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転生王女の思い出《おまけ》
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「アルフレッド様のばかぁ」
ビビアン様の胸で、私はグズグズと子供のように泣いていた。
結婚して半年ー
ようやく夫婦の睦言にも慣れ、魔王妃としての公務にも頑張っていたこの日、私はアルフレッド様のせいで自室を飛び出すこととなった。
ビビアン様は優しく私の髪を撫でてくれる。
「ぐすん・・・ビビアン様、ごめんなさい」
「ローズマリー様が謝ることなどありませんわ。全く、陛下は私の可愛いローズマリー様を泣かせるなんて!」
「私が子供すぎるのでしょうか・・・でも、あれは、私が初めてアルフレッド様にいただいたものでしたのに」
そうー
今回の私の涙の原因になったのは、小さなポプリ。
それは、私とアルフレッド様が知り合った4年前のこと。
「綺麗な薔薇・・・アルフレッド様、ありがとうございます」
アルフレッド魔王陛下との婚約が結ばれた翌日、アルフレッド様は私に真っ白な薔薇を1本贈ってくれた。
1週間後には、3本の赤い薔薇を。そして今日、99本の赤い薔薇が私の手にある。
白い薔薇の花言葉は、『私はあなたにふさわしい』1本だから、『一目惚れ』だ。
赤い薔薇は『あなたを愛しています』
3本は『愛してる』で99本は『ずっと一緒にいよう』だ。
こんなの、麻里だった29年間でも貰ったことがない。
まさか、魔王様が花言葉に精通してて、しかもこんなマメな人だとは思わなかった。
「喜んでもらえてよかった」
アルフレッド様は、蕩けるような笑顔で私を見つめてくれる。
ゔゔっ、美形の笑顔って破壊力が半端ないわ。
「いつも私ばっかり。アルフレッド様にも何かお贈りしたいです」
でも、男の人って何が嬉しいんだろう?ああっ、麻里の時にもっと経験が有ったらこんなに困らなかったのに。
「愛しいローゼ。その気持ちだけで十分だ」
「私、殿方に何か差し上げたことがないので、よくわからないのです。アルフレッド様、何か私にして欲しいことなどありませんか?」
「・・・何でも構わないの?」
「ええ。私に出来ることでしたら」
少しだけ躊躇った後、アルフレッド様が私に望んだのは、膝枕だった。
何でもするって言ったからするけどっ!は、恥ずかしい。
「ローゼ、真っ赤だ」
「ゔゔっ、恥ずかしいのです。こんなことしたことない・・・」
「ローゼの『初めて』が僕で嬉しい」
アルフレッド様の言葉に、私はさらに顔を赤くした。もう、なんていうか、火が出そうである。
私は、その日貰った花束と、4本の薔薇を、侍女に教えてもらってポプリにすることにした。
枯れてしまうのは仕方のないことだけど、どうしても手元に置いておきたかった私に、侍女がポプリにしてはと教えてくれたのだ。
「そのポプリは私の宝物なのです。結婚の際にいただいた、108本の薔薇もポプリにしようと、置いてありましたのに・・・」
「それを、陛下が枯れてるからと捨てられたんですね」
そうなのだ。包んでいた袋が汚れていたために、机の上に広げて置いてあった花びらと、108本のドライフラワーは私が戻った時にはすでに捨てられていたのだ。
男の人だから、そういうことに疎くても仕方がない。仕方がないが、薔薇の花言葉にも精通している人が何してくれてるのって言いたい。
「ずっと大切にして来ましたのに・・・」
悲しくて悲しくて、捨てたと聞いた途端、部屋を飛び出した。
「ここで少しお眠りになって下さいませ。目がウサギのように真っ赤になっていますわ」
「ビビアン様・・・」
泣き疲れて眠るなんて、本当に子供すぎる。だけど私は、ビビアン様に髪を撫でられながら、ソファーの上でその目を閉じた。
誰かが目元を撫でる感触に、意識が浮上する。
本当に眠ってしまったようだ。ひんやりとした指先に、記憶の中の優しい指先を思い出す。
「アルフレッド様・・・」
「ローゼ、起きた?」
その声に目を開けると、私の頭を膝に乗せたアルフレッド様が、私を見下ろしていた。
「ああ、まだ目が赤い。ずいぶんと泣かせてしまった。どうか許して欲しい」
「・・・ぐずっ・・」
「愛しいローゼ、泣かないでくれ。君に泣かれると僕は、胸が張り裂けそうになる。どうか泣かないでくれ」
アルフレッド様は私を抱き起こすと、ポロポロと涙をこぼす私の頬に何度も口付ける。
「ローゼ、代わりにはならないが、君に薔薇を贈るから、だから、どうか泣き止んでくれないか」
「もう・・・捨てない?」
「ああ、もちろんだ。もう君を悲しませたりしない」
後日ー
アルフレッド様は、約束どおり薔薇の花束を贈ってくれた。
999本の真っ赤な薔薇を。
花言葉は『何度生まれ変わってもあなたを愛す』
ビビアン様の胸で、私はグズグズと子供のように泣いていた。
結婚して半年ー
ようやく夫婦の睦言にも慣れ、魔王妃としての公務にも頑張っていたこの日、私はアルフレッド様のせいで自室を飛び出すこととなった。
ビビアン様は優しく私の髪を撫でてくれる。
「ぐすん・・・ビビアン様、ごめんなさい」
「ローズマリー様が謝ることなどありませんわ。全く、陛下は私の可愛いローズマリー様を泣かせるなんて!」
「私が子供すぎるのでしょうか・・・でも、あれは、私が初めてアルフレッド様にいただいたものでしたのに」
そうー
今回の私の涙の原因になったのは、小さなポプリ。
それは、私とアルフレッド様が知り合った4年前のこと。
「綺麗な薔薇・・・アルフレッド様、ありがとうございます」
アルフレッド魔王陛下との婚約が結ばれた翌日、アルフレッド様は私に真っ白な薔薇を1本贈ってくれた。
1週間後には、3本の赤い薔薇を。そして今日、99本の赤い薔薇が私の手にある。
白い薔薇の花言葉は、『私はあなたにふさわしい』1本だから、『一目惚れ』だ。
赤い薔薇は『あなたを愛しています』
3本は『愛してる』で99本は『ずっと一緒にいよう』だ。
こんなの、麻里だった29年間でも貰ったことがない。
まさか、魔王様が花言葉に精通してて、しかもこんなマメな人だとは思わなかった。
「喜んでもらえてよかった」
アルフレッド様は、蕩けるような笑顔で私を見つめてくれる。
ゔゔっ、美形の笑顔って破壊力が半端ないわ。
「いつも私ばっかり。アルフレッド様にも何かお贈りしたいです」
でも、男の人って何が嬉しいんだろう?ああっ、麻里の時にもっと経験が有ったらこんなに困らなかったのに。
「愛しいローゼ。その気持ちだけで十分だ」
「私、殿方に何か差し上げたことがないので、よくわからないのです。アルフレッド様、何か私にして欲しいことなどありませんか?」
「・・・何でも構わないの?」
「ええ。私に出来ることでしたら」
少しだけ躊躇った後、アルフレッド様が私に望んだのは、膝枕だった。
何でもするって言ったからするけどっ!は、恥ずかしい。
「ローゼ、真っ赤だ」
「ゔゔっ、恥ずかしいのです。こんなことしたことない・・・」
「ローゼの『初めて』が僕で嬉しい」
アルフレッド様の言葉に、私はさらに顔を赤くした。もう、なんていうか、火が出そうである。
私は、その日貰った花束と、4本の薔薇を、侍女に教えてもらってポプリにすることにした。
枯れてしまうのは仕方のないことだけど、どうしても手元に置いておきたかった私に、侍女がポプリにしてはと教えてくれたのだ。
「そのポプリは私の宝物なのです。結婚の際にいただいた、108本の薔薇もポプリにしようと、置いてありましたのに・・・」
「それを、陛下が枯れてるからと捨てられたんですね」
そうなのだ。包んでいた袋が汚れていたために、机の上に広げて置いてあった花びらと、108本のドライフラワーは私が戻った時にはすでに捨てられていたのだ。
男の人だから、そういうことに疎くても仕方がない。仕方がないが、薔薇の花言葉にも精通している人が何してくれてるのって言いたい。
「ずっと大切にして来ましたのに・・・」
悲しくて悲しくて、捨てたと聞いた途端、部屋を飛び出した。
「ここで少しお眠りになって下さいませ。目がウサギのように真っ赤になっていますわ」
「ビビアン様・・・」
泣き疲れて眠るなんて、本当に子供すぎる。だけど私は、ビビアン様に髪を撫でられながら、ソファーの上でその目を閉じた。
誰かが目元を撫でる感触に、意識が浮上する。
本当に眠ってしまったようだ。ひんやりとした指先に、記憶の中の優しい指先を思い出す。
「アルフレッド様・・・」
「ローゼ、起きた?」
その声に目を開けると、私の頭を膝に乗せたアルフレッド様が、私を見下ろしていた。
「ああ、まだ目が赤い。ずいぶんと泣かせてしまった。どうか許して欲しい」
「・・・ぐずっ・・」
「愛しいローゼ、泣かないでくれ。君に泣かれると僕は、胸が張り裂けそうになる。どうか泣かないでくれ」
アルフレッド様は私を抱き起こすと、ポロポロと涙をこぼす私の頬に何度も口付ける。
「ローゼ、代わりにはならないが、君に薔薇を贈るから、だから、どうか泣き止んでくれないか」
「もう・・・捨てない?」
「ああ、もちろんだ。もう君を悲しませたりしない」
後日ー
アルフレッド様は、約束どおり薔薇の花束を贈ってくれた。
999本の真っ赤な薔薇を。
花言葉は『何度生まれ変わってもあなたを愛す』
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