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第二十八話 本当の私って?
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「……あら、もうこんな時間ですの?」
あれから一週間後、私は書庫からいくつか本を借りてずっと読んで過ごしていたら、既に空がオレンジ色に染まっていた。
誰にも邪魔されずに読書が出来る……なんて贅沢で幸せなことだろう。出来ることなら、永遠にこうして過ごしていたいくらいだ。もちろん、復讐という大切な目標を持っている私には、そんなことをする選択なんて出来ないけど。
「楽しい時間はあっという間ですわね。夢中で読みすぎて、体がガチガチ……」
立ち上がって体を伸ばした瞬間、またしても強い眩暈に襲われ、目の前が暗くなった。
これって、また予知? ずっと一人でいたのに起こるということは、私の知っている人の不幸が……くっ……!
『全員、ここから早く逃げるんだ!!』
突然、アルフレッド様のとても慌てた叫び声が聞こえてきた。それから間もなく、轟音と眩い光が辺りを包み込み、そこで予知は途切れた。
「っ……はぁ!! かはっ……か、からだが……あぐっ……!?」
体中が焼かれたような熱と痛みを感じる。あまりにも強すぎる痛みで、意識を保つのが精いっぱいだ。
落ち着いて、これは本当に怪我をしているわけじゃない。あの予知に出てきたアルフレッド様の痛みが、私に共有されているだけだ。
「はぁ……はぁ……あれは、一体何だったのかしら……」
いつもなら、予知が起こるとその時の状況がわかる。しかし、今回は眩い光で視界は遮られ、轟音で周りの音の確認も出来なかった。
とはいえ、こんな状況でも、わかることは一応存在している。
「この痛みと、光に轟音……おそらく、なにか大きな爆発に巻き込まれたってことですわよね……? それに、あの規模では……巻き込まれた人は、多いはず……」
爆発と言っても、色々ある。爆弾が爆発したり、炎系の魔法で爆発を起こした可能性もある。その魔法だって、色々な種類があるはずだ。これでは、絞り切ることが出来ない。
「とにかく、アルフレッド様に早く報告を……って、どうしてわざわざ報告する必要がありますの?」
あの爆発で、アルフレッド様は相当な怪我を負うだろう。なんなら助からない可能性は濃厚だ。他の方だって、巻き込めるかもしれない。
「そうよ、放っておけばいいですわ。でも……場所と時間を知らないと、巻き込まれるかもしれませんし……あの予知だけの情報では、爆弾が一体何なのかわからないどころか、時間や場所すら……リズに話して、一緒に探してもらう? いえ、彼女を危険なことには巻き込みたくありませんわ……」
「セリア様、アルフレッドだ。今いいかな?」
「っ……!? は、はい! どうぞ」
一人で考えをまとめていると、アルフレッド様が今日もにこやかな表情を浮かべながら、私の部屋へとやってきた。
「アルフレッド様……なんですか、そのたくさんの箱と袋は?」
「これかい? 君が気に入りそうなぬいぐるみを、沢山手に入れてきたんだ!」
……これは、沢山って範疇を超えている気がしてならない。何故なら、アルフレッド様の後ろには、ぬいぐるみが入った箱と袋が、山のように積まれているのだから。
「どれでも好きな数を持っていっていいよ! 残ったぬいぐるみは、孤児院や慈善団体に寄付するから、余ったからって気にする必要もないからね!」
さすがアルフレッド様。私のことを考えて、選ばなかった子がいても、気にしないようにしつつ、国の子供達も喜ばせることまで考えて……感心している場合じゃない!
「……いや、ちょっと待って……まさか、この中に混ざってるなんてことは……?」
「ん? セリア様、どうかしたのかい?」
「このプレゼントから、炎系の魔法の魔力を感じ取ることは出来る方はおりませんか!? あと、爆弾を見つけられる方も!」
「ど、どうしたんだい急に?」
「私を信じて、早く答えてくださいませ! 一刻を争うかもしれませんの!」
「どうやら、ただごとではなさそうだね……任せてくれ。僕が出来る」
それは僥倖だ。時は一刻を争うかもしれない状況で、悠長に他に出来る人を探して連れて来る時間なんて無いもの。
さっさと爆弾を見つけて、それを……アルフレッド様に押し付けて、私はリズと一緒に安全な場所に……うん、それがいい。
「これは……この箱から、かなり微弱だが、炎の魔法に使う魔力を感じる!」
「きっとそれですわ!」
私は、まだ体に残る激痛に耐えながら、急いでその箱を持ち上げると、箱の隙間から光が漏れ出て、箱が若干膨らんできていた。
まさか、これは爆発の前兆!? くっ、思ったより早かった……! このままでは、私達は爆発に巻き込まれ、無事では済まないだろう。
私はこんなところで死ぬわけにはいかない。だから、早くこの爆弾をアルフレッド様に押し付けて、さっさと逃げないと!
「……押し付ける……そうすれば……」
早く、早くこれをアルフレッド様に渡すのよ、私! そうすれば、私の復讐が大きく前進する! さあ、早く! はや、く……。
「……そん、そんなの……そんなの! 私には出来ない!!」
この数日で、たくさん優しくしてくれたアルフレッド様のことを考えたら、そんな非情なことなんて出来ない。そう思ったら、自然と私は、箱を窓から外に向かって、力いっぱい投げ飛ばした。
……はぁ、私ってばまたやっちゃった……復讐が出来る大チャンスだったのに、アルフレッド様が相手だと、どうしても躊躇しちゃ――
「セリア様、危ない!!」
自分の弱さを嘆いていると、アルフレッド様の大きな声と共に後ろに引っ張られ、そのままアルフレッド様に抱きしめられながら、床に倒れこんだ。
それから間もなく、まるで地震でも起こったかのような振動と共に、耳をつんざくような爆発音と衝撃に襲われた。
「まさか、本当に爆弾だったとは……セリア様、大丈夫か!?」
「は、はい。アルフレッド様、私を庇ってくださったのですか……?」
「ああ。あまりにも突然だったから、君を守るための防御魔法を使う余裕が無くてね……咄嗟に体で庇ってしまったよ。とにかく、無事でなによりだよ!」
私の無事を心の底から喜び、安堵の表情を浮かべるアルフレッド様に、なぜか私の胸に不思議な感覚を覚えた。
えっ、なにこの感覚……胸が軽く締め付けられるような、でも嫌じゃない、不思議な感覚は……?
「まさか、プレゼントの中に魔法爆弾が紛れていたとは、想定外だった。一体どこで紛れ込んだんだ……? くそっ、これほど微弱な魔力では、探知にも引っ掛からない……いや、これはただの言い訳だな。ちゃんと確認をしなかった、僕の責任だ。本当に申し訳ない」
「いえ、そんな……」
「……反省は後にしよう。とりあえず僕は、爆発の状態や他に怪我人がいないか確認してくる。また何があるかわからないから、セリア様も一緒に来てもらえないだろうか?」
「はい、わかりました。お供いたします」
アルフレッド様と一緒に部屋を出て、お城の状況を確認する。あの爆発でお城の中はパニックになっているようで、慌てた方々が行きかっている。
……どこにもリズの姿が見えないのだけど、巻き込まれたりしてないわよね? 私の咄嗟の判断で、彼女になにかあったら、死んでも死にきれない。
「アルフレッド様にセリア様! ご無事でなによりです! なにやら、城で爆発騒ぎがあったようでして!」
「ああ、わかっている。爆発物は、僕が用意したぬいぐるみだ。今から言うことを、伝達魔法使いを通して、全員に伝達! 第二、第三の爆弾がある可能性もあるから、感知魔法が使える人間は、城にあるものに爆発物が紛れていないか、確認を行なってほしい!」
「はっ!!」
「それと、各員城の被害状況や、怪我人がいないかの確認も怠らないように! 爆発物と思われる物を発見した際には、人命を最優先にするように! 城などいくらでも直せるが、失った命は絶対に戻ってこないことを、肝に銘じて動くように!」
「心得ております!!」
アルフレッド様は、声をかけてきた兵士に的確に指示を出してから、爆発があった裏庭へと向かうと、地面が大きく抉れ、周りの植物が無惨に倒されている、何とも痛ましい光景が広がっていた。
もしあれが、アルフレッド様の前で爆発していたら……魔法でも使わない限り、まず助からないだろう。それは、私の望んでいたことなのに……。
いや、本当それが私の望み……? なら、どうして訪れなかった惨劇を考えるだけで、こんなに胸が痛むの?
私、自分の本当の気持ちがわからない。復讐をしたいと思う私、したくないと思う私。一体どっちが、本当の私なの?
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「はぁ……はぁ……あれは、一体何だったのかしら……」
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とはいえ、こんな状況でも、わかることは一応存在している。
「この痛みと、光に轟音……おそらく、なにか大きな爆発に巻き込まれたってことですわよね……? それに、あの規模では……巻き込まれた人は、多いはず……」
爆発と言っても、色々ある。爆弾が爆発したり、炎系の魔法で爆発を起こした可能性もある。その魔法だって、色々な種類があるはずだ。これでは、絞り切ることが出来ない。
「とにかく、アルフレッド様に早く報告を……って、どうしてわざわざ報告する必要がありますの?」
あの爆発で、アルフレッド様は相当な怪我を負うだろう。なんなら助からない可能性は濃厚だ。他の方だって、巻き込めるかもしれない。
「そうよ、放っておけばいいですわ。でも……場所と時間を知らないと、巻き込まれるかもしれませんし……あの予知だけの情報では、爆弾が一体何なのかわからないどころか、時間や場所すら……リズに話して、一緒に探してもらう? いえ、彼女を危険なことには巻き込みたくありませんわ……」
「セリア様、アルフレッドだ。今いいかな?」
「っ……!? は、はい! どうぞ」
一人で考えをまとめていると、アルフレッド様が今日もにこやかな表情を浮かべながら、私の部屋へとやってきた。
「アルフレッド様……なんですか、そのたくさんの箱と袋は?」
「これかい? 君が気に入りそうなぬいぐるみを、沢山手に入れてきたんだ!」
……これは、沢山って範疇を超えている気がしてならない。何故なら、アルフレッド様の後ろには、ぬいぐるみが入った箱と袋が、山のように積まれているのだから。
「どれでも好きな数を持っていっていいよ! 残ったぬいぐるみは、孤児院や慈善団体に寄付するから、余ったからって気にする必要もないからね!」
さすがアルフレッド様。私のことを考えて、選ばなかった子がいても、気にしないようにしつつ、国の子供達も喜ばせることまで考えて……感心している場合じゃない!
「……いや、ちょっと待って……まさか、この中に混ざってるなんてことは……?」
「ん? セリア様、どうかしたのかい?」
「このプレゼントから、炎系の魔法の魔力を感じ取ることは出来る方はおりませんか!? あと、爆弾を見つけられる方も!」
「ど、どうしたんだい急に?」
「私を信じて、早く答えてくださいませ! 一刻を争うかもしれませんの!」
「どうやら、ただごとではなさそうだね……任せてくれ。僕が出来る」
それは僥倖だ。時は一刻を争うかもしれない状況で、悠長に他に出来る人を探して連れて来る時間なんて無いもの。
さっさと爆弾を見つけて、それを……アルフレッド様に押し付けて、私はリズと一緒に安全な場所に……うん、それがいい。
「これは……この箱から、かなり微弱だが、炎の魔法に使う魔力を感じる!」
「きっとそれですわ!」
私は、まだ体に残る激痛に耐えながら、急いでその箱を持ち上げると、箱の隙間から光が漏れ出て、箱が若干膨らんできていた。
まさか、これは爆発の前兆!? くっ、思ったより早かった……! このままでは、私達は爆発に巻き込まれ、無事では済まないだろう。
私はこんなところで死ぬわけにはいかない。だから、早くこの爆弾をアルフレッド様に押し付けて、さっさと逃げないと!
「……押し付ける……そうすれば……」
早く、早くこれをアルフレッド様に渡すのよ、私! そうすれば、私の復讐が大きく前進する! さあ、早く! はや、く……。
「……そん、そんなの……そんなの! 私には出来ない!!」
この数日で、たくさん優しくしてくれたアルフレッド様のことを考えたら、そんな非情なことなんて出来ない。そう思ったら、自然と私は、箱を窓から外に向かって、力いっぱい投げ飛ばした。
……はぁ、私ってばまたやっちゃった……復讐が出来る大チャンスだったのに、アルフレッド様が相手だと、どうしても躊躇しちゃ――
「セリア様、危ない!!」
自分の弱さを嘆いていると、アルフレッド様の大きな声と共に後ろに引っ張られ、そのままアルフレッド様に抱きしめられながら、床に倒れこんだ。
それから間もなく、まるで地震でも起こったかのような振動と共に、耳をつんざくような爆発音と衝撃に襲われた。
「まさか、本当に爆弾だったとは……セリア様、大丈夫か!?」
「は、はい。アルフレッド様、私を庇ってくださったのですか……?」
「ああ。あまりにも突然だったから、君を守るための防御魔法を使う余裕が無くてね……咄嗟に体で庇ってしまったよ。とにかく、無事でなによりだよ!」
私の無事を心の底から喜び、安堵の表情を浮かべるアルフレッド様に、なぜか私の胸に不思議な感覚を覚えた。
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「ああ、わかっている。爆発物は、僕が用意したぬいぐるみだ。今から言うことを、伝達魔法使いを通して、全員に伝達! 第二、第三の爆弾がある可能性もあるから、感知魔法が使える人間は、城にあるものに爆発物が紛れていないか、確認を行なってほしい!」
「はっ!!」
「それと、各員城の被害状況や、怪我人がいないかの確認も怠らないように! 爆発物と思われる物を発見した際には、人命を最優先にするように! 城などいくらでも直せるが、失った命は絶対に戻ってこないことを、肝に銘じて動くように!」
「心得ております!!」
アルフレッド様は、声をかけてきた兵士に的確に指示を出してから、爆発があった裏庭へと向かうと、地面が大きく抉れ、周りの植物が無惨に倒されている、何とも痛ましい光景が広がっていた。
もしあれが、アルフレッド様の前で爆発していたら……魔法でも使わない限り、まず助からないだろう。それは、私の望んでいたことなのに……。
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