配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第3章77話:来花と出会う

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「実は、私はもともと道場の娘です。剣術道場なんですけど、あ、今は別のところに住んでますが――――」

ルミは歩きながら、語る。

ルミの配信が始まったことは、リスナーたちによってSNSでも宣伝され、そこを入り口に新規ユーザーも入ってきていた。

歩く。

魔物を倒す。

話す。

歩く。

魔物を倒す。

話す。

その繰り返しである。

特に盛り上がるような配信でもないが、まったり配信なので、これでいいだろうとルミは思った。

リスナーたちも、今日はそういう配信なのだと理解し、のんびり楽しむ構えになっていった。

しかし、12階層も中盤あたりに来たときである。

思わぬ遭遇があった。

「……?」

通路の曲がり角を曲がろうとしたとき。

角の向こうから人の気配がした。

ルミは立ち止まる。

すると相手が、普通に曲がってきて、その姿を表わした。

「……!」

ルミは驚いた。

このひとは先日、大学で見かけた人だ。

たしか、来花といったか。

あの日と同じく、騎士のような服とスカートを身につけている。

髪もツインテールだ。

来花は、ルミの姿を見て、驚愕した。

「え……あなた、まさか……ルミ?」

「……ん、どうして私の名前を?」

「あなたの配信は、あたしも見た……見ましたから! というか、やっぱりそうなんだ。え、どうしよ。本物じゃない……こんなの予定にないわよ」

来花はあたふたし始めた。
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