嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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お母様みたい

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「具合は悪くないか?おかしいと思ったらすぐに言ってくれ」

 ハデス様の耳タコの注意にも、私はにっこりと微笑んで頷く。

 船に乗ったばかりの頃は、何度も言われる注意にうんざりしそうになったけど、気付いてからはとても優しい気持ちで聞けるようになった。

 心配性で、ちょっと口煩くて、でもとてもお優しくて。
 お母様やお姉様を思い出したの。

 それからは、ハデス様のことを心から信頼できるようになった。

「平気ですわ」

「確かに、食事は普通に摂れるようになったが。明後日にはエレメンタル帝国に着く。今日明日は、ゆっくりと体を休めておいてくれ」

「はい」

 ハデス様はとにかく過保護なのだけど、船に乗った最初の夜に、船酔いをして食事がとれなくて心配をかけたから仕方ないわ。

「船を降りたら、どちらに向かいますの?」

「まずは俺の住んでいる家に向かおう。ジュエルとシシリーが住めるように、必要な物も買い足す必要がある。それから皇帝陛下に挨拶に向かう」

「はい」

 皇帝陛下にご挨拶に向かう件については、すでに理由もお伺いしている。

 を見る限り、王太子殿下がルージュ様のために私をルイス様の婚約者にしたいというは、完全には消えていない・・・らしい。

 まぁ、あの年まで自分の主張を通してきた人だから、簡単に考え方が変わったりはしないだろうとは思う。

 国王陛下や王弟殿下が叱っても、一応反省している様子は見せるものの、根底では自分は悪くないと思っている節があるらしく、同じことを繰り返す。

 今回は私が他国の人間だったことと、お姉様の存在があったことで、実質的に引き離すことが叶ったけど、相手は王太子殿下。

 ハデス様では強硬手段で来られた場合、身分差で守りきれないかもしれないので、皇帝陛下に後ろ盾になってもらおう、ということらしい。

 そう簡単にエレメンタル帝国まで来たりしないだろうけど、相手はあの王太子殿下。

 念には念を入れようということになった。

 私を攫って眠らせ、ルイス様に薬を盛ってコトに至れば、ルイス様は私を娶るしかなくなる。

 という心配をハデス様はしているらしい。

 確かにルイス様ご自身はそんなことをなさらないだろうけど、王太子殿下はがあるものね。

 強硬手段を取れば、手に入れることができる、と思っているのかもしれない。

 あれは・・・
ルージュ様が王太子殿下を好きだから可能だったことなのに。

 私が修道院に行くとか、それこそ自分で命を断つとか考えないのかしらね。

 本当、ルージュ様が絡むとあの方途端にポンコツになるわ。
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