魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女の恋心2

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「・・・というわけですわ」

 父様の執務室で、ローズマリーが呪いをかけられた理由と、かけてきた相手について報告する。
 父様は、黙って私の報告を聞いたあと、私の顔を何か言いたげな様子で見つめてきた。

「なんでしょう?」

「何があった」

「何もありませんわ」

「なら、そのうっとおしい顔はやめろ」

 し、失礼だわね!12歳の娘をつかまえて、うっとおしい顔って!
 仕方ないじゃない。好きになってたんだから。気持ちが整理できるまで鬱陶しくてもいいじゃない。

 父様は、わざとらしくため息をつくと、私の髪をぐしゃぐしゃと撫でた。

「ルヒトやカインが煩い。泣くならここで泣いておけ」

「・・・父様・・・ありがとうございます。でも、大丈夫ですわ」

 父様の不器用な優しさに、ちょっと泣きそうになったけど、私は我慢して、にっこりと微笑んだ。

 そう。大丈夫だ。元に戻るだけなんだから。元々、呪いの件で助力してもらうだけのつもりだったんだから。
 大丈夫。時間がたてば、こんな胸の痛みなんかなくなる。
 呪いの件が片付いたら、婚約を解消してもらおう。まだ、国内にも公表してないし、父様とアルフレッド様の了承だけで解消できるんだから。

「そろそろ座学の時間ですので、失礼しますわ。次の手が決まりましたら、またご報告に参ります」

 私は父様にそう告げると、執務室から退出したー



「なるほど。魔王としての真の姿か」

 私の言葉に、サフィロス国王陛下は納得したように肯いた。
 まぁ、策としては単純だが、私はローズマリー様の父親である国王陛下に、素直に全てを明かすことにしたのだ。
 こういうタイプは、下手に隠すより素直に明かして協力を求めた方がいいという判断からだ。

「我が主も、魔王としてはまだまだ幼い部類にあたります。ですが、真の姿を見られて嫌われたくないと思うくらいに、姫君のことを好いているのです」

「その肝心の当人は?」

「姫君に嫌われたと落ち込んでおりましたが、気持ちを信じていただけるよう何か考えている模様ですね」

 我が主の情けない様子を、たかが人間に話したくはないが、このまま婚約破棄などされては堪らない。持ち札は全て晒すべきだろう。

「どうか姫君が婚約破棄などされませんようご助力願いたい。代わりと言ってはなんですが、呪いの件はこちらで対処いたしましょう」

「・・・了解した」

 国王陛下の言葉に安堵のため息をつく。メデューサ相手は、少々面倒なのだが、婚約破棄を回避するためだ。やむ得ない。
 それに、どっちにしろ、メデューサは始末せねばならない。我が主の寵愛姫を呪うなど、許されるものではないのだから。
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