感じた一瞬の幸せ。
心の奥に閉じ込めるしかない想い。
それでも微笑む。
たとえひとときでも、確かな温もりをくれた君に……
この曲に込めた想いを、ピアノの音に乗せて歌う。
演奏している時だけは、小夜との思い出に向き合うことができた。
このままいつかきっと、小夜への気持ちを昇華できる。
そんな気がしていた。
*
「えっと、ではいくつか新曲について質問させてください」
新曲のリリースに合わせて、想は連日取材を受ける。
今日は音楽雑誌のインタビューで、三十代の男性編集者の質問に答えていた。
「今回の新曲『Snowy Crystal』は、恋人たちの為の曲とは少し違って切ないナンバーだという印象を受けますが、いかがですか?」
「そうですね、楽しくて明るいクリスマスソングではないです。どちらかと言うと自分は、クリスマスには静かな『きよしこの夜』を演奏したくなります。この『Snowy Crystal』もそのイメージで書きました」
「なるほど。雪の結晶に重ねて恋人への想いを歌った歌にも感じられますが?」
「この曲を聴いてなにを思い浮かべ、どう受け止めるかは、聴いてくださる方それぞれ違って当然だと思っています。なにかを感じていただけたら本望です」
「うーん、想さんは相変わらず掴みどころがないというか、あんまり本音を語ってくれませんよね」
苦笑いする編集者に、想は視線を伏せる。
「すみません、口が上手くなくて」
「いえいえ。アーティストですから、音で語るってことですよね。でもちょっとだけ突っ込んだ質問をさせてください。想さんはこれまで、いわゆる王道のラブソングを書かれていないですよね。それはなぜですか?」
「王道の、ラブソング、ですか?」
「はい。わかりやすく言うと、歌詞にアイラブユーとか、君が好きだと入っていたり……」
「ああ、そうですね。そういった歌詞は書いたことはありません。実際に言ったこともないので」
すると編集者だけでなく、隣で聞いていた本田までもが「えっ!」と声を上げた。
「ちょ、ちょっと待て、想。すみません、今のセリフはカットで」
本田はあたふたと話を遮って、想の方へ身を乗り出す。
「お前な、なに路線だよ、それ」
「なに路線って?」
「クールなキャラとか、硬派なタイプならわかる。でも、女を好きになったこともない、みたいな言い方するな」
「まあ、実際そんな感じですし」
「わー! あの、ほんとすみません。オフレコでお願いします」
編集者に向かって必死に手を合わせてから、本田はまた想に向き直ってため息をついた。
「頼むよ、想。ちょっとは考えてくれ。お前のファンは、お前に恋してくれてるんだぞ? それなのにそんな、バッサリ斬り落とすみたいな……。ファンサービスってもんがあるだろうよ。ウインクしろとか笑顔で手を振れとは言わないけどさ、ちょっとは世の女性たちをキュンとさせるようなこと言ってくれ」
「……なにを言えばいいですか?」
「そうだな。好きなタイプとか、理想のデートとか。女の子にこういう仕草でこんなこと言われると好きになっちゃいます、みたいなことをちらっと匂わせるんだよ。なんかないのか? 過去にあったシチュエーションとか」
「デートとか、まともにした記憶ないんで。どの子とのつき合いも、軽い感じだったし」
「おまっ、どんな人生送ってきたんだよ? そんなんで曲が書けるのか?」
「だからラブソングが書けないんだと思います」
「ああ、そうか。って、俺を納得させてどうする!」
まあまあと、編集者が手を伸ばして苦笑いした。
「そこは上手くこちらで書かせていただきます。露骨に恋だの愛だの言わずに、寡黙な雰囲気を醸し出す想さんだからこそのファンもいますからね。でも個人的には、僕はいつか想さんのラブソングを聴いてみたいです」
最後はそう言って、編集者は想に屈託のない笑顔を見せた。
*
『Snowy Crystal』を書き上げてから、想はようやく本格的に『小夜曲』の曲作りに入った。
それまでは書こうとするたびに心が乱れ、小夜を思い出して苦しくなり、どうしても楽譜にすることができずにいた。
だが素直に『Snowy Crystal』を作れたことで、そのままの気持ちで『小夜曲』を書ける気がしていた。
今なら向き合える。
あの時の気持ちに。
素直に喜べる。
小夜と出逢えたことを。
切なさよりも幸せを感じられる。
あの夜のひとときに。
心のままに音にしたセレナーデ。
この曲と共に、小夜との思い出もそっと大事にしまっておこう。
そう思った。
一方で、これまで頑なに断っていたテレビ出演も、いくつか引き受けた。
『Snowy Crystal』は、ピアノの弾き語りだ。
アコースティックに、自分のピアノと声だけで演奏できる。
それならと、トークのいらない落ち着いた雰囲気の音楽番組にいくつか出演した。
これまで以上に想の知名度が上がり、本田は両手を上げて喜ぶ。
その姿に、少しは恩返しできたと想もホッとした。
*
クリスマスの特別番組に出演したある日、無事に収録を終えて控え室に戻ると、想はふと『小夜曲』の楽譜を手にした。
(この曲をきちんと演奏したい)
スタジオで曲作りの為だけにしか弾いてこなかったが、想いを込めて音にしたい。
そうすることで初めてこの曲は完成する。
そう思った。
だからといって、人前で演奏する気にはなれない。
もちろんこの曲を売り出すつもりもなかった。
(誰にも触れさせない。俺の一番大切なこの曲には)
グッと唇を引き結ぶ。
そしてふと遠くを見つめて考えた。
どこで演奏するのがふさわしいだろうと。
(……あのバーは?)
マスターに頼んで、貸切りにさせてもらえないだろうか。
あのバーこそ、この曲を弾くのにふさわしい。
いや、あそこ以外の場所では弾く意味がない。
そう思った。
早速スマートフォンを取り出し、ホテルのホームページからバーの連絡先を探して電話をかける。
マスターに「以前一度そちらで演奏させていただいた来栖です」と名乗ると、すぐに『ああ、 来栖さん』と嬉しそうな声が返って来た。
『どうかしましたか? ひょっとして、またうちで演奏してくれる気になったとか?』
そう言われて想は声のトーンを落とす。
「いえ、そういう訳ではなくて恐縮ですが。実はお願いがありまして」
バーの営業時間が終わったあと、十五分だけでいいから貸切りでピアノを弾かせてもらえないかと話すと、マスターは少し押し黙ってからすぐに明るく答えた。
『いいですよ』
想はスマートフォンを持つ手に力を込めた。
「本当ですか?」
『ええ。営業終了後だと深夜の一時になりますが、それでよければ』
「はい、もちろんです。よろしくお願いします。貸切り料金は、一時間分でも二時間分でもお支払いしますので」
『いりませんよ、そんなの。それより、日程はこちらで指定しても構いませんか?』
思わぬ言葉に、想は一瞬首をひねる。
「あ、はい。大丈夫です。いつ伺えばよろしいですか?」
『来週の木曜日に』
「来週の木曜ですね、承知しました。では営業時間が終わる頃にお伺いします。よろしくお願いいたします」
そう言って電話を終えた。
タイトルは『Snowy Crystal』
ピアノの弾き語りでアコースティックなナンバーは、いつものジレンマは感じずに素直に書け上げることができた。
「もっとこう、恋だの愛だのを全面に押し出したラブソングにしてほしかったなあ。ま、英語のタイトルだしクリスマスの雰囲気には合ってるから、いいか」
本田はそう言って、いつものようにアレンジすることはなく、曲をそのまま売り出してくれた。
ミュージックビデオも、グランドピアノに向かって演奏する想に雪が舞い落ちるシンプルな映像。
初めてストレスを感じずに曲をリリースできたことが、想はなによりも嬉しかった。
真夜中に静かに降り積もる雪。
聖なる夜にひとり、天を仰いで手のひらに載せた結晶。
その美しさに見とれた次の瞬間、スッと溶けて消えてしまう。
はかないから美しい。
孤独の中で感じた一瞬の幸せ。
心の奥に閉じ込めるしかない想い。
それでも微笑む。
たとえひとときでも、確かな温もりをくれた君に……
この曲に込めた想いを、ピアノの音に乗せて歌う。
演奏している時だけは、小夜との思い出に向き合うことができた。
このままいつかきっと、小夜への気持ちを昇華できる。
そんな気がしていた。
*
「えっと、ではいくつか新曲について質問させてください」
新曲のリリースに合わせて、想は連日取材を受ける。
今日は音楽雑誌のインタビューで、三十代の男性編集者の質問に答えていた。
「今回の新曲『Snowy Crystal』は、恋人たちの為の曲とは少し違って切ないナンバーだという印象を受けますが、いかがですか?」
「そうですね、楽しくて明るいクリスマスソングではないです。どちらかと言うと自分は、クリスマスには静かな『きよしこの夜』を演奏したくなります。この『Snowy Crystal』もそのイメージで書きました」
「なるほど。雪の結晶に重ねて恋人への想いを歌った歌にも感じられますが?」
「この曲を聴いてなにを思い浮かべ、どう受け止めるかは、聴いてくださる方それぞれ違って当然だと思っています。なにかを感じていただけたら本望です」
「うーん、想さんは相変わらず掴みどころがないというか、あんまり本音を語ってくれませんよね」
苦笑いする編集者に、想は視線を伏せる。
「すみません、口が上手くなくて」
「いえいえ。アーティストですから、音で語るってことですよね。でもちょっとだけ突っ込んだ質問をさせてください。想さんはこれまで、いわゆる王道のラブソングを書かれていないですよね。それはなぜですか?」
「王道の、ラブソング、ですか?」
「はい。わかりやすく言うと、歌詞にアイラブユーとか、君が好きだと入っていたり……」
「ああ、そうですね。そういった歌詞は書いたことはありません。実際に言ったこともないので」
すると編集者だけでなく、隣で聞いていた本田までもが「えっ!」と声を上げた。
「ちょ、ちょっと待て、想。すみません、今のセリフはカットで」
本田はあたふたと話を遮って、想の方へ身を乗り出す。
「お前な、なに路線だよ、それ」
「なに路線って?」
「クールなキャラとか、硬派なタイプならわかる。でも、女を好きになったこともない、みたいな言い方するな」
「まあ、実際そんな感じですし」
「わー! あの、ほんとすみません。オフレコでお願いします」
編集者に向かって必死に手を合わせてから、本田はまた想に向き直ってため息をついた。
「頼むよ、想。ちょっとは考えてくれ。お前のファンは、お前に恋してくれてるんだぞ? それなのにそんな、バッサリ斬り落とすみたいな……。ファンサービスってもんがあるだろうよ。ウインクしろとか笑顔で手を振れとは言わないけどさ、ちょっとは世の女性たちをキュンとさせるようなこと言ってくれ」
「……なにを言えばいいですか?」
「そうだな。好きなタイプとか、理想のデートとか。女の子にこういう仕草でこんなこと言われると好きになっちゃいます、みたいなことをちらっと匂わせるんだよ。なんかないのか? 過去にあったシチュエーションとか」
「デートとか、まともにした記憶ないんで。どの子とのつき合いも、軽い感じだったし」
「おまっ、どんな人生送ってきたんだよ? そんなんで曲が書けるのか?」
「だからラブソングが書けないんだと思います」
「ああ、そうか。って、俺を納得させてどうする!」
まあまあと、編集者が手を伸ばして苦笑いした。
「そこは上手くこちらで書かせていただきます。露骨に恋だの愛だの言わずに、寡黙な雰囲気を醸し出す想さんだからこそのファンもいますからね。でも個人的には、僕はいつか想さんのラブソングを聴いてみたいです」
最後はそう言って、編集者は想に屈託のない笑顔を見せた。
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『Snowy Crystal』を書き上げてから、想はようやく本格的に『小夜曲』の曲作りに入った。
それまでは書こうとするたびに心が乱れ、小夜を思い出して苦しくなり、どうしても楽譜にすることができずにいた。
だが素直に『Snowy Crystal』を作れたことで、そのままの気持ちで『小夜曲』を書ける気がしていた。
今なら向き合える。
あの時の気持ちに。
素直に喜べる。
小夜と出逢えたことを。
切なさよりも幸せを感じられる。
あの夜のひとときに。
心のままに音にしたセレナーデ。
この曲と共に、小夜との思い出もそっと大事にしまっておこう。
そう思った。
一方で、これまで頑なに断っていたテレビ出演も、いくつか引き受けた。
『Snowy Crystal』は、ピアノの弾き語りだ。
アコースティックに、自分のピアノと声だけで演奏できる。
それならと、トークのいらない落ち着いた雰囲気の音楽番組にいくつか出演した。
これまで以上に想の知名度が上がり、本田は両手を上げて喜ぶ。
その姿に、少しは恩返しできたと想もホッとした。
*
クリスマスの特別番組に出演したある日、無事に収録を終えて控え室に戻ると、想はふと『小夜曲』の楽譜を手にした。
(この曲をきちんと演奏したい)
スタジオで曲作りの為だけにしか弾いてこなかったが、想いを込めて音にしたい。
そうすることで初めてこの曲は完成する。
そう思った。
だからといって、人前で演奏する気にはなれない。
もちろんこの曲を売り出すつもりもなかった。
(誰にも触れさせない。俺の一番大切なこの曲には)
グッと唇を引き結ぶ。
そしてふと遠くを見つめて考えた。
どこで演奏するのがふさわしいだろうと。
(……あのバーは?)
マスターに頼んで、貸切りにさせてもらえないだろうか。
あのバーこそ、この曲を弾くのにふさわしい。
いや、あそこ以外の場所では弾く意味がない。
そう思った。
早速スマートフォンを取り出し、ホテルのホームページからバーの連絡先を探して電話をかける。
マスターに「以前一度そちらで演奏させていただいた来栖です」と名乗ると、すぐに『ああ、 来栖さん』と嬉しそうな声が返って来た。
『どうかしましたか? ひょっとして、またうちで演奏してくれる気になったとか?』
そう言われて想は声のトーンを落とす。
「いえ、そういう訳ではなくて恐縮ですが。実はお願いがありまして」
バーの営業時間が終わったあと、十五分だけでいいから貸切りでピアノを弾かせてもらえないかと話すと、マスターは少し押し黙ってからすぐに明るく答えた。
『いいですよ』
想はスマートフォンを持つ手に力を込めた。
「本当ですか?」
『ええ。営業終了後だと深夜の一時になりますが、それでよければ』
「はい、もちろんです。よろしくお願いします。貸切り料金は、一時間分でも二時間分でもお支払いしますので」
『いりませんよ、そんなの。それより、日程はこちらで指定しても構いませんか?』
思わぬ言葉に、想は一瞬首をひねる。
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