魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女の疑問

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 フレイ様は、翌朝には普通にアルフレッド様の斜め後ろに立っていた。
 途中経過の報告とかで戻られたのかしら?

「おはようございます。アルフレッド様、フレイ様」

「おはよう、愛しいローゼ」

「おはようございます。ローズマリー様」

 侍女が素早く紅茶の準備をして、部屋から下がる。
 アルフレッド様は、私以外の人間が側にいることをあまり好まれないので、準備だけしてもらい、あとは私かフレイ様が給仕している。
 まぁ、普通の12歳の王女ならできないだろうけど、私は中身が29歳の庶民だしね。お茶くらい入れれますよ。

「ローゼ、呪いをかけた相手がわかった」

「え?あの、昨日の今日ですが?」

 え?早すぎない?フレイ様、有能だとは思ってたけど、それにしても・・・
 サフィロス王家の諜報とかも調べたはずなんだけど。ローズマリーが呪われたことは父様しか知らないことだから、大っぴらには調べれなかったと思うけど、父様が調べずにいるわけないし。

「ええ。我が君、私からご報告させていただいても?」

「ああ、任せよう」

「かしこまりました。では、ローズマリー様、ご報告申し上げます。まず、ローズマリー様に呪いをかけていた相手ですが、隣国カリストロの皇妃です」

 は?皇妃?
隣国カリストロ皇国は、我がサフィロスとは敵対国だ。交戦的で、何度か挑発的な行動を取ってきていたようだが、父様の代になってからは、その挑発もなりを潜めていると聞いている。

「皇妃・・・ですか」

「はい。そして、その皇妃ですが、我が魔国の者、名をメデューサと申します」

 え?ええ?皇妃が魔国の者?メデューサって、前世の本や神話で見た髪の毛が蛇の?
 いや、意味が分かんない。ん?でも、父様も我がサフィロス王家にも魔国の血が入ってるって言ってたわ。なら、皇妃が魔国の者でもおかしくないの・・・かな?

「メデューサって、えと、蛇の・・・」

「ああ、よくご存知ですね。そうです。最終形態は蛇ですね」

「睨まれると石になるとかいうのは・・・」

「それは、第2形態のときです。ローズマリー様、よくご存知ですね」

 必要かどうかはわからなかったけど、疑問というか神話通りなのか尋ねてみたら、フレイ様に感心されてしまった。
 え、でも、最終形態とか色々あるのね、魔族って。
 ・・・アルフレッド様やフレイ様も、あるのよね、きっと。

 疑問が顔に現れていたのだろう。アルフレッド様は、その麗しいお顔をしかめられた。

「ローゼには見られたくない」

「どうしてとお聞きしても?」

「愛しいローゼに嫌われたくない」

 メデューサの最終形態が蛇ってことは、魔族の方たちってそういう姿になるってことよね。
 うーん、でも例えどんな姿でもアルフレッド様だと思うんだけどな。

「わかりましたわ。でも、いつかお見せ下さいませ」

「・・・」

「私を妻にして下さるのではないのですか?私は自分の夫を見た目で嫌ったりしませんわ」

 私の言葉に、アルフレッド様とフレイ様は目を見開いていたが、やがてフレイ様がクスクスと笑い出した。

「魔王陛下、陛下の負けですよ。いや、陛下の選んだ姫君は真に素晴らしい方だ」

「ローゼが素晴らしいのは分かっている」

「アルフレッド様は、私の見目が醜かったら好いては下さらないのです?」

 愛しいといつも言ってくれるけど、見た目が悪かったら、嫌われてしまうのかしら?
 確かにローズマリーは見目麗しいけど、それって中身はどうでもいいみたいで・・・を否定されてるみたい。
 前世の私は、ほんっと平均点の見た目だったもの。

 ・・・私、いつのまにかアルフレッド様のこと好きになってたみたい。本当の姿を見せて欲しいなんて。
 この世界に転生して、お兄様たちもお姉様も私のことを溺愛してくれてるけど、それはローズマリーとしてで・・・
 だから、父様がを認識してくれてて嬉しかった。
 でも、父様もローズマリーの願いだから私を受け入れてくれてるんだって分かるから・・・
 だから、私が転生者と知っても、ローズマリーを望んでくれたアルフレッド様のこと好きになっちゃったんだ。


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