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第十七話 色々とありがとうございます!
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「…………」
アラン様から説明を受けたあたしは、言葉を失った。
イヴァンさんとリシューさんが、まさかそこまであたしのことを考えてくれているとは思ってなくて……嬉しさとか、申し訳なさとか……色々な感情が心の中でごちゃまぜになってしまったの。
「経緯は以上だ。何か他に聞きたいことは?」
「……いえ。その代わりに、一つだけお願いしたいことがあるんです」
「なんだ?」
「お店の新しい従業員が見つかるまでは、あそこで働かせてほしいんです。このまますぐにあたしが無責任に辞めたら、二人の負担が増えちゃうので」
「別に無責任ということはないだろう。二人が提案していることなのだから」
「それでも! それでも……あたしのことを想ってくれた二人に、不義理なことはしたくないんです」
一従業員でしかないあたしのために、色々と考えてくれたうえに、アラン様に頭を下げてくれた二人に、不義理なことはしたくない。
こんなの、ただのあたしの自己満足だけかもしれないけど……ちゃんと二人の優しさに対して、義理で返したい。
ほら、立つ鳥跡を濁さずって言うでしょ? そういうのは、人としてちゃんとやらなきゃね。
「わかった。ミシェルの考えを尊重しよう。俺の方も、今日明日で見つけないといけないものではないからな」
「ワガママを聞いてくれて、ありがとうございます」
「気にするな。俺が噂で聞いていたワガママに比べれば、可愛いものだ」
あたしのワガママの噂……うん、とてつもなく嫌な予感しかしないから、聞かないでおこう。いくら前世の記憶が戻る前といっても、多分聞いたら自己嫌悪に陥りそうだし……。
「話は以上だ。また後日店に顔を出させてもらう」
「はい、待ってますね。では、失礼します」
あたしはアラン様に頭を下げてから、部屋の中で待機していた使用人に外の馬車まで案内してもらい、そのまま帰路についた。
「……ふぅ、色々あって疲れちゃったなぁ……それにしても、アラン様ってやっぱり優しい人なんだなぁ……」
自分のことを疑ってきた相手に、優しいという評価を下すのはおかしいと思う人がいるかもしれないけど、あたしはアラン様が優しいと思っている。
だって、あたしを疑っていたのって、元をたどれば自分の大切な人達が傷つく可能性を考慮したからだ。そんなの、優しくないとできないと思うんだ。
****
「ただいま戻りました!!」
無事に帰ってきたあたしは、家の中には入らずに、ダッシュでお店の中に飛び込んだ。
急ぎ過ぎて、危うく顔から転びそうになったけど、そんなのは今はどうでも良い。
「おや、おかえりミシェルちゃん! わざわざ顔を出しに来てくれたのかい? 嬉しいじゃないか!」
「話は……出来たか?」
「はい、無事に……じゃなくて! アラン様から話は全部聞きましたよ!」
「おや、そうだったのかい。それで、なんて答えたんだい?」
「了承はしました。ですが――」
「なら、早速荷作りをしておいで。ほら、行った行った!」
「ま、待ってください!」
リシューさんに背中を押されてしまったから、急いで止めると、リシューさんは不思議そうな表情を浮かべた。
「アラン様に、あたしの後釜が見つかるまではここで働くって約束をしたので、まだ荷作りは出来ないんです」
「なんだいこの子は、そんなことを気にしてたのかい?」
「俺達は……問題ない。ミシェルは……早く行って、目的を果たすと良い」
「そういうわけにはいきません! あたしのために、裏で色々してくれた二人に、目的を達成する為に、はいさよならなんて出来ません!」
「しかしだな……」
必死に想いをぶつけても、中々二人は折れてくれない。それでも、何度も何度も言い続けていると、リシューさんがやれやれと笑った。
「まったくこの子は……本当にアラン様が仰っていたような、悪い子だったんかね?」
「俺も……いまだに信じられない」
「えっと、その件については、色々ありまして……」
二人に隠し事をするような感じで気が引けるけど、ここで前世のことを話してしまったら、話が変に拗れそうだから、黙っておくことにした。
「まあいい。ミシェルが……そこまで言うのなら、お言葉に甘えよう」
「あんた、本気かい?」
「これ以上断ったら……ミシェルに失礼だろう」
「それはそうかもしれないけどねぇ」
「お前も、また一人でホールにつくことになったら、腰がつらいだろう? 最近、また悪くなったと言っていただろう」
「バカ、そんなことを言ったら、ミシェルちゃんに余計な心配をかけちゃうのがわからないのかい!?」
リシューさんは、ギョッとした表情を浮かべながら、イヴァンさんの背中を叩いた。
なら、なおさら今すぐにお店を辞めるわけにはいかないね。
「その、本当にいろいろとありがとうございます。あたし、最後までちゃんとやりきりますから!」
「ああ……期待、している」
よしっ、そうと決まれば……お店の仕事を頑張りつつ、なるべく応募者が増えるように、あたしもお手伝いをしないと!
なにをすればいいかな……もっとアピールできる方法があればいいんだけど……求人ポスターを張りだしたり、町中で声かけをするとか?
って、後釜を探すのも大切だけど、魔法の勉強やアラン様へのお礼探しもしないと! うわぁ、やることが山積みだよ!
アラン様から説明を受けたあたしは、言葉を失った。
イヴァンさんとリシューさんが、まさかそこまであたしのことを考えてくれているとは思ってなくて……嬉しさとか、申し訳なさとか……色々な感情が心の中でごちゃまぜになってしまったの。
「経緯は以上だ。何か他に聞きたいことは?」
「……いえ。その代わりに、一つだけお願いしたいことがあるんです」
「なんだ?」
「お店の新しい従業員が見つかるまでは、あそこで働かせてほしいんです。このまますぐにあたしが無責任に辞めたら、二人の負担が増えちゃうので」
「別に無責任ということはないだろう。二人が提案していることなのだから」
「それでも! それでも……あたしのことを想ってくれた二人に、不義理なことはしたくないんです」
一従業員でしかないあたしのために、色々と考えてくれたうえに、アラン様に頭を下げてくれた二人に、不義理なことはしたくない。
こんなの、ただのあたしの自己満足だけかもしれないけど……ちゃんと二人の優しさに対して、義理で返したい。
ほら、立つ鳥跡を濁さずって言うでしょ? そういうのは、人としてちゃんとやらなきゃね。
「わかった。ミシェルの考えを尊重しよう。俺の方も、今日明日で見つけないといけないものではないからな」
「ワガママを聞いてくれて、ありがとうございます」
「気にするな。俺が噂で聞いていたワガママに比べれば、可愛いものだ」
あたしのワガママの噂……うん、とてつもなく嫌な予感しかしないから、聞かないでおこう。いくら前世の記憶が戻る前といっても、多分聞いたら自己嫌悪に陥りそうだし……。
「話は以上だ。また後日店に顔を出させてもらう」
「はい、待ってますね。では、失礼します」
あたしはアラン様に頭を下げてから、部屋の中で待機していた使用人に外の馬車まで案内してもらい、そのまま帰路についた。
「……ふぅ、色々あって疲れちゃったなぁ……それにしても、アラン様ってやっぱり優しい人なんだなぁ……」
自分のことを疑ってきた相手に、優しいという評価を下すのはおかしいと思う人がいるかもしれないけど、あたしはアラン様が優しいと思っている。
だって、あたしを疑っていたのって、元をたどれば自分の大切な人達が傷つく可能性を考慮したからだ。そんなの、優しくないとできないと思うんだ。
****
「ただいま戻りました!!」
無事に帰ってきたあたしは、家の中には入らずに、ダッシュでお店の中に飛び込んだ。
急ぎ過ぎて、危うく顔から転びそうになったけど、そんなのは今はどうでも良い。
「おや、おかえりミシェルちゃん! わざわざ顔を出しに来てくれたのかい? 嬉しいじゃないか!」
「話は……出来たか?」
「はい、無事に……じゃなくて! アラン様から話は全部聞きましたよ!」
「おや、そうだったのかい。それで、なんて答えたんだい?」
「了承はしました。ですが――」
「なら、早速荷作りをしておいで。ほら、行った行った!」
「ま、待ってください!」
リシューさんに背中を押されてしまったから、急いで止めると、リシューさんは不思議そうな表情を浮かべた。
「アラン様に、あたしの後釜が見つかるまではここで働くって約束をしたので、まだ荷作りは出来ないんです」
「なんだいこの子は、そんなことを気にしてたのかい?」
「俺達は……問題ない。ミシェルは……早く行って、目的を果たすと良い」
「そういうわけにはいきません! あたしのために、裏で色々してくれた二人に、目的を達成する為に、はいさよならなんて出来ません!」
「しかしだな……」
必死に想いをぶつけても、中々二人は折れてくれない。それでも、何度も何度も言い続けていると、リシューさんがやれやれと笑った。
「まったくこの子は……本当にアラン様が仰っていたような、悪い子だったんかね?」
「俺も……いまだに信じられない」
「えっと、その件については、色々ありまして……」
二人に隠し事をするような感じで気が引けるけど、ここで前世のことを話してしまったら、話が変に拗れそうだから、黙っておくことにした。
「まあいい。ミシェルが……そこまで言うのなら、お言葉に甘えよう」
「あんた、本気かい?」
「これ以上断ったら……ミシェルに失礼だろう」
「それはそうかもしれないけどねぇ」
「お前も、また一人でホールにつくことになったら、腰がつらいだろう? 最近、また悪くなったと言っていただろう」
「バカ、そんなことを言ったら、ミシェルちゃんに余計な心配をかけちゃうのがわからないのかい!?」
リシューさんは、ギョッとした表情を浮かべながら、イヴァンさんの背中を叩いた。
なら、なおさら今すぐにお店を辞めるわけにはいかないね。
「その、本当にいろいろとありがとうございます。あたし、最後までちゃんとやりきりますから!」
「ああ……期待、している」
よしっ、そうと決まれば……お店の仕事を頑張りつつ、なるべく応募者が増えるように、あたしもお手伝いをしないと!
なにをすればいいかな……もっとアピールできる方法があればいいんだけど……求人ポスターを張りだしたり、町中で声かけをするとか?
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