魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女のその後《おまけ》

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「ビビアン様っ!!」

 私は部屋に飛び込むと、ビビアン様に抱きついた。

「ど、どうしましたの?ローズマリー妃殿下」

「匿って下さいませ」

「僕の可愛いローゼ、どこに行こうと言うの?」

「ひっ・・・」

 ビビアン様に抱きついたまま、そおっと後ろを振り返る。にこやかな笑みを浮かべたアルフレッド様の姿に、私はピクリと体を震わせた。

「さあ、僕のローゼ、寝室へ帰ろう」

「い、いやです・・・」

 いやいやと首を振る私を、アルフレッド様はものともせずに抱き上げる。

「び、ビビアン様、助けて・・」

 涙を浮かべた私に、唖然と眺めていたビビアン様が立ち上がる。

「魔王陛下、ローズマリー様を泣かせるなんて、いくら陛下といえど、私許しませんわよ?」

「僕は何もしていない」

「なら、何故こんなにローズマリー様が嫌がっているのです?」

 ゔゔっ、毅然としたビビアン様が尊い。

 涙を浮かべて、イヤイヤと愚図る私を、アルフレッド様は困ったように見つめる。

「僕は何もしていない」

「ローズマリー様、どうされたのです?」

 同じ返答を繰り返すアルフレッド様に、ビビアン様は私へと質問を向けた。

「ゔゔっ・・・あんな、の、あんなの、私には無理ですぅ」

「は?」

「ローズマリー妃殿下、それは妃殿下としてのお務めです。慣れていただかないと」

 涼やかな声が乱入する。
アルフレッド様の肩越しに入り口を見ると、フレイ様がにこやかに立っていた。

「フレイ様」

「ローズマリー妃殿下、我が主はローズマリー様以外を娶るご予定はありません。ということは、陛下のお子をご懐妊されるのはローズマリー妃殿下のみということは、ご理解いただけますね?」

 フレイ様の圧がすごい。
私だって、アルフレッド様がもし側妃を娶られるとしても、正妃として先に御子は授かりたいと思ってる。
 思ってるけど、私はまだ16歳なんですぅ。中身が29歳としても、どっちにしても経験気薄なんですぅ。
 もう少しお手柔らかにお願いしたいんですぅ。

「フレイ、ローゼをいじめるな」

「やれやれ。ローズマリー妃殿下、陛下とお部屋にお戻り下さい。我が婚約者と話がありますので」

 そう言われると、ビビアン様に助けてはもらえない。
 アルフレッド様に抱かれたまま、うなづいた。

「わかりましたわ。ビビアン様、申し訳ございませんでした」

「ローズマリー様・・・私はローズマリー様の味方でしてよ?魔王陛下、ローズマリー様を泣かせないで下さいませね」

「善処しよう」

 私は、満面の笑みの魔王アルフレッド様によって、寝室へと連れ戻された。

 翌朝ー
ビビアン様のもとへ再び泣きつくことになることになった。

 今日も魔国クリムゾンの魔王陛下夫妻は、仲睦まじい。






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