魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女の恋心3

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「それでは、私はメデューサの始末をして参ります」

 そう告げると、ずっと俯いていた魔王陛下が顔を上げる。
 全く、いつまでいじけてるつもりなんですかね。

「国王陛下に婚約解消をしないようお願いした交換条件として、メデューサの始末をお約束しましたので。ですが、我が君、さっさと姫君に正直にお話になりませんと、本当に失ってしまいますよ?」

「わかっている」

 やれやれ。本当にわかっているんでしょうかね。

「魔王陛下。何も今すぐ真の姿を見せろと言われているのではないのですよ?ローズマリー姫は、陛下の決心がつくまで、おそらく待っていてくださるでしょう。陛下のあの時の態度は、姫君の気持ちを疑っているのと同じことなのですよ」

「・・・」

「あのように、聡明で美しい姫君です。多くの方々に愛されるでしょう。国王とて、姫君が想いを交わされる相手との婚姻を望まれるのではないでしょうか」

 それでもいいのですか?と続けた私に、陛下は再び顔を俯かせた。
 まったく。困った方ですね。
陛下が真の姿を厭う理由はわかっていますが、私からお話するのでは意味がありませんしね。

「さて、私は行って参ります」

 婚約を解消されることになるかもしれませんが、約束は約束です。それに、同胞のメデューサよりも、あの姫君の方に好感が持てるのですから、メデューサは始末しておきませんとね。

 私は魔国へと転移したー



 全てを知りたいなんて、傲慢なのかしらー

 勉強の時間は終わったものの、アルフレッド様に会う勇気が持てなくて、私は部屋でぼんやりと考え込んでいた。

 アルフレッド様もフレイ様も、会った時から人間と変わりない姿をされていたから、魔族としての真の姿がどんなものなのか私にはわからない。
 でも、魔族の頂点に立つ魔王とその側近である宰相だ。もしかしたら、想像以上におどろおどろしい姿なのかもしれない。

 だけど、怖いと思うかもしれないけど、嫌ったりしないのに、と思う。
 それを上手く伝えることが出来なかった。改めてその話題を蒸し返すのもアレだが、このまま無かったことにできない自分の性格も理解している。
 だから、会いに行く勇気が持てないのだ。

 思わず自嘲するように、笑いがこぼれた。
 いつの間にこんな風に好きになっていたんだろう。
 突然現れて、私を愛らしいと言い、婚約しようと言ってきた人。しかも、魔王だ。
 見た目は確かに、好みだと思う。だが、全てを知りたいと思うほど好きになるなんて・・・

 これって初恋になるのかしら?
初恋は実らないって言うわね・・・
 そんなことを考えながらため息をついた時、扉をノックする音が聞こえた。
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