魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女の新婚旅行《おまけ》

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「愛しい我が妻、ローゼ。旅行先はどこがいい?」

 ポプリ騒動から、少し日がたったある日、アルフレッド様が突然そう尋ねられてきた。

「旅行ですか?」

「ああ。結婚すると、新婚旅行というものに行くのだろう?」

 先日、前世での結婚式との違いについて話したのだけど、その時に話した新婚旅行、この世界にはないものだった。

「絶対行くというものではありませんわ。お金がかかりますから、行かない若者も多くありましたし」

「でも、その、新婚旅行に行くと、ハネムーンベビーとやらを授かるのだろう?」

 誰?アルフレッド様に変な知識を与えたのは?私は、そんなこと言った覚えない!

「誰から聞かれたのですか?」

「うん?ああ。ローゼから新婚旅行のことを聞いたから、リンツと話したらそう言われた」

 リンツ様というのは、アルフレッド様の護衛というか、まぁアルフレッド様に護衛は必要ないので、親衛隊みたいなものだそうで、その隊長の方だ。
 リンツ・ジュネール様、そうビビアン様のお兄様である。

 ビビアン様と同じ金色のツンツンとした髪に、緑の瞳の美丈夫は、大層朗らかな方だ。明るく元気な方だけど、魔王陛下の護衛とまで言われる実力は、宰相フレイ様に次ぐと噂だ。

 その実力と、人間である私に対する態度の良さ、ビビアン様のお兄様ということから、私の護衛にしようという話が持ち上がった。
 でもそれは、却下された。アルフレッド様によって。

「ローゼの護衛は僕がする!」

 いや、色々おかしい。何故に魔王陛下が魔王妃の護衛をするの?
 しかも理由が、私の周りに男がいるのを許せないって。
 護衛だから。しかも、リンツ様はだ。我がお兄様の護衛レナードと違って。

「リンツ様のお話は少し偏りがございますわ。新婚旅行に行ったからといって子を授かるわけではございません」

「でも、ローゼとたくさんイチャイチャできるって聞いた」

「!!」

 べ、別に旅行に行かなくても、イチャ・・・仲良くしてるじゃない。
 でも、旅行か。それはちょっと行きたいかも。

「イチャイチャはともかく、旅行は行ってみたいです」

「どうして、ともかくなの?」

「どこか候補はありますの?」

「ローゼ、僕の扱いが雑じゃないか?」

 あら。ついお兄様たち相手と同じようにしてしまったわ。

「旦那様を雑に扱うわけがありませんわ」

「そうか。愛しい我が妻、どんなところがいいかフレイに候補を出さそう」

 フレイ様、ご苦労様ですわ。




 
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