嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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堕ちるところまで堕ちて

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 ドロシーさんは怪我が癒え次第、娼館へと送られた。

 ・・・のだけれど、彼女全くお客がつかなかったらしくて、最終的にとある商人に買われたそうだ。

 ドロシーさんが貴族のままだったなら、まだお客さんも付いたらしいんだけど、平民の、ただの小娘にお客さんは付かないらしい。

 ああいうお店は、お客さんを精神的にも肉体的にも気持ち良くさせる場所で、当然のことながらドロシーさんにそんな手管はなくて。

 彼女にあったのは、若さだけで。

 全くお客が付かないドロシーさんに、タダ飯をずっと食べさせるわけにもいかなくて、娼館のご主人が贔屓にしている商人さんに売ったのだそうだ。

 人の良さそうな、小太りの商人さんは・・・大きな声では言えない癖持ちらしくて、王太子殿下は「もう二度と姿を見ることはないだろうね」と言っていた。

 ちゃんと理解できたわけじゃないけど・・・聞かない方がいい気がしたので、詳細は聞かずにおいた。

 世の中には知らずにいた方が良いことがある。

 愚かな行為をした彼らは全員が処罰され、多くの貴族がいなくなった。

 さすがに・・・
多くの貴族が降爵したり、貴族子息や令嬢が廃籍されたことを申し訳ないと思ってしまう。

 私が悪いことをしたわけではないけど、私の存在がきっかけになったことは違いない。

「申し訳ありません」

 頭を下げて謝罪を口にした。

 王太子殿下にお願いしてお会いしたのは・・・

 マクラーレン王国国王陛下である。

「・・・ふむ。初めて会うな。ローゼン王国リビエラ伯爵令嬢、だったな。母君は、サフレア侯爵家のブリリアント嬢だったかな?」

「はい。母をご存知なのですね」

「ああ。王妃・・・アリーナも、弟の嫁のエルサもリビエラ伯爵夫人を崇拝していてね。今日も会いたいと言うのを抑えるのに苦労した」

 そういえば、王妃様ってお母様の親衛隊だったんだっけ。

 お姉様の親衛隊の方も、学園にたくさんいらっしゃるのよね。

 ええと、お母様とお姉様の親衛隊の方って・・・どれだけいらっしゃるの?

 しかも皆様、権力のある方が多いのだけど。

「そ・・・そうでしたか」

 どうしよう。どう返すのがベストなのか分からないわ。

「ははっ。そんなに畏まらなくても良い。弟からも聞いているが、ダニエルが迷惑をかけたな。アレは誰に似たのか執着した相手至上主義でな。妃かラウンディ嬢でないと制御が出来ん。今回のことも、アレがラウンディ嬢に害をなしそうな家を片すためにやったのだろう。むしろ、其方を巻き込んですまなかったな」

「い、いえ、そんな」

「大掛かりな掃除になったが、必要なことだったのだ。責は行った当人たちと決定した王家にある。其方が気に病むことではない」

「・・・はい」

 私は静かに頭を下げた。
 
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