魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女の初デート

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 明るいオレンジ色のマキシ丈のワンピースに身を包み、私は王城の入口へと急いでいた。
 走るのは淑女として失格であるけど、お待たせするのも申し訳ない。

 今日は、アルフレッド様から街歩きに誘われている。それを、私の身の回りの世話をしてくれている魔族のメイドたちに伝えたら、朝から浴場で肌を磨かれた。
 髪はサイドを編み上げてハーフアップにされ、うっすらと化粧をされる。
 オレンジ色に決まるまで、着せられたワンピースは20着に上り、私は出かける前からぐったりしてしまった。

 そんな事情で、待ち合わせ時間ぴったりになってしまい、私は慌ててアルフレッド様の待つ入口へと急いでいたのだ。

「アルフレッド様」

 螺旋階段を駆け下りる私に気付いて、顔を上げたアルフレッド様が、そのまま目を見開いた。
 え?私、どこか変ですか?

「アルフレッド様?」

 こてんと首をかしげて見上げると、アルフレッド様は珍しく視線を彷徨わせたあと、うっとりしたように私を抱き寄せた。

「ああ、愛しのローゼ。こんなに愛らしい姿を他の誰にでも見せたくない」

「まあ!お上手ですわね」

「本当なんだが。このまま、部屋で2人切りになりたい」

 いや、お出かけするために着替えたんですけど?朝から着せ替え人形にされたんですよ?

「陛下、さっさとお出かけください。護衛が待ちくたびれてます」

 フレイ様が抱きしめられた私を、アルフレッド様から引き剥がし、外へと押し出す。
 アルフレッド様は不服そうな顔をしながらも、私に右手を差し出した。

「行こうか。愛しのローゼ」

 私もにっこりと微笑んで、その手に左手を重ねる。

「ええ。フレイ様、皆様、行ってまいります」

「「「行ってらっしゃいませ。魔王陛下。ローズマリー王女殿下」」」

 皆様が声を揃えて、頭を下げて見送ってくれる。
 私とアルフレッド様は、護衛の方と共に街へと向かったー

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