嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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婚約者〜王太子婚約者ルージュ視点〜

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 わたくしの名前は、ルージュ。ルージュ・ラウンディ。
 マクラーレン王国ラウンディ公爵家の娘ですわ。

 十歳の時に、ラウンディ王国王太子殿下のダニエル様と婚約しましたの。

 他にも候補の方はいらっしゃいましたけど、ダニエル様がわたくしを望んでくださいましたの。

 王太子殿下の婚約者。
政略結婚にはなりますが、お互いに想い合えるならその方が幸せですわよね。

 その日から、わたくしには王太子妃教育が施されることになりました。

 公爵家の娘ですから、ある程度の淑女教育は受けております。

 ですが、わたくしがなるのは、王太子妃。後の国母です。

 周囲や相手につけいられるようなことがあってはなりません。

 毎日王宮に通い、王太子妃教育を受けるわたくしにダニエル様はとてもお優しく、教育の後はお茶をご一緒してくださり、庭園を案内して下さったりしてくださいました。

 そう。
この頃まではわたくしはまだ、それがダニエル様のお優しさだと思っていたのです。

 それが違うと気付いたのは、わたくしの王太子妃教育がほぼ終わりを迎えようとしていた頃。

 たまたま、お父様のご用で王宮を訪れていた侯爵家のご子息と、ばったり王宮の廊下でお会いしたのです。

 わたくしは普段、教育を受けているお部屋から出る時は侍女と護衛を伴っております。

 ですからその時も、侍女たちは一緒だったのですが。

 わたくしがご令息にご挨拶をして、ほんの五分も世間話をしないうちに、ダニエル様がやって来られて・・・

 その時にすぐに、王弟殿下のご子息であり、ダニエル様の従弟のルイス・ウィングバード様がいらっしゃらなかったらと思うと、ゾッとします。

 それほどまでに、その時のダニエル様は殺気を放っておられました。

 いえ。ダニエル様は王太子殿下。
ご自分の感情で、罪もない方に手をあげるような方ではない・・・はずです。

 わたくしを抱きしめて離さず、このままラウンディ公爵家に帰さないとおっしゃるダニエル様を国王陛下や王妃様が宥めてくださり、ウィングバード様が「そんなことをすればラウンディ嬢のご両親に嫌われるな。両親に嫌われたお前と、ラウンディ嬢は一緒にいたいと思うかな」とおっしゃいました。

 それでなんとか監禁されることは免れたわたくしですが、国王陛下や王妃様をはじめとする皆様から注意を受けました。

 ダニエル様にとっては、ご自身とわたくしだけが大切で、ご両親である国王陛下や王妃様も従弟であるウィングバード様も、地位も責務も、全てが『それ』と『それ以外』なのだと。

 それを頭に置いて、ダニエル様が責務を放棄しないように誘導して欲しいと言われましたわ。
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