32 / 45
転生王女の作戦
しおりを挟む
「その件はお前に任せる」
アルフレッド様は、執務室で目の前に立つフレイ様に指示を与えていた。
まぁ、よくある光景である。その膝に私を座らせていることを除けば。
アルフレッド様は、膝抱っこが前からお好きだったけど、私を救い出してくれて以降、片時も私を離さなくなった。
入浴や就寝時はさすがに離してくれるけど。その場合は、部屋の前には護衛が立ち、部屋自体にも防御魔法がかけられている。
ミアは、軽い怪我ですんだ。私が自分を庇って攫われたことをものすごく悔やんでいて、私付きのメイドであることを外して欲しいと言われた。
もちろん、私は断った。私を守るために怪我をしたメイドを外すなんてあり得ない。
だけど、ミアひとりに負担をかけないために、常に2人以上のメイドをつけてもらうように、アルフレッド様にお願いした。
私を襲撃した、フランチェスカ様とそのお兄様は、アルフレッド様によって牢へと送られたそうだ。
その処断を、現在フレイ様に任せると言われたのだ。
あの2人のことは、私には何も教えてはもらえなかった。一応、聞いてみたら、「ローゼが気にかけるような存在ではない」と言われた。
まぁ、私を汚そうとした人も、殺そうと首を絞めてきた人も、どうでもいいので、それ以上聞くのはやめた。
「ああ、それからー」
部屋を退出する直前に、ふと思い出したように、フレイ様が振り返る。
「ビビアン・ジュネール嬢がローズマリー様にお会いしたいと、後ほどお見えになるそうですよ」
「まあ!ビビアン様が?」
「お見えになられましたら、お呼びいたします」
きっと、心配をおかけしてしまったのだわ。膝の上で、ソワソワする私を、アルフレッド様は少し不満そうに見つめている。
「我が愛しのローゼは、ジュネール嬢が好きなのだな」
「あら?アルフレッド様、やきもちですの?」
「・・・ローゼを他の誰の目にも触れぬよう閉じ込めて、僕だけしか見ないようにしたい」
アルフレッド様が恐ろしいことを言ってますわ。・・・こんなに旦那様に愛されてるなんて幸せですわ。
「ふふっ。閉じ込めたりしなくても、私はアルフレッド様しか見ていませんわ。ビビアン様のことは確かに好きですけど、大切なお友達ですもの」
「仲良くなったんだね」
「内緒ですわよ?ビビアン様はフレイ様がお好きなのですわ」
「え?そうなの?フレイのことを・・・」
アルフレッド様が目を丸くされている。いいわよね、バラしても。アルフレッド様に協力してもらえたら、フレイ様とのこともうまくいくかもだし。
「フレイ様には、誰かお気にかけてらっしゃる方がいらっしゃったりしますの?」
私は、ビビアン様が好きだから力になりたいけど、横恋慕はよくないものね。
私、フレイ様のことも好きだもの。
「僕は聞いたことがないな。ローゼはジュネール嬢をフレイに勧めたいの?」
「ええ。ビビアン様はとても素敵なご令嬢ですの。私、お茶会でビビアン様に出会えて、すごく良かったと思ってますのよ」
アルフレッド様は、あとでフレイ様にさりげなくお相手がいるか聞いてくれるそうだ。
アルフレッド様にさりげなくって出来るのか、私はちょっと不安だったけど、お任せすることにした。
アルフレッド様は、執務室で目の前に立つフレイ様に指示を与えていた。
まぁ、よくある光景である。その膝に私を座らせていることを除けば。
アルフレッド様は、膝抱っこが前からお好きだったけど、私を救い出してくれて以降、片時も私を離さなくなった。
入浴や就寝時はさすがに離してくれるけど。その場合は、部屋の前には護衛が立ち、部屋自体にも防御魔法がかけられている。
ミアは、軽い怪我ですんだ。私が自分を庇って攫われたことをものすごく悔やんでいて、私付きのメイドであることを外して欲しいと言われた。
もちろん、私は断った。私を守るために怪我をしたメイドを外すなんてあり得ない。
だけど、ミアひとりに負担をかけないために、常に2人以上のメイドをつけてもらうように、アルフレッド様にお願いした。
私を襲撃した、フランチェスカ様とそのお兄様は、アルフレッド様によって牢へと送られたそうだ。
その処断を、現在フレイ様に任せると言われたのだ。
あの2人のことは、私には何も教えてはもらえなかった。一応、聞いてみたら、「ローゼが気にかけるような存在ではない」と言われた。
まぁ、私を汚そうとした人も、殺そうと首を絞めてきた人も、どうでもいいので、それ以上聞くのはやめた。
「ああ、それからー」
部屋を退出する直前に、ふと思い出したように、フレイ様が振り返る。
「ビビアン・ジュネール嬢がローズマリー様にお会いしたいと、後ほどお見えになるそうですよ」
「まあ!ビビアン様が?」
「お見えになられましたら、お呼びいたします」
きっと、心配をおかけしてしまったのだわ。膝の上で、ソワソワする私を、アルフレッド様は少し不満そうに見つめている。
「我が愛しのローゼは、ジュネール嬢が好きなのだな」
「あら?アルフレッド様、やきもちですの?」
「・・・ローゼを他の誰の目にも触れぬよう閉じ込めて、僕だけしか見ないようにしたい」
アルフレッド様が恐ろしいことを言ってますわ。・・・こんなに旦那様に愛されてるなんて幸せですわ。
「ふふっ。閉じ込めたりしなくても、私はアルフレッド様しか見ていませんわ。ビビアン様のことは確かに好きですけど、大切なお友達ですもの」
「仲良くなったんだね」
「内緒ですわよ?ビビアン様はフレイ様がお好きなのですわ」
「え?そうなの?フレイのことを・・・」
アルフレッド様が目を丸くされている。いいわよね、バラしても。アルフレッド様に協力してもらえたら、フレイ様とのこともうまくいくかもだし。
「フレイ様には、誰かお気にかけてらっしゃる方がいらっしゃったりしますの?」
私は、ビビアン様が好きだから力になりたいけど、横恋慕はよくないものね。
私、フレイ様のことも好きだもの。
「僕は聞いたことがないな。ローゼはジュネール嬢をフレイに勧めたいの?」
「ええ。ビビアン様はとても素敵なご令嬢ですの。私、お茶会でビビアン様に出会えて、すごく良かったと思ってますのよ」
アルフレッド様は、あとでフレイ様にさりげなくお相手がいるか聞いてくれるそうだ。
アルフレッド様にさりげなくって出来るのか、私はちょっと不安だったけど、お任せすることにした。
74
あなたにおすすめの小説
地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
2度目の結婚は貴方と
朧霧
恋愛
前世では冷たい夫と結婚してしまい子供を幸せにしたい一心で結婚生活を耐えていた私。気がついたときには異世界で「リオナ」という女性に生まれ変わっていた。6歳で記憶が蘇り悲惨な結婚生活を思い出すと今世では結婚願望すらなくなってしまうが騎士団長のレオナードに出会うことで運命が変わっていく。過去のトラウマを乗り越えて無事にリオナは前世から数えて2度目の結婚をすることになるのか?
魔法、魔術、妖精など全くありません。基本的に日常感溢れるほのぼの系作品になります。
重複投稿作品です。(小説家になろう)
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
年下の婚約者から年上の婚約者に変わりました
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィクトリアには年下の婚約者がいる。すでにお互い成人しているのにも関わらず、結婚する気配もなくずるずると曖昧な関係が引き延ばされていた。
そんなある日、婚約者と出かける約束をしていたヴィクトリアは、待ち合わせの場所に向かう。しかし、相手は来ておらず、当日に約束を反故されてしまった。
そんなヴィクトリアを見ていたのは、ひとりの男性。
彼もまた、婚約者に約束を当日に反故されていたのだ。
ヴィクトリアはなんとなく親近感がわき、彼とともにカフェでお茶をすることになった。
それがまさかの事態になるとは思いもよらずに。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる